あらすじ
毒にしても薬にしても、人類との関わりは、きわめて長く深い。古くから人類は毒を避け、効能のある物質は活用してきた。そして、それらを合成することが可能になってからは、良きにつけ悪しきにつけ、その使用法は無限に拡大している。しかし、実は、同じものが毒にもなれば薬にもなる。本書は、ソクラテスの飲まされた毒から、錬金術、ドーピングにいたるまで、古今東西の毒や薬をめぐる秘話・逸話を紹介するものである。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
地球誕生から今日までの年月を1年に換算する
▶︎46億年前-5億4000万年前(先カンブリア時代
▶︎ 1月1日-11月19日
▶︎ 3月20日=35億年前に最初の生物
▶︎ 9月27日=12億年前に動物と植物の分化
▶︎5億4000万年前-5億年前(カンブリア紀
▶︎11月19日-22日
▶︎三葉虫や様々な生物が爆発的に出現
▶︎1億4000万年前-6500万年前(白亜紀
▶︎12月19日-12月25日
▶︎12月22日=1億年前に被子植物誕生
▶︎12月25日=6500万年前に恐竜絶滅
▶︎12月31日
▶︎14時 人類誕生
▶︎23時58分50秒 農耕生活開始 文明の曙
▶︎23時59分46秒 キリスト誕生
▶︎23時59分58秒 産業革命 近代科学の曙
▶︎23時59分59秒 明治維新
地球の歴史46億年をマラソンの42.195kmに換算すると、2000年はたったの1.8cmにすぎない
paperの語源はパピルス
毒がある鳥まじかよ!ニューギニアさすが!pitohui属
しかも1992年に世界初報告て!
医薬分業はないわぁ
著者は好きだが薬剤師は基本まじで嫌い大嫌い
福沢諭吉先輩さすがっすー!
諭吉と柴三郎の関係ステキ
Posted by ブクログ
ふと手に取った本だが、こんなに雑学に満ちた面白い本は初めてだ。本がメモと線だらけになってしまった。表裏一体である薬と毒。その歴史を原始~現代まで見た通史。アスベストなど最近になって人間に毒であることが分かったものも数多く、最後は少し怖くなってしまった。また、副作用が転じて正規の作用として治療に使われるようになったものもあり、まさに薬と毒の表裏一体性を感じた。色々な話の小ネタがいっぱいつまった良書。
Posted by ブクログ
日本・海外問わず様々な毒と薬の成り立ちなどが分かる本。薬は使う量により毒にもなるが、人間がそれを理解してきたのはかなり最近の話。様々な知識の積み重ねで病気に勝てるようになってきた経緯がわかる。
副題の「ソクラテス、錬金術、ドーピング」と書いてあるが、読んでみるとそこに特化したわけではない。参考文献のりすとだけで12ページもあるくらい様々な事項が載っている通史といえる。
本編に入る前の5〜6Pの「地球の誕生から現在を1日に置き換えると人類誕生は12月31日の午後2時」という部分がかなり納得した。
Posted by ブクログ
私たちは農薬のような毒があるものであっても適切に使用すれば人の役に立つ事を知っている。同時に小さいケガや病気であれば絆創膏や痛み止めなどの薬を使用しているが、間違えた使用方法だと人に害をなすことも知っている。そんな毒と薬が歴史の中で人によってどのような変遷を経て来たのかが記載されていて、身近すぎて気にしていなかった薬がとても気になってきた。(第2閲覧室 491.59/F)
Posted by ブクログ
おもしろい。特に、江戸後期〜明治までのシーボルトとビュルゲル、北里柴三郎の研究に関する記述が目を引いた。現在の薬剤師の立場についての改善を薬学部出身の著者が丁寧に指摘している。
Posted by ブクログ
密な本。古今東西における毒と薬の逸話を取り上げていて、飽きない。
『世界史』と銘打ってはいるが、日本史も多く登場したので、良い意味で予想が外れて楽しかった。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
毒にしても薬にしても、人類との関わりは、きわめて長く深い。
古くから人類は毒を避け、効能のある物質は活用してきた。
そして、それらを合成することが可能になってからは、良きにつけ悪しきにつけ、その使用法は無限に拡大している。
しかし、実は、同じものが毒にもなれば薬にもなる。
本書は、ソクラテスの飲まされた毒から、錬金術、ドーピングにいたるまで、古今東西の毒や薬をめぐる秘話・逸話を紹介するものである。
[ 目次 ]
第1章 古代の毒と薬(地球と毒・薬の誕生;古代エジプト・ギリシャ・ローマにおける毒と薬;古代インド・中国における毒と薬;古代日本における毒と薬)
