あらすじ
Googleを辞めて、なぜ楽天へ?
マッキンゼーなど11職を渡り歩いた男が今、選んだのは日本の老舗IT企業だった――。
ネット登場から20年。普及期を終えたITは、もはや印刷や農業などあらゆるビジネスを書き換える成功原理である。
数々のIT企業にいたからこそ知り得た、ITビジネスの原理をこの一冊で圧縮体験する。
パズドラ月130億円、LINE3億人、なぜ大成功したのか?
Facebookはなぜマネタイズに苦しむのか?
Googleグラスに秘められたウェアラブルの本質とは?
LINEスタンプとiモード絵文字に共通する仕組みとは何か?
Amazonと楽天の決定的な違いはどこにあるのか?
Yahoo!が勝ち取った「純粋想起」の原理とは?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
本書ではITへの理解を深める為、過去ITがどのように生まれ、どう活用され、現在どのように発展し、未来にどのように進化するのかが記述されている。
正直な話、本書で述べられている事実の多くは既に知ってはいたが、その程度のものだった。
それら事実を著者はどのように捉えていたのかが本書における価値だと感じる。
この感想においては特に私が興味を持った、ITが普及した社会におけるビジネスの変化、コミュニケーションの発展、未来の可能性について新たに気づいたこと、自身の思考がどのように変わったのかについて述べたい。
ITによるビジネスの変化
これまでのリクルートなどのサービスにおいて見られる、マッチングサービス(リボンモデル)をただ単純に人と企業を結びつけるビジネスとしてしか捉えられていなかったが、本書を読む事で「ユーザ(自身の情報に価値を感じていない)から情報を集め、その情報を企業(ユーザの情報に価値を感じている)に売る事でビジネスを成り立たせている。」事を知り、より本質的なITビジネスに気づけたように感じる。
ビジネスとは安く仕入れて高く売るというのがビジネスの基本であり、それを私も当たり前だと思ってはいたが、「IT(またはインターネット)の登場により、これまで”物”を安く仕入れて高く売る形のビジネスが”情報”を安く仕入れて高く売る形に変わってきている。」と知り、どこかビジネスの基本を忘れITビジネスを別物のように考えていたところを改めることができた。
コミュニケーションの進化
昨今世の中でICT(Information and Communication technology )という言葉を多く耳にしていた。なんとなく意味はわかっていたつもりだったが、本書を読むことでその進化の歴史をしり、なぜコミュニケーションという言葉がITに付け足されたのかが理解できたように感じる。
また、それだけではなくICTのニーズについてもその歴史を通すことで理解が深まった。
これから述べることは今回の気づきであるが、それには私の考察も含まれている。
これまでの社会というか、日本人は特定のコミュニティや組織間(家族、友人、会社など)でのコミュニケーションが多かった。それがIT(通信や技術)の発展によりコミュニケーションの幅が広がった。これにより人々は組織において中々発揮できなかった個性を重視するようになったと感じる。組織の間では協調性が求められ皆が同じ方向を見て同じ方向に進む。これが良しとされていたのではないかと思う。
しかしITの発展により組織の枠を外れたコミュニケーションが可能になり、これまでの当たり前の価値観が変わった。組織に属し続けなくとも個人として生きていける、自分に合った組織を見つけることができるようになった。それゆえに人々は個性を重視するようになったのではないかと感じる。
本書によると日本人はどうやらハイコンテクストという言葉や情景を深く読み解く能力があり、その能力を活用して読み取った物を他者と共有することに喜びを感じるらしい。
個性、人と違うことを人々はこれまで以上に求め始め、それを他者に共有して気づいてもらう。
現在の人々のコミュニケーションはそれぞれが個性を発揮して、それを読み解くという形になっている。
