【感想・ネタバレ】コルトM1851残月のレビュー

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ネタバレ

相変わらず硬質で緻密な文章に造形のしっかりしたキャラ。複雑な過去を持つ陰影豊かなキャラが敵味方入り乱れるが、今回はピカレスクストーリー調の展開で、前半はチンピラ気取りの主人公が鼻につくが立場が逆転してからの主人公とそれを取り巻くキャラの動きは流石で、一気にラストまで読んでしまう。
死に花を咲かせた主人公だが、一命をとりとめた設定にも出来るので続編もありだが、果たして?
江戸の暮らしもしっかり描かれており、近未来に江戸に舞台を選ばない所もこの作家の力量がうかがい知れる。どの時代背景でも魅力的な物語を紡ぎだし、文章が上手く、悲劇的とすらいえる内容ながら情感豊かな物語性は、どこか冲方丁に通じるところがある。

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2014年04月19日

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まさかの「ジャンゴ」幕末日本版!?
日本家屋での大銃撃戦は是非とも映像化して欲しい。
襖越し、障子越しに飛び交う弾丸。
倒した敵から次々に銃を奪いながら撃って撃って撃ちまくる!
たけしの「座頭市」プラス「必殺仕置き人」プラス「続・荒野の用心棒」が見事に融合、こんな小説が読みたかった!
いや~凄い。凄い小説でした。

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2014年03月22日

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コルトM1851を操って江戸の裏社会を生き抜こうとする男の物語。その生き様はかっこよくて切ない。まるで西部劇を見ているかのような時代劇は異色で新鮮でした。

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2014年03月11日

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なんだろう、悲しくて、カッコよくて、不思議な感覚。時代劇ではあるが、現代劇のような迫力とスピード感。
面白かった。

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2022年03月09日

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嘉永6(1853)年の江戸を舞台に、コルトM1851を手にした商人が大暴れするという「なんじゃそりゃあ?」な話なんだが、これが滅法おもしろい。主人公の“残月”こと郎次のキャラクターが際立っていて、活劇ファンなら歓喜すること請け合いだ。
読みながら思ったのは、昔熱中した大藪春彦さんの小説の数々。内に秘めた怒りや憎悪を隠し、ストイックに自分を鍛えていつか成功する日を思う。郎次の過去や現在の境遇などがそれらの作品に重なり、より深い読後感となった。
……まあ、“人殺し小説”ではあるんだけどね(^_^;)。

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2021年08月26日

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江戸時代末期を舞台にしたノワール。時代劇にコルトというワンアイデアが面白く、その取り合わせの妙も手伝ってぐいぐいと引き込まれる。拳銃というオーバーパワーな武器を取り入れたわりにはパワーバランスが絶妙で、無敵ではあるが弾丸の装填に時間が掛かる、残弾数が心許ないという感じで上手い具合に枷をはめているのが印象深かった。また船上や夜の森、襖のある室内など、戦いのシチュエーションもよく練られており、刀と銃の距離感や間合いの緊迫感は凄まじいものがあった。文章もハードボイルドらしい切り詰めて書かれた乾いた文体で、無駄な説明を省きつつも読みやすい仕上がりになっているため人を選ばない。ただ構成面は良し悪しな部分があり、元脚本家らしい山あり谷ありの筋書きで、キャラもよく立ってはいるものの、反面、展開があまりに映像を意識しすぎていてドラマチック過ぎるきらいがあり、綺麗に整頓されすぎてる印象も受ける。序盤から執拗に張った伏線である積荷、銃弾の補充ネタは、勘のいい読者なら銃もろとも敵の手に渡るのは簡単に想像がつくだろう。確かにそれは面白い展開であり、こちらが想像した面白さは全て提供してくれるのだが、意表をつかれることはなく、コルト以外の驚きや目新しさがなかったのは痛い。最後は女が裏切るかと思ったが、それだとホラーになってしまうため、ハードボイルドらしいすっぱりとした幕切れにしたのは好感が持てる。ただ王道的エンタメとしては十分であり、あくまで「欲を言えば」の部分でしか無いことを付け加えておく。

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2019年05月28日

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題名通りの幕末ウエスタン。組織を裏切った主人公と組織の幹部の元情婦が組織と戦う。ウエスタン物はこんなベタな展開が一番。

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2018年10月16日

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江戸のにコルト!綺麗にハマっていて違和感無く楽しめちゃった。(*_*)

最後の最後まで弾数を気にして、数えてて欲しかったかな。

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2018年02月14日

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舞台は江戸時代だけど拳銃を持つ男が主役のピカレスクハードボイルド.殺伐とした江戸の裏社会の雰囲気がよく出ている.松田優作のアクションのような銃撃戦も出て来る.ハードボイルドは一匹狼と言いながら大抵,子供か女または老人が一人味方につくのだが本書は美女.

