あらすじ
なぜ、日本人はこんなにも、マジメで、おとなしく、デタラメなのか?「私たちには、先人たちの日本哲学を伝道していく“義務”と、世界に通じる新たな日本哲学を生み出す“責任”がある」と著者は語る。
最強の外来思想であるグローバリズムと向き合い、ポスト3・11にふさわしい日本社会を築くための「哲学的提言」も満載!
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Posted by ブクログ
前半から中盤までは、神道、仏教伝来、儒教、キリスト教徒の関わりといった日本の歴史における古来思想と外来思想の融合の歴史が紹介される。ひとつひとつの事項に割かれるページは短く、教科書を読んでいる感じで少々退屈でもあった。
本書の肝は終盤、現代の思想についてのくだりだろう。戦後の民主主義をあたりまえのものとして育ち、高度成長も知らない世代にとって、社会がどうあるべきかよりも、個人の生活をどうするかという個人の物語の探索が思想における重要ポイントであった。しかし、失われた20年や震災を経て、いままた日本人は、日本社会はどうあるべきかを考え始めている。この流れを語る個所は本書の中でも生き生きとしており、読者としても同時代に生きるものとして共感をもって読むことができた。