私は、現在の人々は個性を発揮できればできるほど自分に合わない組織を抜け出し、自信を読み取ってくれる相手と新たな組織を形成しているのだと感じる。
人々が個性を発揮できるよう、企業も個性を与えるコンテンツを作り上げていった。それが絵文字であり、LINEのスタンプである。
人々はこれら個性を生み出せるコンテンツを活用してコミュニケーションをとり、コミュニケーションのためにコンテンツを購入する。
今回この内容を知り私がサービスを作る際には、この内容を思い出し、人々にコミュニケーションの為の個性を与えられるものを作りたいと考えた。
未来の進化
ITの発展の中でもデータの転送にもっとも興味を惹かれた。
現在できるのは、画像、テキスト、音声のデータ転送である。
本書を読んであり得ないと感じていた触覚、嗅覚、味覚のデジタル化とその転送も可能になるのではないかと感じた。
ビジネスを立ち上げるにはまだまだ知識も経験もないが、もし立ち上げられる機会が来るなら私は仮想空間において五感全てをかんじられる仮想現実を作り、人々のコミュニケーションをはじめとし、マズロー5段欲求を満たせるビジネスを作りたいと感じた。
夢もなく惰性で生きていた毎日だったが本書を読んで触発され未来に希望を感じ自身も本書に記載されていたような未来を作る側になりたいと感じた。
未来に希望も楽しみも面白みも感じていなかった自分だったが本書を通じて人生の目的、目標ができた。
拙い感想になってしまった事を反省しつつ、感想を以上とする。
Posted by ブクログ
Googleは特に何かモノを売っているイメージはないのになんであんなに稼いでるんだろう?
そういう疑問にこの本が答えます。
様々なITビジネスの儲かる仕組み、そして日本のITビジネスと世界の違いを比較して説明しています。
実に読みやすく、また深さを感じさせるところがありますので何回か読み返したい本でした。
Posted by ブクログ
2016/1/15
ITビジネスの成長を、優しく教えてくれている本。
なぜITが必要とされるのか、iモードやgoogleやFacebook等のIT企業がなぜのし上がることが出来たのか
・インターネットによるマッチングの最適化
・iモードのコンセプトは24時間、7日間、30cm以内
・情報を発信することで自分が豊かになるという考え方
・ひとつの広告あたりの売上は、日本はアメリカの3分の1
・日本のようなハイコンテクストの国は、言葉ではない(阿吽の呼吸のようなもの}部分を楽しむことができるのではないか、という筆者の仮説⇒アメリカのようなローコンテクストな国が目指す「無駄なき社会」とは違い、日本はコミュニケーションを楽しむ(商品の背景にある物語も含めて楽しむような)ことが大切になってくるのではないか。
1年後くらいにもう一回読みたい。
Posted by ブクログ
一気読み。わかりやすくかつ、とても良い内容の本だった。と書くこのレビューは非目的型情報発信ですね。ハイコンテクストなインターネット文化がより実現されてきているのは、この本が出てからInstagramがユーザー数を爆発的に伸ばしていることからも実感できますね。
と、難しいことを書いてるようにみえるけど、読めばすんなり分かります。同世代のコトを起こしたい人たちにオススメしたい本。
ぼくは、ハイコンテクストな文化と、これからの日本の地方がどこかで紐付けてビジネスができるような、そんな感覚になりました。
Posted by ブクログ
これからの時代にあったビジネスモデルのヒントになりそうなことを書いてある。
1、ユーザのインテンションを先鋭化させて正しく把握する。
2、そしてそのインテンションに基づいて最適なものを提示する。
という二つの仕組みがきちんと回ることが、インターネットビジネスでは重要。
Posted by ブクログ
この本を読んで初めてITビジネスの潮流をなんとなくではあるも、捉えることができたように思う。
なぜプラットフォーム型のビジネスが注目されるようになったのか?そもそもプラットフォームとはなにか?ハイコンテクスト、ローコンテクストなプラットフォームとは?
