【感想・ネタバレ】物語 フランス革命 バスチーユ陥落からナポレオン戴冠までのレビュー

あらすじ

一七八九年、市民によるバスチーユ襲撃によって始まったフランス革命は、「自由と平等」という光り輝く理想を掲げ、近代市民社会の出発点となった。しかし、希望とともに始まった革命は、やがて恐怖政治へと突入、ナポレオンを登場させ、彼の皇帝即位をもって幕を下ろす。本書は、ドラマに満ちた革命の有為転変をたどりつつ、当時を生きた人々の息づかいや社会の雰囲気を丁寧に追い、革命の時代を鮮やかに描き出す。

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Posted by ブクログ

フランス革命について人物を中心に、題名通り「物語」のように書かれており、あまりヨーロッパの歴史に詳しくない自分にも非常に分かりやすく面白く読むことができた。
フランス革命期の対応のまずさから無能なイメージが付き纏うルイ16世。実際には革命まで優れた治世を行い、優れた啓蒙君主であったからこそ革命が成立した。寧ろ「国王の革命」が端緒であった。三部会も第三身分である民衆の声が無視できなくなって招集されたのではなくルイ16世の発案であったり、革命も当初は王政を否定するものではなかった。革命の象徴のイメージがある三色旗の「白」はブルボン家の色でありパリと王家の和解の象徴であるなど、今まで自分が捉えていたフランス革命と全く違うものだった。歴史を含めてしっかりと事実を学ぶ大切さを感じた。「人間の平等」と「人道的な処刑法」としてギロチンが考案、昔と違って効率的な処刑方法だったため恐怖政治期におぞましい活躍をした。後に恐怖政治で数々の人々をギロチン送りにしたロベスピエールがかつては死刑廃止の強行論者だったのも興味深く、ギロチン一つを取っても様々な学びがあった。
「人間の自由と平等」を謳いながらも女性の政治的権利を認めない(一方で政治犯として断頭台には送った)事や、この理念と完全衝突する植民地経営を行うなど、理念が自己都合的で一貫していなかった面は否めないが、やはりこの思想が今の私達の世界を作った事は間違いない。その一方、理念や思想、正義感はフランス革命の恐怖政治期に見られるようにしばしば暴走し、簡単に人の命を奪う。ヒトラーですら私心はなく自身が信じる正義感でホロコーストを実行した。正義感は本当に恐ろしく厄介である事を再認識した。それはそれとして、ルイ16世やマリー・アントワネット、ロベスピエール、ナポレオン、その他の多くのフランス革命に関わった人達のお陰で今の民主主義社会がある事を考えると、彼らに感謝の念を覚えた。

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2025年03月17日

Posted by ブクログ

ベルばらでフランス革命に興味を持ち、より詳しくフランス革命について知りたいと思って読んでみたが、わかりやすくかつテンポが良く、同時にワクワクさせるような文章であっという間に読んでしまった。
特に印象に残ったのは、革命時に活躍した女性のについての話。フランス革命では明治維新と違い、沢山の女性が公の場で活躍する。男社会で活躍する女性の存在は、男性社会で働く200年後の私にも勇気をくれた。是非、この後ロラン夫人の回顧録も読みたい。
ルイ16世もベルばらでの印象を覆えされた。優柔不断で内向的であまり印象よく描かれてなかったが、思慮深く聡明で教養があり、技術者としてのセンスも優れる。さらには革命派の一面があったとは!

あとはなんと言ってもナポレオン!こちらももっと詳しくその生涯を知りたいので、漫画や関連小説を探してみたい。

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2024年10月24日

Posted by ブクログ

フランス革命をはじめた人たちは、フランスだけでなくて地球全体、極東の日本などにまで「自由・平等・友愛」の精神を広めたかったということです。
また、女性も革命に大きな役割を担っていたということも印象的でした。

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2024年07月01日

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フランス革命は小学校や中学校で歴史で習ったり、ベルばらの記憶。
改めて、フランス革命ってなんだったんだろう?を知りたかった私にはこれ以上ない一冊だった。ルイ16世やマリーアントワネットの人柄についてであったり、著者の見方が随所に出てくるのも興味深かった。

