あらすじ
私は生活費を稼ぐため警備員になった。作家と警備員の二足のわらじを覆きながら、慣れない仕事に悪戦苦闘の日々が続く。どこか常識の欠落した警備の仲間たちに振り回され、仕事を辞めようかという矢先、私の前に「師匠」が現れた―。警備員の織りなす奇妙奇天烈な群像劇。傑作「軍艦武蔵」の著者が、実体験をもとに書き下ろした警備員小説。
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Posted by ブクログ
サラッと読み終えたけど長く記憶に残る物語。
著者は1946年生まれで今は73歳。警備員をやってたのは五十代半ばの頃だそうだから15年くらい前、大体2004年頃の話か。
日々あちこちで見掛ける警備員も過酷な仕事で、氷雨の中でも傘はおろかフードも被れないから首筋からの雨の侵入で身体の冷えとか、夏の酷暑の中での誘導とか
とても自分には勤まらない。
そんな底辺の職場には様々な曲者が集まっているのだが、主人公の著者は、ある日師匠と呼ぶに相応しい人物と出会う。どんな世界にもクズも居れば尊敬出来る人物も居る。
警備員になることは無いが、
どんな仕事にもスキルの向上と責任感で自分を高めることが辛い仕事の励みになる。楽をしようとかサボることばかり考えていると仕事は余計辛くなり卑しくなる。
どんな業務でも仕事を通じて人生を切り拓く可能性や姿勢を信じることの尊さを感じた。