Posted by ブクログ
自分が印象に残った章の目次を書き留めます。
ITビジネスは何で稼いできたのか
ー価値観のギャップが利益を生む
ー「モノ」が「情報」に置き換わる
ー人はサンクコストにお金を払う
ネットが世界を細分化する
ー時間を細切れにするクラウドソーシング
ー分解されるタスク、分割される価値
消費されるコミュニケーション
ー目的型消費と非目的型消費
ITの目指すもの、向かう場所
ーハイコンテクストなインターネット
ーコミュニケーションは共通語から多言語へ
ー多言語から、さらに非言語へ
Posted by ブクログ
情報を発信する方が得だということは何となくわかりながらも、発信することに対してどこか苦手意識を持っている。本書で、発信することの利点を読み改めて、その大切さを実感。本格的に発信することに慣れていかなければならないなと感じた。
日本では、ハイコンテクストな文化背景から、差異を特別なものと思い、そこに価値を生み出す、いわゆるコミュニケーションやコンテンツ消費にポテンシャルがあるという話は、目から鱗だった。日本では未だにどうでもいいことをつぶやく目的でのTwitterが他の国よりなぜか流行っている
和歌などといった機微を楽しむ文化が背景にあるのは間違いない
そして、言葉ではない部分も楽しむ、余白を楽しむ文化というのも確かにと思った。絵文字は言葉では表現できない部分を表せる良いツールだ。これが日本で生まれたのも納得できる。
本書では、このハイコンテクストがこれからのインターネット、ITビジネスを考える上で最も重要なキーワードだとしている。
現状、ローコンテクスト的な使い方をされているインターネットを、ハイコンテクスト的な使い方に昇華させていくことがこれからのITビジネスのあり方なのではないか、というものだ。
純粋な商品の価値以外にも、体験、ストーリー自体にも価値がついてきているという話は、自分自身そう感じるし、よく言われていることだ。ハイコンテクストなITビジネスでは、商品に魅力的な物語や付加価値をつけることで余剰を得るというものだ。これに関しては、すでに一部の人がやり始めているものなのではないだろうか。それをうまく用いたビジネスでうまく行っている人を自分は何人か知っている。すでにこのハイコンテクストなITビジネスはやられ始めているのだろう。
将来的に、インターネットの主要ユーザーが、英語に縛られたローコンテクストのユーザーから、土着の言葉、土着の文化を持つ、ハイコンテクストな人たちに変わるという話は、とても印象的だった。これはインターネットのハイコンテクストなモノ同士をダイレクトに繋げられる性質によるものであるが、面白い考え方だなと思った。
この話に続いて、本当のグローバル企業は、英語よりも非言語のコミュニケーションを意識しているという話もとても面白かった。
究極的には、そもそも言語でなくてもいいコミュニケーションができるのではないか、例えば写真とかアイコンとか、言語を介さなくても豊かなコミュニケーションが取れる、むしろよりいいコミュニケーションが取れるのでは?というものだ。
非言語的な部分のポテンシャルはかなりあると感じている。最近読んだ、「復興の記憶論」という本では、言葉にすることで、一部の言葉にできない想い出の部分が失われてしまうという話があり、それと通じる部分があると思った。
筆者の語っていた、「あらゆる国と民族が持つ独自性、多様性を認め、かつ尊重した上で、言語に縛られることなく、言語を超えたところで繋がる関係、この関係を作る力がインターネットにはある。これが目指すべき次世代のインターネット像だ」という部分は、自分自身とてもワクワクさせられる、そして本当にあり得るかもと思わせてくれるものだった。
ずっと違和感を感じていた、SNSへの共有とその瞬間を楽しむということのバランスについて、ウェアラブル端末の話は解決してくれるものだと思った。
ウェアラブル端末によって、情報取得のコストや不安が徐々になくなっていくことで、普段の何気ない日常を共有できるようになる。決めたポーズでの写真ではなくて、より自然な姿を写真に収められる。ほんの1、2秒で日常の中にあるふとした瞬間を気軽に交換し合うようになると、より違いを求めるようになり、リアルの中に潜むほんのちょっとした変化に敏感になり、それを交換・共鳴することを楽しむようになる。