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2024年03月01日

Posted by ブクログ

高校の世界史の先生がフランス革命を抒情的に語った神授業を今でも覚えているが、まさにこの本のように人間ドラマとして歴史を追う魅力はどの世代にも共感してもらえるだろう。本書によりルイ16世の人物像がパラダイムシフトした。国民思いで暴力や弾圧を避けたかった人格者で革命に肯定的な優れた王様だった。民衆を武力で鎮めていればまた歴史は違っていたかもしれない。フランス留学の経験もある鄧小平はフランス革命の事例をよく知っていたこともあって、天安門での決断を下したのではないかと思ってしまった。バスティーユは襲撃時に7人しか収監されておらず、しかも政治犯がいなかったとは…象徴が人に及ぼす力はすごい。ルイ16世の7/14日記Rienも有名だが、趣味の狩猟の獲物がRienだったとは・・  ロベスピエールも恐怖政治のイメージが怪物のような人物を思わせるが、死刑廃止を唱えるなど、人道的な偉人だったのだなぁと感心した。国民主権の自由で平等な国家を目指して、専制君主から世界を救って人類の発展に寄与するんだという、「国民・国王・国法」をスローガンにした古き良き革命の時代は何と夢とロマンに溢れる時代だったのだろうか。フランス革命が時代を超えて人々を魅了するのもよく分かる。チャールズ・ディケンズの二都物語を読み返したくなった。

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2024年01月26日

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我々の社会の根本原則である「国民主権」や「法の前の平等」はフランス革命によって確立された。
生まれや身分による差別が当然のものとされた歴史はフランス革命により否定され、決定的になったが、今からたかだか200年前のこと。

バスチーユ要塞がパリの民衆によって攻め落とされ、フランス革命の火蓋が切られたのは1789年。ナポレオンが政権を掌握した1799年のブリュメールのクーデターで終わったとするのが、一般的。フランス革命には世界主義の思想があった。フランス革命の際、人口構成は40歳以上24%、若さが社会的活力を産んだ。

そこから世界が変わった。

フランス革命、世界史に詳しくない人でも楽しめるし、マリーアントワネットやナポレオンの名前だけ知っているような人は、その歴史や背景を詳しく、更に楽しく分かりやすく学べる素晴らしい一冊だ。明治維新でもそうだが、本当に不満があり、この社会を変えたいと思うなら、我々は変える力を持っている。組織や制度を組み直す意欲を発揮さえすれば、いつだって体系は変えられるはずだ。

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2023年11月22日

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本当に物語を読むように、フランス革命の流れや、当時の人々が何を望み夢見て、どのような事情や制約の中でどう行動したのかが理解できる。

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2023年04月25日

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世界史に詳しくない人でもどっぷりとフランス革命の世界観につかれます。元々のきっかけは、トルストイの戦争と平和を読み始めて、時代背景が全く分からなかったので、フランス革命から手をつけてみたって感じ。「ローマ人の物語」もそうなんだけど、物語風に歴史上の人物の動きが分かるのは読みやすい。ルイ16世は名君にもなれたであろうほど、実直で有能な国王だったらしい。時代が悪かったですね。。あと、女性の活躍がものすごい。それでも革命から100年以上たたないと女性の参政権が認められないってのは、社会に影響を及ぼす難しさが見て取れる。

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2023年01月14日

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流れがすごくわかりやすい。
フランス革命の大きな歴史の流れの中で魅力のある数人の人々の紹介が載っており、各人にも興味がそそられました。

たしかに具体的な人物を通すと歴史は覚えやすいものですね。

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2022年11月03日

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フランス革命について殆ど知識が無い状態で読み始めたが、とても分かりやすく面白く読めた。
当時の王、貴族、ブルジョア、市民の価値観や刻一刻と変化する状況。時代の流れに逆らう者、流されたはいいが滝つぼから落っこちる者、そういった大河ドラマ的な面白さがあってすごく良い。妊娠していたおかげで首を落とされずに済んだ一市民など、一般的には取り上げられない人達にも目を向けていて、できる限り公平に革命の様子を描こうとしているので好感が持てた。

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2021年10月13日

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フランス革命の終始を、読みやすく分かりやすく解説してくれる本、事実を追うだけでなく、意義や流れが、自然に盛り込まれていて、小説を読むような感覚で読むことができた。