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2017年02月01日

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江戸時代版ハードボイルド。主人公の唯一の武器であるコルトM1851を隠し持ち、敵となる相手を撃ち倒していく。

最初、抜け荷一味の一員でもあり、上にのし上がってやろうという野心満々の主人公になかなか魅力を感じられなかったが、仲間から裏切られ、孤立していく中で、それでも強かに這い上がろうとする姿を見るうちに、だんだん愛着が湧いてくる。更に、不遇な生い立ちが明らかになり、いいタイミングで、これまた魅力的な助っ人が現れたところからは、そのまま止まらず一気読み。主人公の印象が途中でガラリと転じ、最後は何と格好いい男に変貌していたことか。前回読んだ「黒警」でも主人公に対して同様の印象の変化を受け取ったところからして、この作家さんの描写の上手さを感じた。

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2014年03月04日

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江戸時代末期にコルトM18511!?
父親に殺されそうになった男、残月の郎次が、ある人物から「憎しみのない弾など当たりはしない」と教えられ銃を託され、それを一種の「秘密兵器」として裏社会を渡って行くのだが、自分が生き抜き登りつめようとしていた裏社会を最後は憎悪しぶち壊す。
ダークヒーローものと謂って良いか。
終盤は江戸の街で西部劇ばりの打ち合いなのだが、描写が丁寧(特に弾込め。パーカッション式リボルバーなので一発ずつシリンダーに発射薬を詰め、弾丸を詰め、グリスを詰めてシリンダーの後ろに雷管を填める。6発で210秒!を打ち合いの最中にやるのがスゴイ。)でリアル。
ノアール系で変わったものが読みたいと思ったらどうぞ。

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2014年03月02日

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物語の背景となる江戸時代には日本になかったであろう、コルトという連発式の短銃を駆使し、成りあがるために対立する相手をたった一人で排除する主人公の物語であるが、まあ人が死にまくるし、その主人公の生い立ちと、それの写し鏡の様な敵役となる商人と、コルトを主人公に与える中国人との関係も、ただただ只管に暗く、爽快感には乏しいが大江戸ハードボイルドとしては相応しいのかもしれない。登場人物で魅力的なのはお蓮という鉄火肌の姉御と、それに似た娼婦のみであり、その他のやくざ者は主人公も含め、皆、まあここまでという人間達ばかり。そういう相手達を皆、敵として最後の最後で反逆する主人公との結末はここまで追い込まれながら勝てるという感もあり、あっけなさで終わるのが残念かな。

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2014年01月25日

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やくざ者が組織を追われ、対峙する。
過去と現在が交互に描かれ、残月の業をうかびあがらせる。
月村了衞さん独特のカッコよさは、時代小説になっても健在。
寝る間も惜しんで一気に読んだ

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2013年12月24日

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無理心中の生き残りの残月,拾ってくれた儀平に忠誠を尽くすがその関係は謀に満ちた汚いものだった.コルト拳銃が存在感を放つ.

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2017年02月03日

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ネタバレ

幕末の江戸を舞台としたコルトを手にした番頭のアクション時代小説。

「週刊文春」で連載が始まった「コルトM1847羽衣」が面白そうなので、シリーズと思って読みました。
いまのところ、「コルトM1847羽衣」とは関連しなさそうです。
月村作品は数作しか読んでいないのですが、時代物は初めてでした。
もっと荒唐無稽なものかと期待せずに読みましたが、弾込めの時間、銃の取り扱い、弾数などリアルっぽいところが最後まで面白く読ませていただきました。
物語はかつての仁侠映画、カンフー映画、ウェスタンのような展開で、飽かずに一気に読みきれました。
ただ主人公の脇が甘すぎなところが、玉に瑕でしょうか。

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2016年09月24日

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内容(「BOOK」データベースより)
江戸の裏社会で存在感を増す男、残月の異名を持つ郎次は、抜け荷の稼業を一手に仕切っており、一家の跡目を襲う立場と見なされていた。だが、一人の因業女を始末したことから、潮目が変わり、次第に抜き差しならない立場に追い込まれていく。

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2015年04月24日

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ネタバレ

前作の土漠の花が面白かったので、2冊目。 何気に選んだんだけどなかなかのもの。江戸時代のハードボイルド的なお話。回船をやりながら密輸も行い、敵は当時珍しい6連銃で倒してきた男。さまざまな裏切りにあったり、裏切ったりしながら、最後は自分を裏切った組織を壊滅させ、自分も死ぬ。といったお話。感情移入しにくい主人公だけど、話の進め方はうまいし、ハラハラする。また読みたくなる作家さんです。

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2015年12月23日

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ネタバレ

敢えて言えば、ハードボイルド幕末ウェスタン。一家心中の生残りという境遇から闇社会でのし上がってきた主人公が成功まであと一歩のところで仲間からの裏切りに会う。暗転する運命を逆転させる鍵は、彼をそこまでのし上がらせた武器、コルトM1851ネイビー。当時の日本(江戸)にはないリボルバー式の六連発銃だが、弾と火薬を都度詰込まなくてはならない。しかも残された弾丸は53発。復讐の度に減っていく。どうやってたくさんの敵に対峙するのか、は読んでのお楽しみ。力ずくの怒涛の展開ながら、悪役はあくまで憎々しく、ヒロインはあくまで美しく、ハリウッドのB級アクション映画のような割切りで楽しく読みました。

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2014年05月01日

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