目の前にある現実、その瞬間のリアルの中にある一期一会の出会いを楽しめるようになる。
自分は今までその瞬間を実際に感じて焼き付けることと、写真などの記録として残すこと、SNSなどへの共有によって人とつながること、この両者のバランスに疑問を感じてきた。自分は、後者に偏って、本末転倒になるのがイヤで、あまりSNSへのシェアなどはやってこなかったというのもある。でも、もしもウェアラブル端末によって、その記録に残すことと、実際に体験することのラグがなくなったとしたら、どうだろう。それこそ、自分のモヤモヤを解消してくれるものだ。
早く技術が発達して、このようなテクノロジーが当たり前になってほしい。
後書きで筆者が述べていたことが、地味にかなり共感できるものだった。
会話→価値交換が凝縮された場
日々のちょっとした発見や仮説、事例を人と聞いたり、話したりする
会話の中でお互いの知が共鳴し合って起こる新しい化学反応
会話の中で、みんながその場で起こった着想、化学反応で、ほんの少しだけ豊かになる
着想という価値交換の連鎖
自分自身、この会話が大好きで、日々のさまざまなことを人と共有して、相手からの意見を聞くのがたまらなく大好きだ。お互い違うからこそ生まれる化学反応がたまらなくワクワクするのだ。この会話のポテンシャルについて述べていた筆者に、激しく同意したい。
Posted by ブクログ
モノを売るから、ユーザーを売るに変わったのが
ITビジネス。
いかにユーザーを集めるのかが重要。
ITの発展によって、様々なことが便利になって
ビジネスの仕方も変化した。時代が変化していく中で
変化を知ることは重要なんだと改めて感じた。
Posted by ブクログ
固いタイトルですが、平易な言葉と具体例を用いた説明で、理解しやすい。1時間程度で有益な知識を学べますので、多忙な方にもおすすめ。
情報格差や流通支配がビジネスの優位性であったこと、それをインターネットが崩したこと、インターネットの歴史などが、ストンと理解できます。
また、例えば、非目的型情報発信及び消費がオタク的行動者だけではなく広く一般に普及するという本書での推察は、インスタ映えとして現実化しているなど、著者の慧眼の魔術師ぶりを随所に感じます。
Posted by ブクログ
インターネットにおける今後のビジネスの一部分を垣間見たような感じでした。著者はマッキンゼー、リクルート、Google、楽天などを転職しているおかげで様々な角度からインターネットにおける今後のビジネスの展開を著者の考えで綴っています。ITにおけるテクノロジーが進化するにつれて今後大切なものとは何なのかと言うのを考えさせられました。
Posted by ブクログ
ITビジネスの歴史とその根幹について知ることができる本だった。自分は元々IT畑ではないが、そんな素人には打ってつけで、非常にわかりやすく原理、原則について学ぶことができた。歴史、原理を分かっていないと、ITの未来など少しも予測することはできないが、これを読むことでこの先のITの目指すモノ、向かう場所がもしかしたら見えてくるかもしれない。
Posted by ブクログ
ドコモのIモードやリクナビの立ち上げに関与したり、グーグルから楽天に転職したりアクティブなサラリーマンが、IT発展(2015年のAIの前まで)の経緯を振り返って説明。ビジネス本を読んだことのある人にはおなじみの話も多いけれど、ITという観点で掲示板からSNSへ展開した背景などや、24時間30センチ以内の距離というアクセスの容易さによるスマホの爆発的普及などを、一気に振り返るには有用です。
