【感想・ネタバレ】『アリス・ミラー城』殺人事件のレビュー

あらすじ

鏡の向こうに足を踏み入れた途端、チェス盤のような空間に入り込む――『鏡の国のアリス』の世界を思わせる「アリス・ミラー城」。ここに集まった探偵たちが、チェスの駒のように次々と殺されていく。誰が、なぜ、どうやって? 全てが信じられなくなる恐怖を超えられるのは……。古典名作に挑むミステリ。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最後まで犯人もトリックもわからず、終盤は、1人ずつ、この人には無理、この人には無理・・・じゃあこの人!?あれ、でもこの人も無理になった・・・??という感情がつづき、ハラハラして楽しめた。記憶がなくなったころにもう1度読みたい。そろそろ思い出せなくなったので、読み返そうと思う。再読したいと思えるミステリは少ないが、これはその1つ。

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2025年08月12日

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ネタバレ

 『鏡の国のアリス』を連想させる『アリス・ミラー城』に探偵たちが集められ、次々に殺されていく…というクローズドサークルに密室、バラバラ死体などミステリー好きを刺激する要素が目白押しで最高だった。そして犯人が語る動機の歪さが不気味だったし、ラストの衝撃は「アンフェアかな?」と思ったけど自分は好きだった

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2024年06月02日

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ネタバレ

うーんお見事!
幻想的な雰囲気、「物理の北山」とはこういうことか、と膝を打ちたくなる華麗な物理トリック、密室、殺人の驚愕の動機、そして叙述トリック。

叙述トリックに関しては、探偵たちが海上の証言を全く追及しないこと、アリスがほとんど登場しないことなどを不満点に挙げてる方もいたが、少なくとも前者に関しては海上はもはや狂人なので、探偵たちが相手にしないのもおかしくはないかと。

初日の晩餐のシーンは本当に巧い。
その他にもルディが人形と会話しているように錯覚させるなど、随所に見事な描写が見られる。
個人的には、『鏡の国のアリス』を模した城であることがトリックのための"必然"であるということがなんというかとても嬉しい。
ラストの、鏡文字を使い、鏡の中を覗き込むかのような犯人の明かし方も美しい。
 
物理トリックも、純粋なそれで驚いたのは久しぶりだった。
解説によると「ミステリが好きな方々により満足いただけるようにより意識して書きました」とのことだが、しっかり満足させられた。大満足。

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2021年11月23日

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ネタバレ

冬、海に浮かぶ密室「アリス・ミラー城」に招待された探偵たちの目的は館に伝わるアリスミラーの捜索。 最後まで生き残った者が手に入れられるという条件の下で探偵たちを嘲笑うような奇々怪々な惨劇の幕が上がった・・・。

 結末は言わずもがな
「アリス」なる人物を不思議の国のアリスと混同させるトリックはもはや芸術の域。 御伽噺のアリスとの誤認に加え、ルディとの容姿・出生の混合、「友達」ではなく「フレンド」という表現は実在の人物ではなく架空の人物を想起させるような言葉選びですっかり騙されてしまった。
 

 一方で作者が意図的にアリスの描写を省きすぎているのでアンフェアの側面も強い。 終盤の入瀬、古加持のセリフから作中内で既にアリスは死んだものとされている。 アリス犯人説を否定するにはアリスの死体でも上がらない限り探偵たちは納得しないと思われるのだがそこらへんは丸々描写されていない。 この点は賛否分かれるところであろう。

 久々に奇天烈な作品に出遭えたのでそれなりに満足、個人にとっての傑作っていうのはこういう尖った作品から現出するのだと思う。

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2024年03月19日

ネタバレ 購入済み

これは上手い

まさに巧みな叙述トリック。シンプルなのに、いや、シンプルゆえに効果的な叙述トリックが使用されていて、ラストで「なんでこんなに明確な伏線(ヒント)に気づかなかったんだ」と愕然とし、その偽装工作の上手さに舌を巻きます。
物理トリックの使い方も、(純粋なミステリーとして見た場合は)非常に上手く、作者さんの技量の高さが窺えます。
一方で、現実的に考えてしまう方は「そうはならんやろ」「そんなことってあるか?」と納得いかない点もあるかもしれません。

結論。ミステリーファンには強くオススメできる一冊ですが、ミステリー慣れしていない人にはやや薦めづらい作品です。

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2022年04月29日

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ネタバレ

ツッコミどころは読後に色々出てくるものの、
殺人鬼がどんどん迫ってくるスリルと、奇抜で大胆な犯行へのサプライズ感を全体通して楽しめたし、
こちら(読み手)の勝手な思い込みを見事に利用してきたな、というところの上手さに素直に騙されたと思ったので星4つ。

もともと動機の部分にはあまり興味がないので、犯人が過激派エコロジストだったという説明は別にそれで良いかなと思うものの、
海上が「犯人はアリス」とまで言ったのに、その後誰もアリスについて言及しないのはさすがにおかしいのでは...ずるいのでは。

とは言え、怪しい館に探偵が集められてチェス盤の通りに人が消えていく、というシチュエーションは「そうそう!こういうのが読みたいの!」ってワクワクした。
あと、皆キャラ立ちしてたので登場人物もすんなり覚えられたのが良かった!

