あらすじ
風見窓子は33歳。会社の給料は決して高くないけれど、自宅通勤なので不自由はないし、寿退社する後輩を妬むこともない。友人以上恋人未満の交際相手と結婚するつもりもない。しかし、世間体を気にする両親からは、「こうして家にいられるのも、干支三回り=36歳が限度」との宣告がなされる。そんな窓子に「しないの、結婚?」と声をかけてきたのは、やり手の独身女性上司、47歳の有磯潮美。東京下町・三ノ輪で居酒屋を営む潮美の実家との交流を機に、窓子の日常は突如変容をみせる。八方塞がりのヒロイン・窓子が選ぶ、しあわせのかたちとは……? サスペンスの女王が「イヤミス」を封印して放つ新境地。“脱力系”未婚女性の居場所探しの物語。
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Posted by ブクログ
えええ! これで終わるの? 北上次郎氏の「下町食堂小説になっていくのだ」という文章を読み、主人公が潮美の実家である食堂で働き出し、その悪戦苦闘の日々を描いていくのかと思っていたのだ。しかし、一向に働かないのである。あれれ、となっちゃった。思い込みはいけません。しかし、普通小説として充分愉しめました。
Posted by ブクログ
『干支3回りが限度』何の限度か。思わず笑ってしまう親からの宣言。この言葉をきっかけに自分を見つめなおす主人公が微笑ましい。結婚とは、家族とは、普通の幸せとは?