■ビジネスのキーは、商品・仕入地(安く売ってる)・消費地(高く買う)のマッチングだったが、時間と空間の制約をネットが飛び越えた■点在する情報を集める作業はインターネットが非常に得意。商品が情報に置換された■ネットではユーザー獲得コストTACをいかにゼロに近づけるかが課題■純粋想起(レストラン探しなら食べログ、金額比較ならカカクコム)を勝ち取ったサイトに人は集まる→強い所がますます強くなる収穫逓増の法則■従来の仕事のロットを細切れにするクラウドソーシングによってこれまで眠っていたものを有効活用し新しい価値が生み出される=レイヤーアンバンドル(階層の細分化)をITは起こしやすい■いまは情報を発信しないメリットは劇的に小さくなりむしろ隠しておくデメリットが目立つようになった■日本はハイコンテクスト(阿吽の呼吸)でアメリカはローコンテクスト。IT技術はアメリカ発信なのでそのまま輸入すると日本の文化メリットが活きにくいのが実情。
Posted by ブクログ
ITビジネスの原理、というよりは歴史書というイメージ。「どんな技術がどのような役割を果たし、そこにどんな仕組みが生まれてきたのか」ということがまとめられている。
強烈なメッセージはないので、そこに期待すると少しズレちゃう気がする。「ITってそもそもなんだっけ?」と問い、自分のアタマで考えたい人にはオススメ。
Posted by ブクログ
本書が書かれたのが3年ほど前で、そこからはInstagramが波及したり、VRやブロックチェーン技術が普及したりと、時代が変われども本質は変わらないな、と改めて。情報を集めるインターネットの中で、核となるのはやはり人で、コミュニーケーション手段の一種に過ぎないのだと。掲示板からホームページへ、ツイッターへ変化して行ったことのように、さらに非言語化していくようだ、
Posted by ブクログ
タイトル通りの内容が分かりやすく書かれている。内容とは関係ないけれど、表紙の筆記体フォントの「I」「T」がよく見ないとどっちがどっちか分かりづらい。
Posted by ブクログ
前半は非常に面白く読んだ。現在のITビジネスの仕組み(まさしく原理的なもの)が理解できたように思う。プラットフォームを作り、ユーザー(の情報 = demand)を集め、それを活用しビジネスする。
以下、印象に残ったポイント。
・以前は、空間的・時間的差異による情報の非対称生が、価値と利益を生んでいた(ex 香辛料貿易)。
・インターネットは、利益の源泉である空間的・時間的差異を無くし、ビジネスの仕組みを大きく変えた。
・商材がモノから情報へ。
・インターネットは、情報を集めるのが得意。プラットフォームを作れ。そして、集めた情報を、欲しがるところに売る。
・ユーザのインテンションを先鋭化させて正しく把握する。そしてそのインテンションに基づいて最適なものを表示する
・純粋想起をとる
・合理的な無駄のない世界は、いずれ代償を払うことになる
・インターネットは、よりハイコンテクトな世界に。
Posted by ブクログ
・仕入れ値(商品の価値をそれほど感じない)⇔消費地(商品に価値を最も感じる)
・「点在する情報を一カ所に集める」という作業は、インターネットが非常に得意とするところ
・ユーザーが求めている物は何かを明確にする、ユーザーのインテンション(意図)を先鋭化する
・情報そのもののコスト、その情報を探すための探索コスト、情報を手に入れるためにひつなコスト。その3つをあわせた物が、価格に見合うかどうかでユーザーはお金を払うかどうかを決める
・サンクコスト(sunk cost)とは回収できない費用のことで、この場合はゲームを進めるためにこれまで使ってきた時間、取り返しのつかない時間
・これまでは商品としての単位に足りないために売れなかった物が、仕事を細切れにすることで、売れるもの、価値ある物にできる
・SNSではまとめて話すことができるから、みんな何となくその人のことを知る。知られることがいいのは、リセンしー効果があるため、ほんとうは会ったことはないんだけど、毎日ポストを見ているからライクしておこうか、ということになる。
・情報は「ディレクトリ型」「サーチ型」にわかれ、前者は上位階層からしか検索できないのに対し、後者は下位の粒度から関連情報を拾い上げることができる
・電話というメディアは相手の時間を奪う物です。発信する側にするととても心理的な発信コストの高いコミュニケーション手段です。