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2021年10月10日

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これは名著ですね。私のようにフランス革命についてあまりよく知らない者にとって、最高の「入門書」でした。読み物として面白いし、分かりやすい。たまに日本との比較や著者の主観コメントが入るが、入り過ぎもしないのが良い。

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2021年08月24日

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フランス革命は近代社会のバックグラウンドに直結していると、そういうざっくりの印象はあったのですがたったの10年弱の出来事だったのですね、濃密な期間でロマンを馳せるには申し分ない猛者たちが登場してくるし、悲劇的でかつドラマティック。

歴史をなぞっているのだけど、各人物の人間臭いところに焦点を当てまさに物語を綴ってくれて、特に演説の引用はその場での臨場感を想起されて興奮するし、偉人の女性関係にはむふふとなる。初心者なわたしには非常に理解しやすい、良かった。

ナポレオンのその後が気になる。。良さそうな本探そう。

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2021年05月09日

Posted by ブクログ

フランス革命といえばナポレオン。と漫然としたイメージがありましたが、本書でスッキリ筋道がわかりました。時代の趨勢と国民の意識こそが国を変え世界を変えていくのだと思います。世の中の流れを見る嗅覚と、自分は今なにをすべきかを考えながら生きていきたい。非常に読みやすくわかりやすい内容でした。

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2021年01月29日

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かねてよりフランス革命は、世界にもっとも大きな影響を与えた史実という認識を持っていた。それゆえに関心もあったが、通史的な本を読んでも、他の史実と似たような濃度で書かれてしまう。だから、いつかフランス革命のみに言及した本を読みたいと思っていた。

随分と時間がかかったが、その間フランス革命の本は常に渉猟していた。そして、ついに本書を手にした。タイトルに「物語」の冠がついている。加えて新書版なので、量的にも読みやすい。物語の仕立てで書かれているので、革命に関わった人々の息遣いや怒号やため息まで聞こえてくるようである。だから、本書はまず読んでいて楽しかった。楽しみながら、フランス革命という世界的かつ歴史的な出来事を学べたのは、本書と出会ったことによる僥倖と言うしかない。

フランス革命は一言で言えば、絶対王政という封建制度から共和制、つまり国民に主権を委譲する革命である。封建制度を倒した革命という意味では、日本ではよく明治維新と比較される。時期的にも明治維新から遡ること一世紀も経っていない頃の出来事なので、それも比較されやすい理由かもしれない。

しかし、革命の中身や革命がもたらした結果は随分と異なる。フランス革命は、まだヨーロッパ諸国が悉く絶対王政であった時代に、いち早く「国民主権」を取り戻す革命が勃興し、あまつさえその一方で今や「民主主義」の代表であるアメリカ合衆国の独立運動をも支援していたというのだから、民主意識にあふれた革命であった。一方で明治維新は、当時長らく日本を掌握していた武家から朝廷、すなわち日本の王家へ政権を返上する革命であり、日本が「国民主権」を取り戻すには、第二次世界大戦での敗戦を待たなければならない。そう考えると、軽々に明治維新とフランス革命を比較するのは、革命後の社会が乖離しすぎていて、とても比較できるものではないという気がしてくる。なぜなら、日本が「民主化」を達成できたのは、フランスの助けを得て独立を果たし、世界の「民主主義」の旗印を掲げたアメリカに戦争で敗れた結果だからである。

今や日本は民主主義国家を標榜しているけれども、著者があとがきで記している「日本も明治維新によって近代社会に移行し、戦後は「国民主権」の国に生まれ変わったはずであったが、政府や高級官僚諸君のやっていることを見ていると、今の日本で国民本位の政治が行なわれているとはとうてい思えない」という言葉に全面的に賛同せざるを得ない。さらには、諦めなのか、日本人的な長いものに巻かれる社会的特性なのか、国民本位の政治が長らく行われることなく、戦後のどさくさからくる一党独裁的な世の中が未だに当たり前に継続していることを思えば、今からでも日本版「フランス革命」を期待したくなる。

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2020年11月09日

Posted by ブクログ

コテンラジオでフランス革命が取り上げられており、もっといろいろと知りたくなりこの本を手にしました。
非常にわかりやすかったと思いますし、各演説や名言には気持ちの高揚や熱狂が感じられます。
時折、革命の主流ではない人物への言及箇所がありますが、作者が後書きで述べているように、登場人物を多くする意図によるものなのでしょう。それも大して気になるものでもありませんでした。

