あらすじ
犯罪学者・木岬と義弟の敬二少年は、雪崩に道を閉ざされてとあるペンションに足止めされる。ワケありの客が集う雪の山荘では連続怪死事件が発生!はたして「名探偵」は奇妙な事件の謎を解けるのか!?あえて真相への手がかりを提示する“読者への挑戦状”付きで贈る、霧舎巧エッセンスにあふれた名作。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
《あかずの扉研究会》シリーズの4作よりも明らかに進化している。霧舎巧らしさが良い方向に発揮されている。
起こる事件は、雪の山荘での殺人。王道なのだが、どこか王道とは違った雰囲気を感じさせる。
解決編はやや分かりにくい部分はあるものの、謎がしっかり整理されているところも良い。
世界的名探偵の登場はかなり驚いたが、物語として見ると、このキャラクターがいるかいないかはかなり違うだろう。
木岬とさゆみのラブシーンには最初は少々閉口したくもなったが、まさかあぁいう形で絡んでくるとは思わなかった。
相変わらず伏線回収は見事。
しかし、心躍る挑戦状はついているものの、読者が全てを当てるのはかなり難しい。切れ味鋭いロジックも多々見られるが、多少想像に頼っている部分もある。
だが、それもアンフェアという類のものではないし、差し引いても十分に面白い。
そして最後のオトし方も巧い。ロジックを根幹に据えた本格ミステリとしてはもちろんだが、今までの作品より物語としての面白さも格段と上がっているように感じる。
タイトルと表紙も好み。
満足。
Posted by ブクログ
ミステリーが読みたくて購入しました。作中、いきなり恋愛モノになり、5年越しの恋が実ったという事で感動していたら、実は既婚者が騙していたようでガッカリ…
と思いきや、回答編でとても良い方向にまとまっていました。残念ながら本人はもう亡くなってしまいましたが、真実を告げられたさゆみさんは、恋愛にトラウマを抱えずに前を向いて生きていけると思います。いい恋愛小説でした…(違う)
全部を当てるのは大変ですが、推理自体の難易度はそんなに難しくないと感じました。
Posted by ブクログ
タイトルと表紙に惹かれて買ってしまった。
殺人が起き、その後屋敷が孤立するというお決まりの展開からの、実は宿泊客の中に警視庁捜査一課、鑑識科、科捜研がいるというまさかの展開に笑ってしまった。
偽物だったというオチだったがエラリークイーンがでてくるという展開もおもしろかった。
余韻が残る切ない真相だった