あらすじ
音楽の聴き方は、誰に言われるまでもなく全く自由だ。しかし、誰かからの影響や何らかの傾向なしに聴くこともまた不可能である。それならば、自分はどんな聴き方をしているのかについて自覚的になってみようというのが、本書の狙いである。聴き方の「型」を知り、自分の感じたことを言葉にしてみるだけで、どれほど世界が広がって見えることか。規則なき規則を考えるためにはどうすればよいかの道筋を示す。
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Posted by ブクログ
西洋音楽史をベースとしたクラシック音楽の楽しみ方が主題にはなっていますが、特にクラシック音楽にこだわる必要は無く、芸術全般の楽しみ方を学べる良書。
西洋音楽史に余り興味が無いのでやや退屈な章もありましたが、特に「はじめに」と「第5章」は秀逸!!素晴らしいコンサートや美術館に行った後(もしくは最高に面白かった本や映画、マンガでも良いと思います)、共通の価値観を持つ友人とそれらについて語り合う時間が最高に楽しい。ただ、その時に「面白かったね」の一言しか語る言葉が無かったらその楽しい時間は一瞬で終わり。でも、「あの部分はこう思ったんだけどあなたはどう思う?」「この部分はちょっと分からなかったんだけどあなたは分かった?」みたいな感じで、少し語る言葉を覚える事でその楽しい時間は無限に広がっていくと思います♪
僕は、最低でも年1回、海外旅行に行くようにしていますが、予備知識無しで行くよりも、その国の歴史や価値観、ちょっとした挨拶の言葉を軽く覚えてから行った方が断然面白いです。また、野球やラグビー、サッカーなどもそうですが、全くルールを知らないのと、最低限のルールを知っているかどうかでその楽しさは全然違ってくると思います。
同じように、クラシック音楽についても、音楽のロジックのパターン(音楽のセンテンスがどういう論法でもって互いに関連づけられているのかなど)であったりその曲が生まれた歴史的背景を知る事で、より楽しめるようになるような気がします。また、仮にクラシック音楽には興味が無いという人も、何かしら心に響くものがあるように思います。「クラシック音楽なんて興味無いよ」という人にこそ読んで欲しい良書!!