・役に立つかどうかは知らないけれど、とりあえず情報を垂れ流していても怒られない、迷惑じゃないとなると、発信者も心置きなく垂れ流せるわけです。まあ出しちゃえとなると、発進力が強まるわけです。情報が情報としてあるために、リアクティブな受信技術は不可欠なのです。
・メールのようなメディアを、非同期的なメディアといいます。共時性はない、参加者は自分に都合がいい時だけ参加すればいいから、発信者、受信者ともにコストが低い。
・情報を発信するときには自分の持っている情報や志向を整理しなければなりませんが、その作業自体が自分を成長させてくれます。
・他人から尊敬され、名誉欲を充足させることができる。だから人はせっせとFacebookやTwitterに書き込むことになるのです。
・日本人にとってはハイコンテクストな機微こそが重要で、その機微を文章以上に表現できるから絵文字を使いたいのです。
・ダイソーという会社は100円の商品を売っているのではなくて、このお客さんが店に滞在している30分という時間を売っているのだ。店内に並んでいる100円の商品を見て、これを買ったら生活にどんな彩りが増えるだろうとか、100円でもこんな物が買えるんだとか、色々考えを巡らせながら過ごす時間を売っている
・ほんとうにいけてるグローバル企業は英語よりも非言語化を重視しているのではないか
・グーグルグラスは、情報取得のコストや不安を取り除くことで、人がより人間的な生活を送れるようにしてくれます。(よけいなことを考えるコストが減り、代わりにほかのことに気がつける。)
Posted by ブクログ
面白かった。インターネットが出た事によって、ビジネスやコミュニケーションがどう変わったのか。また日本独自のコミュニケーションの変遷を元に、未来のインターネットの形を考察している。
Posted by ブクログ
「ハイコンテクスト」と「コミュニケーション消費」のキーワードが印象的。世界はインターネットで繋がりフラット化されていっているが、何が「ヒットする」かは、国ごとのバックボーンで違うのだなと感じた。
Posted by ブクログ
点在する情報を一箇所に集めるのがインターネットの得意な所
ユーザーを獲得するために払っているコスト(=TAC)をゼロに近づけるのがビジネスの課題。ゼロに近づけることはつまりユーザーが勝手に集まってきてくれること
1.ユーザーのインテンションを正しく把握する、2.インテンションに基いて最適な物を表示する仕組みをきちんと回ることがインターネットビジネスでは重要
ネット印刷通販会社ラクスル=各印刷所の印刷機の空き時間を使って印刷を行い、通常より安く印刷物を提供する。日本の印刷機の稼働率は45%程度。
ITにより情報を細切れにして配ることでプライバシーの問題にも対処している
Posted by ブクログ
マッキンゼー、リクルート、google、楽天、などなど転職を10回も重ねた、
それも一流企業を渡り歩いた著者による、ITの歴史を辿りながらのITビジネス分析考。
ITビジネスに限らず、日々インターネットに触れて暮す僕らみんなにとって
興味深いことが書いてある本でした。
IT企業はどうやって利益を生んでいるか、だとか、
「パズドラ」に代表されるソーシャルゲームを分析すると、
どんなタイプのゲームがあり、それはどんな要素で構成されているか、だとか、
クラウドソーシングという新しい就労のバリエーションについて、だとかが
まず中盤までの間に説明がされ、
そこからは、ITのコミュニケーション面を重点的に、
そのテクノロジーやコミュニケーションの変容や、
そもそもの人間の所属の欲求や承認欲求というところにまで対象化して
説明してくれます。
「薄いつながりを強化する」というキーワードもあったなぁ。
学者や専門家と違って、難しい言葉では語られていません。
それは、いっぱしの知識は必要なのですが、
大抵の言葉は理解できるレベルでした。
ビジネス語も含めて、よく使われる言葉で書かれた本と言えるでしょう。
そして、ITの大筋がよくわかりますし、
いま、この時期の必読書、と言えそうです。
この時期というのは、著者の言葉を借りれば、
時代の曲がり角ということなんですよね。