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2021年05月31日

匿名

ネタバレ 購入済み

アンフェア

理想的なクローズドサークルモノだ!と歓喜しながら読み、
最後まで犯人が分からず、さらにワクワク。
十角館レベルの結末が待っているのでは!?と期待し、ラスト……
あれ?え?だ、誰?
自分はちゃんと読めてなかったのか?と、クエスチョンマークのままこちらのレビューをチェックしました。
……みんな同じ感想で良かった、いや良くないか。

スリル満点の雰囲気は本当に楽しかった。

天井を歩いていたっていうのは何だったのか……

#ドキドキハラハラ

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2025年07月22日

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ネタバレ

最後、犯人の正体が明かされた時「誰?」と思ってしまった…。
意図的に隠されすぎていて、驚くよりモヤっとしてしまった。
観月が良いキャラをしていた。
だんだん観月に親しみをもち出した所で殺されてしまった…。
あんなに慎重になっていたのに、あっけなく…。
アリス・ミラーもよく分からずだった。

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2025年03月23日

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ネタバレ

なんというか、犯人の影が薄すぎませんか…
私が密室トリックやチェス駒も各人の動きと館の構造とかを読み飛ばしてたから気付かなかったのかと思ったけど他の人のレビューを読むとやっぱりルール違反と感じる人が多いのね。。。でも冒頭の引っかかってたところが分かってスッキリした。
一人称が全員違うことには気付いてたけど何か意味があるのかな。ネタバレ解説をまとめてるサイトがあったらそれを読みながら答え合わせをしたい。

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2024年11月05日

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ネタバレ

マジでやられたミステリ リスト作品

長年の積読本をようやく読めたが…

人物隠匿の叙述トリックにしては読後のカタルシスがない。序盤にあからさまな違和感を伴う描写が幾つもあるが、犯人が分かっても驚かずに終わった。ふーん。

そもそもタイトルの「アリスミラー」が結局のところ存在せずという結末がねぇ。それを求めて幾人もの探偵が報酬のために命を賭して集まって、死んでいくというコメディでは良キャラの観月も浮かばれませんわ

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

悪くはないとは思う、悪くはない。
でも、やっぱりミステリー、謎解きであるならば読者にフェアであって欲しく、今作品はルール違反、禁じ手を使っているので評価は下がる。
犯人がわかった時の感想は、「そうきたか!」などではなく、「おいおい、それはダメだろ」であった。
もう一つ残念なのは殺人の動機。
いやあ、薄いですよ、薄い。
城主と犯人の関連性も薄っぺらいし、限りなく星2ではあるけれど、トリックで面白いのがあったので星3で。

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2024年08月15日

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ネタバレ

叙述トリックと知った上で騙されないように読み進めましたが、結局騙されてしまった作品。
「まさか、あんなに早い段階で登場していたとは」と思いましたが、その後は何も触れられていない所に少しアンフェアに感じながらも、最後には驚かされましたね。

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2023年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

それは反則でしょー!という結末だったけど、注意して読み直すと確かに仄めかしていたし途中に挿入されているイラストなんてあからさまだった。中盤の展開がミステリーというよりジェイソンみたいだったことと犯人の動機が突飛だったことがちょっと残念。さらに、なんで登場人物全員があの犯人を「犯人である」と疑わなかったのかも不自然だったので残念。まぁそれを書いてしまったらあのどんでん返しのラストにつながらないからしょうがないのだけど…。
でも先が気になってラストまで一気に読んでしまったし、ラスト2ページ(電子書籍)のおどろおどろしい感じもよかった。他の城シリーズも読んでみようかな。

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2022年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

えっ…こんな人いたっけ??ってしばらくポカンとしましたが自己紹介シーンにしっかりいました。しっかりいたのにその後全然出て来ないから…よく考えたら皆さんバタバタしてるからしてない人は犯人だよね。。
今回は殺人の動機がとてつもなく大きいです。孤島+雪に閉ざされた館というクローズドサークルの極みみたいな所で起こる「そして誰もいなくなった」的な連続殺人事件。酸性雨による環境汚染を中和するために人体を使います…って、えっ!?!?ちょっと何言ってるのか。。
アリス・ミラーって結局なんだったんだろう。あの盾とかじゃないよね。。

