あらすじ
いつか見た月夜は、これからも、人生に何度だってあらわれるのだろう――加藤千恵さん(小説家)
ぼくたちは、夜を歩く。眠れない夜に。不安な夜に。静かで、藍色で、心細い。でも歩かずにはいられない。そんな夜に。
会社員の實成は、父を亡くした後、得体のしれない不安にとり憑かれるようになった。特に夜に来るそいつを遠ざけるため、なにも考えずに、ひたすら夜道を歩く。そんなある日、会社の同僚・塩田さんが中学生くらいにみえる女性を連れて歩いているのに出くわしたことから「深夜の散歩」を行うことに。やがて、何故か増えてくる散歩メンバー。皆、それぞれ日常に問題を抱えながら、譲れないもののため、歩き続ける。いつも月夜、ではないけれど。(解説・加藤千恵)
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Posted by ブクログ
寺地はるなさん作品初。
読み始め、たくさんの名前が出てきて
こんがらがってしまった。
主人公の實成(みなり)さんは
あることから夜のお散歩を始めた。
次々に一緒に歩くメンバーが増えていくなか
それぞれが抱える悩みや問題にみんなで寄り添いながら
夜のお散歩を遂行していく物語。
日常のたわいないこと、、
会話だったり家事だったりが淡々と進んでいくのだけれど、時には大きな問題でみんな総出で助け合ったり、事件?に巻き込まれたり そうやってみんなが一皮むけていくところまでの流れがとても丁寧に温かく描かれていました。
いい作品でした。
Posted by ブクログ
寺地はるなさんの作品は2作品目だけど、淡々と物語が進んでいるようで主人公の変化などが感じられていい。
前作もだけど、他人との絶妙な距離感が良い。
近すぎずでも遠すぎず。
近所の人たちと散歩をし始めて、その散歩グループが解散になることに正直悲しさを感じたが、絶妙な距離感の関係だったからこそそこにドロドロ感がなくて良い。
最後恋愛に集約されると嫌だなと思って読んでいたが、なんとかそれは免れた。
寺地さんの作品はフェミニスト的な視点が入ってるのも安心して読めると思った。
Posted by ブクログ
寺地さんの作品がとても好きです。
読後は穏やかな気持ちになりました。
登場人物の性格や考え方に、共感したり、驚いたり。1人1人丁寧に描かれているなと感じました。
普段自分も感じる様々なもやっとする違和感を、實成さんが違和感をきちんと自分の言葉にして伝えていることに、できた人だなぁととても感心しました。
Posted by ブクログ
"いつか見た月夜は、これこらも、人生に何度だってあらわれるのだろう"
Podcastを聴いてる加藤千恵さんの帯文を読んで購入
物語の説明をするのは難しいけど、
主人公だけでなく出てくる登場人物たちみんな、特別でなくそこにちゃんと存在していて、感情の動きが描かれていて、リアルな日常を描いてくれている
わたしにだってモヤヤンは現れるし、そんな時は實成同様にウォーキングしたり、音楽を聴いたり、本を読んだり、時にはモヤヤンと向き合ってみたり
そのときに、誰かと一緒にいることだけじゃなく、ひとりぼっちでも素晴らしいと心の底から思える自分でいたい
「いつも月夜なんてありえないけど、月夜じゃなくても歩けるんだよ。わたしもあなたも。他の人たちも、みんな」