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2020年09月22日

Posted by ブクログ

#一度読んだら絶対に忘れない世界史 を読んだ中で、一番興味を持った出来事、#フランス革命 。

「物語」というだけあって、人物に焦点を当て、非常にその時代を生々しく描いているのが素晴らしいと思う。教科書では革命の象徴的に記載されるバスチーユ陥落も、よくよく見たらただのノリしゃねえか!と思ってしまう。そういう意味では、今、SNSでいろいろ盛り上がるのと大差なく、人間も進歩しねえなと思ってしまう。

この革命の右往左往ぶりは凄まじく、これだけ国内が混乱している中で、旧体制との戦いとしてヨーロッパの周辺国をほぼ敵に回して戦争しているのだから国民はたまったもんではなかっただろう。

著者の大前提《フランス革命は世界史の新しい時代を切り開いた輝かしい革命であり、フランス革命を抜きにして現代世界を考えることはできない》のはその通りであり、この多大な犠牲の結果、(いろいろあるけど)国民主権の世の中になってきているわけである。

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2020年08月12日

Posted by ブクログ

とても読みやすく、フランス革命について再勉強するのに最適な本でした。フランス革命は世界中に影響を与え、現在までフランスにおいても重要なターニングポイントであったと再認識しました。

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2018年11月10日

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・1789年にフランス革命が勃発したとき、時の国王をルイ16世であった。フランス革命は1793年に最高潮に達するが、この頃の革命の最高指導者はロベスピエールであった。1799年にブリュメールのクーデターで革命を終息させるのがナポレオンである。したがって、フランス革命はルイ16世に始まり、ロベスピエールを経由して、ナポレオンで終わる、と言うことができる

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2018年11月04日

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1789年、パリ民衆が国王に愛想を尽かし、バスティーユ監獄を襲撃したことからはじまり、1804年皇帝ナポレオン誕生によって完結したとするフランス革命。その15年をコンパクトにまとめたフランス革命入門書。

革命側は、主権を持った国民は生まれたときから平等であると主張し、その主張を自国だけではなく、世界中に広めようとした点でフランス革命は画期的だ。加えて、ルイ16世、マリー・アントワネット、ロベスピエール、ナポレオンなどの魅力的なキャラクターが登場。

しかし、この革命が世界史で注目されるのは、登場する有名なキャラクターのほとんどがギロチンで殺られてしまうってことだろう。

明治維新もそうだが、多くの人命を犠牲にしてまでも、やり遂げようとするマンパワーの美がそこにある。

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2017年12月19日

Posted by ブクログ

新書にしては幾分厚い本で、また、歴史に関するまじめな本なので、読み始めるのに覚悟が要ったが、いざ読んでみれば、フランス革命を彩った人間ドラマを小説のようにすいすいと読め、楽しく勉強できる。
世間で語られるイメージのある登場人物の生い立ち、素顔などを読んでいくと、そうしたイメージには誤解もあることに気づく。
なるほど、彼としてはこういう考えがあったのかということへの気づき、とか、理想的革命が現実に直面して揺れ動くダイナミズムなんかが、読んでいて面白く感じた。

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2017年12月04日

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フランス革命の流れを追いながら、革命に関わった「人物」にスポットを当てて解説がされている。サラッと読めて流れも入って来やすい。「なぜここはこうだったのか?」という疑問がスルスル解決していくし、人物にスポットが当たることで革命に親近感が湧く。面白かった

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2017年03月14日

Posted by ブクログ

フランス旅行をきっかけにフランス革命について知りたくなって購入。熱が冷めないうちに読んだので非常に楽しめた。文章ばかりでそれなりに厚さのある新書だが、フランス革命に関心があればぜひ読んでほしい。

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

フランス革命について描かれた史実解説なんだけど、物語のように人にフォーカスしていて、しかも詳しいのに読みやすいいい本だった
この時に彼はこう言ったと言われている、とかこうあるべきだったのに、とか
見てきたかのような詳しくわかりやすい描写で時間を忘れるほど楽しく読めた