第2章 中世の毒と薬(魔女と毒草;大航海時代の毒と薬;ルネサンス・錬金術・科学と化学の曙 ほか)
第3章 近世の毒と薬(『本草綱目』と本草学の発展および南蛮医学の導入;近代医学・薬学黎明期における毒や薬にまつわる発見・事件;近代有機化学への出発)
第4章 近代の毒と薬(病原微生物学の誕生と発展;近代薬学および有機化学の誕生と発展;種々の疾病に対抗する療法の黎明)
第5章 現代の毒と薬(抗生物質の再発見と発展;精神を左右する毒と薬;科学の発展と毒と薬;公害と薬害、毒や薬による犯罪)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
世界は古代エジプト、日本は養老律令の時代から今日までの薬の歩みと、学者のエピソードがまとめられていて歴史物としても面白い。化学的に「薬」と「毒」を表裏一体として捉える視点も素人にも分かり易く斬新に思えた。
あと、トウガラシが鉄砲伝来の時期にポルトガル宣教師が日本に伝え、秀吉の朝鮮出兵の際に、目つぶしの武器として朝鮮半島に持ち込んだのが最初。中国やインドに伝わったのはさらにその後ってのは結構驚いた。
Posted by ブクログ
まさに薬毒同源。
薬の発展は毒の発展であり、薬との戦いもまた毒との戦いである。
内容はどちらかといえば薬寄りがメインになるかなと。近代に入って単離がうまくできるようになってからの発展は目まぐるしいものだ。
薬は古くから、成分がわからないまま、一部は不確実なものが使われてきた。でも毒は必ず毒として使われてきている。その点が面白いという個人的な感想。
Posted by ブクログ
古代から現在までの「薬」「毒」と人類のかかわりを網羅的に整理している。雑学的なエピソードがてんこ盛りで情報量の多い著作だが、それだけでなく、医薬開発の負の側面(戦争犯罪、非道な人体実験、公害、依存症など)に対する問題意識が明確で、特に日本における薬害の多さや医薬分業の遅れ(薬剤師の地位の低さ)に対する批判は手厳しい。ともすれば「(薬剤師からではなく)医師から薬をもらう」という意識を持ちがちな我々の姿勢に反省を促している。
Posted by ブクログ
中公新書定番の○○の世界史シリーズ。テーマごとに掘り下げてくれるので、一般的な通史と違った視点で歴史を見ることができて面白い。
一番驚いたのは、トウガラシの伝来は、中国、朝鮮、インドよりも日本が先、というくだり。和食にトウガラシを使った辛い料理が少ないのが昔からの疑問で、きっとトウガラシが伝来するのが遅かったからだろうと勝手に思ってた。でも、日本に先に伝来したとすると、なぜ日本で普及せず、アジアで普及したのか、ますます疑問が深まるばかりで。
Posted by ブクログ
タイトル通り、世界史から毒と薬に関するトピックを網羅的にピックアップ、現代も対象。だけに、断片的となるきらいがあるが、リファレンスとしては充分で、膨大な参考文献へのポータルになる。読み物としては教科書的で面白くは無い。
Posted by ブクログ
雑学本の一つであり、ある特定のテーマから歴史を読んでいくという本のつくり方自体は、それほど珍しいものではありません。コーヒーとか酒とか、いろんなものをモチーフに歴史を追いかける本は他にもたくさんあります。
著者が薬学部出身ということもあってか、内容的にはそこそこ専門的です。医学、薬学、化学あたりを専攻している方であれば大半は既に知っている内容かもしれませんが、そうでもない方にとってこれだけの量の情報と知識をまとめて読める資料はそうそうないでしょう。
面白かったんですが、星はやや低めに3つとしてます。理由の一つに、著者本人が後書きで断っている通り、著者が歴史の専門家ではないために「歴史的な連続性のある記述」ができていない、という点があります。この内容量でそこまで求めるのはやや酷だとは思いますが、各論が個別のテーマで終わってしまっていて、それが前の時代からどのようにつながってきたのか、そして次の時代にどのようにつながるのかが見えにくかったことから、少し評価を下げました。
一方で、新書サイズの割に参考文献をしっかりぎっちり載せてる点は非常に好感を持っています(この程度のことができない新書が最近は多いように思えます)。この参考文献表からさらに各論に飛べるので、こういう丁寧な本のつくり方ができる著者は、本当にしっかりした「理系の人」なんだな、と思います。
Posted by ブクログ
そのタイトルが表す通り、「毒と薬」を人類史的な観点から追いかけた本。本書を読んでいくと、毒や薬物が歴史を動かした事例が、意外にも多いことに気づく。中国の歴代皇帝の水銀中毒しかり、ローマ皇帝の鉛中毒しかり、アヘン戦争しかり、クレオパトラの自殺しかり。
雑学本としては、なかなか楽しめた。