インターネットの環境が整ってきて、
それをどう使うかというのが今求められていて、
その曲がり角ということです。
今回の読書でも、また僕の頭にひっかかる言葉がありました。
___________
モノを買うというのは、ただ品物を買っているだけではなくて、
その商品にまつわる物語を買っていたり、売っている人との関係性を買っていたりする
と思うのです。その関係性を手に入れたとき、人はもっと幸せになれるし、
インターネットというのは、それを実現できる力を持ったツールであるはずだ、
と思うのです。
__________
そして、著者は、それこそを楽天という会社はできるはずだ、
というように話を流れさせていましたが、
これはもう気持ちの持ちよう、意識が何かのきっかけで変われば、
楽天に限らず、いたるところでそういうアニミズム的な、
モノに宿っている作り手や売り手などの物語や関係性、魂のようなものを
みんな感じとるようになるんじゃないのでしょうか。
この間読んだ、大森荘蔵さんと坂本龍一さんの
『音を視る、時を聴く。』でいう「あったかみ」であり、
佐々木俊尚さんの『レイヤー化する世界』でいう「いとおしさ」であり、
そういった他者への敬意が、マルセル・モースに言わせると、
「自分自身の何か、自分の生命、自分の時間がモノに宿っていてそれを交換している」
でありますが、そういうのが、技術革新に劣らない生産性の向上あるいは維持にも
なるとモースは言っています。さらに、社会的包摂というものも、
それらに関連してくるような予感があります。
ひいては、生きづらいこの社会が、生きやすくなることにも繋がっていくことが
可能のようにも思えてきます。
要するに、先にも書いたように、
「他者への敬意」をちゃんと持つということなんですよね。
「他者への敬意」については、糸井重里さんが「ほぼ日」で書かれていたことが
何度もあると思います、僕もそれに影響を受けていたりするわけです。
というように、話は逸れたかのようでいて、
これは本書の中心的な内容でもあります。
社会学、というほど堅苦しくない、やっぱりITの本なので、
インターネットが手放せないみなさん、未読の方は手に取ってみてください。
Posted by ブクログ
インターネットの原理や歴史がわかる。
40代の私としては、経験と照らし合わせて振り返ることができる。
著者の転職先でプラットホームを構築していく経緯も興味深い。
特殊な印刷機の稼働率が50%以下なら時間貸ししても良い。
ダイソーの1人あたりの単価は500円で、所要時間30分。500円で30分の買い物を楽しんでもらえる空間を提供しているとのこと。
Posted by ブクログ
【気になった場所】
みんなを笑顔にできるプラットフォームを作ること
商売の原点
→場所によって違う価値の差をお金に換える
インターネットの特徴
・空間的、時間的な制約なしに世界中を結ぶ
・点在する情報を一ヶ所に集める
・タスクを細分化させる
インターネット前後のビジネスの違い
・前 モノを安く仕入れて高く売る
・後 ユーザーを安く仕入れて高く売る
インターネットのビジネス
→世界中に点在しているユーザーを一ヶ所に集めて、そのユーザーを金を出しても欲しいと思っている企業や人と結びつける
→マッチングの最適化が重要
→ユーザーが何を求めているか正しく理解する必要がある
Googleの2つのプラットフォーム
・ページランク理論を搭載したウェブ検索
→ウェブ検索において、他のページからリンクされているページは重要である
→それまでのウェブ検索は、選択肢形式
・AdSense
→Webページのコンテンツに合わせて、関連する広告が自動的に配信、表示
→ユーザーの潜在的ニーズを提示
例)
カフェに行きたい人が、Google mapsで検索
=Googleがこのユーザーを0円で仕入れる
→Googleがこのユーザーをカフェに1クリック15円の単価で売る
Googleが勝った理由
・ユーザーの純粋想起を獲得したため
→ウェブ検索ならGoogle、地図ならGoogle maps、メールならGmail等
・収穫逓増の法則