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2022年01月09日

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ネタバレ

怖かった〜!ベッドの下に隠れてたら男が斧で鍵ぶっ壊して入って来るとか、人形が動くとか、鏡越しにアリスが見えるとか、覗き窓覗いたら殺人鬼の目が見えるとか…。何回も「こわ!」て声出た。ホラー小説かと思った。
舞台もトリックも複雑で超本格的なミステリー!犯人誰だろー!?とハラハラドキドキしながら読みましたよ。途中までは…。
犯人、そして動機については正直「へ??」だった。終盤の犯人の台詞ずっと「誰こいつ誰こいつ」って思いながら読んだ。笑
登場人物の人数を誤魔化す叙述トリック自体はいいとして、さすがに最初以外ずっといなかった人物がポッと出で犯人パターンは無いよ〜。というか海上がハッキリ「アリスが犯人」て言ってんじゃん。もう犯人探しするまでもなく犯人確定じゃん。密室やバラバラ死体のトリックの意味も、そもそも計画自体の動機も「何じゃそりゃ」だしツッコミ所が多すぎる。
ツッコミといえば窓端さんや観月への海上のツッコミがキレッキレで面白かった。観月のキャラも好き。山根さんは結局なんで人にくっつかないと喋れなかったの?
犯人はまだいいとして動機をもう少し納得させてほしかった。でもそれ以外のところは叙述トリックも見事に騙されたし面白かった。

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2021年10月14日

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ネタバレ

んー・・叙述ものって読んでてなんともこう、違和感を感じてしまうんですよね。だからこういうのを読みなれてくると初見から「ん?なんか・・・変だな」みたいなそこはかとない違和感を文章に感じつつ最後の真相で「ああやっぱりなあ」と。たまに「これは見事!」みたいなのもあるんですが、今回はそれほどでも・・・
叙述のための叙述という気がしてその部分が浮いてる印象。そもそもクローズドサークルで「生き残った人間の中に犯人が!」という思考で登場人物が何度も語っている中、犯人が全然疑われなかったのはどうして?殺害現場で姿を見られたことを語られていながら。そのあたり自分が読み逃してたのかな。
まあ正直なところ自分が叙述トリックというものに飽きてきているのかもしれません。

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2021年08月06日

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ネタバレ

謎めいたアンティーク「アリス・ミラー」を求めて、孤島に渡った八人の探偵を迎える、二人の招待側。彼らが次々と異様な方法で殺されていくという典型的なクローズドサークルもの。巻末解説によると、作者のこれまで2作品はミステリマニアのコミュニティでの評価が今ひとつで、本作で初めて高い評価を得たそうだ。それというのも、本作はそうしたマニアに、いわば媚びた作品であるらしい。それで評価が上がるというのも嫌な話だが、なんとなく作者が無理しているような感じがあって、それが嫌な感じを増幅する。個人的には第一作の「クロック城」のほうがずっと面白かった。売りの物理トリックの出来は「クロック城」の方が数段上だしね。こちらはそもそもトリックのためのトリックという締まらないものである上、二つあるトリックの一つはこんなものがうまくいはずがない、と作中人物に全否定され、実際に使われないというシロモノである。渾身の叙述トリックも空回り気味。ネットに公開されてる読書ノートの類を見ても、犯人がラストでいきなり湧いて出たと言って、怒ってる向きが結構いる。ホントは違うんだけど、ここと、ここで、ほら伏線張ってるでしょとは言えないからね。叙述トリックは、伏線を読者に指摘できない(し難い)難点があるが、これはそこがモロに出た感じ。

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2020年08月27日

ネタバレ 購入済み

とてもよく出来た作品だった。登場人物の行動に違和を感じる所とか、アリス・ミラーは結局なんだったんだよとか、一番に思ったのは女性一人に皆殺しとか… と感じる事もあった。確かに不思議に思う事は多々あった。自分の凡庸な脳ミソが、理解できていないだけだったら、申し訳ないが。しかし、そんなものを吹き飛ばす位に、ハラハラドキドキさせる展開の運び方はお見事。だから、買って良かったかなぁと思う。

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2016年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 鏡の国のアリスの世界を思わせるアリス・ミラー城を舞台とした、「そして誰もいなくなった」風のミステリ。筒井道隆の「ロートレック荘事件」のような叙述トリック一本で作られた作品。
 アリス・ミラー城に集まった探偵は、10人ではなく11人であり、犯人の「アリス」が存在しないように感じさせるべく、叙述トリックが駆使されている。
北山猛邦らしく、物理トリックを使った密室も出てくるが、作中で軽く扱われているし、それほど驚けるトリックでもない。
 アリスの存在は、読者には隠されているが、作中の人物には当然に存在しているはずなのに、全く犯人として疑われている描写がないなど、「んん…」と思われる点はあるが、こういう読者を騙そうとするサービス精神溢れる作品は好みの作風である。
とはいえ、アリスが犯人であるという真相を見てもそこまで驚愕できなかったのは事実。読者としてすれた読者になってしまったのかもしれないが、叙述トリックとして、もう少し「おお」と思われる部分が欲しかった。★3かな。

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2025年05月14日

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