あらすじ
カカオは原産地の中米では飲み物であると同時に薬品であり、貨幣にもなった。ヨーロッパに到来したときも、この珍貴な実の食用について激論が交わされたが、一九世紀にはココアパウダーや固形チョコレートが発明・改良され、爆発的に普及する。イギリスの小さな食料品店だったロウントリー家もまた、近代的なチョコレート工場を作り、キットカットを開発、世界に販路を拡大するが…。ヨーロッパ近代を支えたお菓子の通史。
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Posted by ブクログ
私達にも身近なチョコレートは近代化の産物です。特にイギリスの産業革命によってチョコレートはそれまでとは大きく違った意味を持ち始めます。その流れを知れる本書は非常に刺激的です。
また、本記事のタイトルにも書きましたが私達もよく知るキットカットの歴史もこの本では知ることができます。
本書を読めばこうしたチョコ菓子が人気になっていくのもまさに近代化の影響だったということがよくわかります。
私達の身近な生活にも直結するチョコレートの成り立ちを知るのにこの本はとてもおすすめです。前回紹介した『チョコレートの歴史』とセットで読めばさらに理解が深まること間違いなしです。
Posted by ブクログ
くっ、読み終わったらキットカットが無性に食べたくなった罠。
あんまりチョコレート菓子は好きじゃないのだけど。
王侯貴族の薬的なドリンクから始まったチョコレートが庶民の労働者の手軽な栄養補給に至るまで。
そして今のチョコレート事情など。
もうちょっと最近のことまで書くなら、気候変動と病気によるカカオの絶滅の危機まで入ったかなぁ。
砂糖と乳製品も値上がってるし、今年も高級チョコレートは小粒化の一途だそうですよ。
というか、イギリスの奴隷制度廃止の発端は人道とかそういう話ではなかったんですね。
まぁそんなもんかなと思ったりしつつ。甘いだけじゃないビターなエピソードも多かったです。
Posted by ブクログ
p3
カカオ豆にはポリフェノールの含有量が異なる3種類の系統がある。ポリフェノールが一番少なく苦味渋みが少なく芳香が強い、しかし病気に弱く世界で生産されてるカカオ豆の1%しかないクリオロ種、世界で80-85パーセントを占めるポリフェノールを多く含み苦味が強い、そして病気に強いフォラステロ種、全種二つを組み合わせ両方の良いところ(芳香、病気耐性)を持つトリニタリオ種がある。
p27チョコレートの語源はマヤ語のチャカウハ(暑い水)ねあるとされる。
ボナウィート カカオを加工しカカオマスから油脂を取り除かず加熱しない製法でつくる製菓業者
p60 コンラートヴァンホーテンは飲みにくいココアの原因を突き止め改善した人物。50%余りあった油脂をプレス機にかけ半分にし細かいココアパウダーを作った。強くなった酸性を中和するためアルカリ性のもの(炭酸ナトリウム)を加えて中和し飲みやすくした。
キットカットが売られたのは1935
キットカットクラブという羊肉を扱う店の名前からとった説
最初は男性がチョコを多く買うので男性ターゲットに商品展開をしていた。高級路線から戦中にかけて子供向けの大衆商品としてシフトしていくようになり広く普及していく。ロウンドリー社の働き方も従来の奴隷を使い潰す制度から労働員を再生産(繰り返し生産させる)させる制度を作り幸福度の高い仕事環境作りに勤しんだ。
Posted by ブクログ
もうすぐバレンタインデイ
目もくらむようなチョコが宝石のように並ぶ
特に食べたいと思わないチョコレートだが
昭和二十年代の子供の時は憧れだった
板チョコですら
原産地中米では、飲み物、薬、貨幣であったそうな
様々な歴史を経て(植民地の人々や黒人奴隷などの悲劇を含めて)世界中に広まっていった
砂糖と双子のように絡まりながら世界に広がっていった
産業革命・三角貿易・労働福祉
様々な問題を抱えながら歴史は進んでいった
イギリスの「キットカット」の歴史は興味深い
(実は私は食べたことがないのです)
今度チョコを食べるときしっかりとかみしめたいと思う
いや、とろけてしまうよね
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