あらすじ
霊感のあるアシスタント・桐生さんに導かれ、自分の前世“影御前”との交流から、さまざまな怪事件に遭遇してきた著者。ある日、年季の入った刀剣女子の桐生さんと刀剣博物館に行ったところ……!? 興味津々! 不思議でスピリチュアルな世界!!
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この作者さんは「斎さん」シリーズで知り、読んですっかりファンになったところ、この「影御前」という作品に出会いました。
日常に潜む誰でも経験しうるような事や身近に在るもの等が題材に採られて描かれていることが多いです。そこに心霊が絡むのですが、不思議と「怖い」と思うことはありません。
学びや考えさせられることの方が多かったりします。
例えば、今回は桐生さんが「物はそれを扱う人、所持する人が大事に思えば思うほど、魂のようなものが宿る」というような発言をしていますが、それぞれの刀剣にそれぞれの魂のようなものが宿っています。切ない気持ちになるお話もあります。
また形を持たない水、今回は御神水ですがそれにも「信心を持って敬虔に大事に扱う人が多ければ多いほど、その御神水には力のようなものが宿る」「この水はとても綺麗なものとして目に映る」というようなことも言っています。
日本には「八百万の神」という概念や「ありとあらゆるものに神が宿る」というような考え方が昔から在るけれど、もしかしたらこういう事なのかもしれない。
他にもお葬式の出席が立て続けになった小林先生のお話も描かれていますが、キリスト教、神道、仏教とそれぞれの宗教による葬儀の様が簡単にではありますが分かるように触れられています。うち一人は桐生さんのお父様なのですが、葬儀場で桐生さんと亡くなったお父様が会話するシーンがあるのですが、えっこんなにあっさりとお別れするの⁉️というくらい、普通にお別れしているので驚いたりというシーンもあります。
いろいろなお話が詰まっているので、読むと必ず考えさせられる何かに出会える、そんな作品です。