【感想・ネタバレ】孤独をのぞき込む 秘密の読書会のレビュー

あらすじ

「孤独」とは何か――
6冊の本を持ち寄り、読み、対話する。
小説家と臨床心理士による、文学と心のキャッチボール。
その先で二人が発見したものとは?
ひとりの夜、この本はあなたを照らす光になる――。
あなたも「秘密の読書会」への扉を開いてみませんか?

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Posted by ブクログ

孤独を見つめる言葉の襞の宝庫

小川洋子さんが小説書きとして洗練してきた感性で投げかけ、東畑開人先生が心理学で培った複眼的な視点で応答するやりとりの中にとても孤独についての襞が見つかる素晴らしい対談だった。良い悪いの二元論的なものではなく、少しずつ少しずつ別の言葉、手触り、繋げ方で孤独を触っていく。その中で交わされる言葉が、例えるなら指間水かきのような、ずっと泳いでいてやっとできるちょっとカッパみたいにのびる手のひれみたいに、小説家、心理士を通してお二方が泳ぎ続けてきた長い時間が故に掬い出された言葉のようで、何度も頷き、発見があった。

鏡リュウジ先生との『昼間のスターゲイザー』でも思ったけど、東畑先生は対話だとより活き活きしているというか、紡ぎ出された言葉、再記述的なちからがより対談者に共鳴するように凄く広がるような印象を受けた。もっと色んな方との対話本を読みたいな。

とにかく素晴らしい対談でした。

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2026年10月18日

Posted by ブクログ

 小説家と臨床心理士による本をめぐる対話集。本は「孤独」が息づく6冊。日頃から「孤独」を見つめ物語を紡ぐ小川洋子さんと、他者の「孤独」に心を寄せる東畑開人さん。「孤独」は自ずと2人の接点となり、対話の切り口になったものと推察します。

 東畑さんは2人の対談を、「孤独」の言語を習得するための、小川さんからの個人レッスンと語っています。「孤独」が有害で、人とのつながりが必須のように扱われる生きづらい世の中です。本書では、むしろ一人になることの大切さを説いています。

 ブク友の皆さんは、一人になって本を読み、良質な「孤独」を過ごしていますよね。読書で自分に向き合って内なる世界を耕すことが、自分の背骨を鍛えることにつながるのでしょう。「孤独」にはケアが必要なものと尊重されるべきものがあり、決してネガティブな側面だけではないのだと、本書を通して改めて知ることができました。

 取り上げられた作品は、以下の6冊
・『耳に棲むもの』(小川洋子)
・『ガラスの動物園』(テネシー・ウィリアムズ)
・『はてしない物語』(ミヒャエル・エンデ)
・『ミリアム』(トルーマン・カポーティ)
・『螢』(村上春樹)
・『カウンセリングとは何か』(東畑開人)

 現代文学、戯曲、児童文学、短編など多様な選書でしたが、ブックガイドの側面以上に、物語に潜む「孤独」を文学とカウンセリングの視点から紐解き、どう捉えるか示唆に富む対談でした。最終的に「孤独」の育て方に収束していく構成が見事です。
 ハウツー本ではありませんが、「孤独」への向き合い方に新たな気づきが得られると思います。


 ※小川さんは、最近の風潮を次のように憂いていました。読書会の在り方へのヒントになるかも…。
 物語を他者と語り合うことに結論はありません。明確な成果を求めないまま互いの心がさ迷います。このあいまいな揺らぎに耐えるだけの辛抱強さが、失われつつあるのかもしれません。今の人は一人になることの難しさに直面しているような気がします。

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2026年10月22日

Posted by ブクログ

孤独を育てる。
孤独が悪いこと、解消するためにはどうすればいいか、という議論が多くなされている今、この考え方は目から鱗だった。

愛が絡むとややこしくなるというのもその通りだなと。
この人のために頑張ろうというのは大事なことなのだけれど、それが裏切られたと感じた時、とてつもなく虚無感に襲われ、傷つく。
でも、愛がないと人間的な喜びは得られない。
この矛盾の中で私たちは日々生きているのだと思うと、人間はひとりで生きれないのだと改めて実感させられる。


◾️心に残った文章

良い孤独を持てることが、人間の自由なんだと思う。
孤独を消すよりも、孤独を持てるようになること。
孤独をどう引き受けるか、どう安全な形にするか。

孤独を育てる。
繋がりを経て、言葉を経て、怒りや愛を経て、それでも最後は自分の部屋に戻り、そこで静かに何かが熟すのを待つ。
その時間を持てるかどうかが人間にとって決定的なのだと。

職場でも家庭でも愛が絡むとややこしくなる。
部下が上司のためにと必要以上に頑張ると愛が強すぎると傷つきも満ち溢れてしまう。
愛が絡まなければ人はもっと機械的に、効率よく生きられるのかもしれない。
でも実際はそうならない。
職場でも家庭でも教育でも、愛のようなものが介入した時に、関係はややこしくなる。
けれどそのややこしさの中でしか、人間らしい喜びや人間的な成長ができない。

愛の問題と孤独は接続している。

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2026年10月05日

Posted by ブクログ

この本は小説家の小川洋子さんと
臨床心理士の東畑開人さんが
「孤独」について語り合った内容が書かれています。

「孤独」には種類があり、それぞれの「孤独」について
2人が選んだ本を元に語り合っていくのですが
「孤独」の種類による違いがとてもよくわかりました。

語り合う本の1つ、『ガラスの動物園』において
登場人物のジムに対する印象が2人の中で違いがあったのが
面白かったです。ローラのユニコーンのくだりも良かったです。

「孤独」は全員が持っているもの。
深く知る事で自分、家族、他者それぞれの
繋がりと大切さがより理解できると
この本を読んで分かりました。

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2026年10月04日

Posted by ブクログ

孤独には二種類あるということを知ることができた。ロンリネスとソリチュード。前者は「見捨てられること」を意味し、苦痛であり人を損なうもの。一方でソリチュードは他者を忘れて、自分自身の声に耳を澄ます、自分自身であるために必要な孤独。
また、ソリチュードは安心な他者を得て初めて可能になる。帰るところがあるから、一人で旅ができるのと同じ。
自分が今感じている孤独は、ロンリネスだと思う。一人行動はこの数年でできるようになったけど、それを楽しめていないのは、居場所がないと思っているから。他者との繋がりがどんどんなくなっているから。居場所を作って初めて一人を楽しめるんだと、自分の孤独の正体がはっきりした。

「そういう救いようがない世界に私たちは生かされているんだと思うほうが、本を閉じたとき、劇場を出たとき、生の実感を得られるのかもしれません。」

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2026年10月25日

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