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2025年01月05日

Posted by ブクログ

世界史的にBIGな出来事のフランス革命の概説書。「物語」とある通り、人間臭いエピソードが多く無味乾燥さが無い。

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2024年05月03日

Posted by ブクログ

世の中は2%の金持ち所有する財産と98%の残りの人が所有する財産が同じで、2%のうち半分が親からの想像らしい。
革命はどうやったらおこせるのか。知りたかったが、この本では火種には触れていないためわからなかった。
物語、と付いているだけあって、全ての登場人物が魅力的だった。
混迷を終結させたのが、戦争に強いナポレオンというのが(ナポレオンは政治にも強かったが)リアルで、民衆の総意として、平等も大事だが飢えないことがもっと大事なんだと伝わった気がした。
私が理解した内容は以下;
革命に理解のある王様ルイ16世の御代に、なんらかの背景で革命への要望が高まった(度重なる戦禍による財政難と産業革命?)

当初は革命派も王様を主軸に革命しようとしていたが、王様が部下の同意を得られず心折れ逃亡を計画

王様の信認傾き、王様たち処刑される

革命指導者たちの内部対立が起き、250名以上の粛清が起きる

クーデターがおき、粛正してた派閥が処刑される

両方の派閥の粛正により、国力弱く、民衆飢える

ナポレオン登場、大活躍により国力の回復。混迷が一旦、終結。

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2019年06月21日

Posted by ブクログ

 今まで読んだマリーアントワネットの登場する物語はどれも面白かった。今回は初めてフランス革命全体を扱った本を読んだが、フランス革命はマリーアントワネットだけの物語ではないということが分かった。この筆者が上手なのか、フランス革命を面白いと感じた。もっと別のフランス革命の本も読みたいと思わせてくれた。

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2018年05月29日

Posted by ブクログ

☆☆☆2017年12月☆☆☆

近代社会の出発点とも言えるフランス革命。その勃発からナポレオンの登場まで、多くの登場人物のエピソードなどを交えながらわかりやすく語る革命史。
ルイ16世は凡庸な王だと見られがちだが、アメリカ独立戦争への援助や、信教の自由の確保など優れた施策をいくつも実施した。このようにルイ16世を高く評価しているのがこの本の特徴の一つだと思う。自らの首を切断することになる「ギロチン」の発明も、ルイ16世の援助によるものだった(人道的な処刑方法として)。


<主な登場人物>
ルイ16世
マリー・アントワネット
テロワール・ド・メリクール(革命初期の女性活動家)
ロラン夫人(ジロンド派)
サンソン(死刑執行人)
ロベスピエール
ダントン
マラー
サン=ジュスト(革命の貴公子)
タリアン夫人(ナポレオンの妻)
フェルセン(マリー・アントワネットの恋人)


☆☆☆2020年1月☆☆☆


「フランス革命」 前回読んだときはルイ16世の立場に同情して読んだ。今回もそれは変わらない。でも、ちょっと違う。しいたげられた民衆の立場にも立っている。今の日本でも、ワーキングプアと呼ばれる人が多い。
ロベスピエールは「恐怖政治」の象徴であるが、もともとは正義感の強い人物だった。陳腐な表現ではあるが「自分は正義だ」と信じてしまえば、いくらでも残酷になれる。恐ろしい話だ。

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2020年01月03日

Posted by ブクログ

歴史の本ですが、ひとりひとりの人間にフォーカスされた内容も多く、読みやすいです。
フランス革命、結構残酷なんですね。
国民主権という概念から、現代に繋がる重要な革命であることは知っていましたが、かなり混沌としていて、だれが良いも悪いも言い切れないなあといった感想でした。
ただ、現代に生きる身としては、フランス革命という事象自体はとてもありがたいように思えます。
所有と身分に関する転換はその後のすべてに繋がるわけですからね。
資本主義とか。
あと、個人的にはルイ16世嫌いじゃないです。人となりがなんとなく分かって、応援したくなりました。

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2025年08月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 「フランス革命史〈上〉 (中公文庫)ジュール・ミシュレ」を読んで、いやいやフランス革命の全体像を把握した上で読むべきだ、と思い下巻を読む前に本著を読むことにした。
 フランス革命を学ぶ入門書としてはよいと思う。王政に対する革命運動は、王政ヨーロッパ諸国の脅威となっったのだと改めて気づかされた。

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2021年06月28日

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