【感想・ネタバレ】カポネ 上のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

暗黒街の帝王、アル・カポネの成り上がっていくさまを描いていて、上巻では青年時代からファミリィを率いてシカゴを制覇するところまでが書かれている。

個人的に、この手の話の序盤は「我慢して読んでいく」ものだという印象があるのだけど、この小説では冒頭から面白い。話の構成から進めかたにいたるまで、巧妙で惹きつけられる。名の知れた人、モノを題材としているから、などではなく純粋に物語として楽しめる。ただ、緻密さは望めない。しかしこれはあくまでも小説なのだから、これでいいと思う。

ピカレスクということで「政府はクズだ」「警察はゴミだ」といったように作者が主張したり、あるいはカリカチュアライズされていたりといったこともなく、語り手は常に冷静であるところも非常にいい点だと思う。確かに読んでいると政府はクズで警察はゴミであるのだけど、それを声高に唱えず、事実を事実として書いているだけなので、読者は余計なことを考えずに読み進めることができる。

ここまで読んでいて気持ちのいい小説は久しぶりだった。

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2013年02月24日

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