=生産規模が大きくなると生産が効率的になり、収穫は規模の増大分より大きくなる
課金ビジネスのビジネスモデル
=フリーミアム
=最初フリーで、プレミアムで付加価値
例)
Evernote、Dropbox
課金ビジネスが成功しなかった理由
・集金システムが整っていないため
→本来課金すべきものをフリーにせざるを得ない
ユーザーがお金を払う基準
・情報そのもののコスト
・その情報の探索コスト
・その情報を手に入れるのに必要なコスト
→これらのトータルコストが見合っているか
例)
100円ライター理論
→ジッポを家に忘れてもコンビニで100円ライターが買えるなら、家まで取りに帰らない
ソーシャルゲーム
・快感に対してお金を払ってもらうビジネス
例)ソシャゲやスマホゲーも原点はポケモン
→ゲームの要素=交換、収集、育成、対戦
例)
ソシャゲにおけるサンクコスト(埋没費用)
・無料でプレイできる
→たくさん時間を使って楽しむ
→お金を払えばあとちょっとでクリアできる
→今までかけて時間が惜しくなる
→少しだけならとお金を使う
クラウドソーシングの可能性=仕事の細切れ
・空き時間を、仕事に充てられる
・他国の人を採用して、労働コスト削減
・データを分割すれば、個人情報も扱える
例)タスク細分化の例、ニコ動の初音ミク
・各人が自分にできることを行い貢献する
情報を発見する技術=情報を受信する技術
コミュニケーション消費
=コミュニケーションツールとして活用
・着メロ、ストラップ、待受、絵文字やスタンプ
モノを買うのは、ただ品物を買っているだけでなく、その品物にまつわる物語を買っていたり、売り手との関係性を買っていたりする
例)
コストコも日本人はコミュニケーション消費
→大量の単位の品物をみんなでシェアする
コミュニケーションの変遷
・共通語→多言語→非言語
→ハイテクストなコミュニケーションが加速
→ウェアラブルでさらに加速
例)Google Glass
・いまのSNSはまだ日常を構えて投稿しており、リア充アピールが多い
Posted by ブクログ
ITによってこれまで情報の非対称性、希少性がビジネス的な価値になっていたものがなくなった。 そこではむしろ情報はオープンにしていた方が得することがある。
例えば、メルカリとかは、情報をオープンにしたことで、これまでは価値のないと思われていたものにも価値がつくようになった。
また、情報を発信してオープンになることで、周りからのFBが帰ってきたり、仕事の話が飛んできたり、
より他の情報が集まってきたり、隠すよりは、オープンでいるほうが得である。
そして、話の面白かったのが、
ネットにおけるハイコンテクストとローコンテクストの話。
Posted by ブクログ
2/16
ITビジネスがどのように成長してきたか
→価値観のギャップ
→iモードの事例
インフォメーションとコミュニケーション
→コミュニケーションは共通言語から多言語、そして非言語
Posted by ブクログ
アメリカの文化人類学者エドワード・ホールは、言葉の奥にある文脈を共有する文化をハイコンテクストな文化、共有しない文化をローコンテクストな文化と表現した。
日本は「阿吽の呼吸」という言葉があるくらいハイコンテクストな文化である。しかし、この文化は日本の同質性ゆえに生じる文化であり、グローバル時代のいまは、ローコンテクストな文化におけるコミュニケーションが主流だと思っていた。
しかし、著者は、これからはハイコンテクストな文化が主流になり、それを背景にしたコミュニケーション消費が増大すると言う。
確かに、インターネットによって、感性が合う世界中の人とコミュニケーションが取れるようになるなら、著者の言うことが当たっている気がする。
ハイコンテクストなコミュニケーションが主流になるのか、ローコンテクストな中でのコミュニケーションが求められるのか、今後の動向を注視しよう。
Posted by ブクログ
これがバイブルなほどネットの世界とは薄っぺらい物なのか?ネットではなくて「ネットでの金儲け」なら理解できるが。
iモードはインターネットではなくて,パソコン通信でしかないはず。
ゼロx無限大はどう考えてもゼロにしかならない。