【感想・ネタバレ】不機嫌な恋人のレビュー

あらすじ

三条油小路に住む小侍従は、宮廷きっての美女、という噂。香を調合したり、染め物をしたり、ちょっとした縫物をしたり、というのがとても上手。蓄財の才に長け、女一人で生き抜くのにもそつはない。今、年下の恋人・二条の少将に首ったけ。男と恋が楽しみなのだ。少将は名うてのプレーボーイ。恋の冒険に明けても暮れてもうつつを抜かして倦むことを知らない。ほんの遊び心でかいま見た女(ひと)は、暗い妖しい情趣と愛らしい少女の雰囲気を合わせもつ子持ちの未亡人だったが……。恋、背信、心がわり。――揺れる大人の恋を美しい季節の移ろいとともに描く、王朝の長編恋愛小説。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白かった。

片思いが多すぎて切ない〜。
相手を思う気持ちよりも自分を思う気持ちの方が大きくなりがちだから、本当に好きな人とは結ばれにくい。
恋が終わったときに初めて本当に相手のことを想うことが出来るから、終わった恋を愛おしく感じるんだな〜って思う。
恋をしているときはみんな利己的で、片思いの無い恋なんて無い。
所在なさを恋で埋めることの寂しさ。
論理で片付けられない恋愛を楽しんだり振り回されてイライラする登場人物たちの姿がおかしかった。

身分の差によって、恋の報われなさにもしっかり差が出ているの苦しい。
浅芽の決断痺れた。

チャーミングな小侍従も、艶麗な七条夫人も素敵、登場人物の女性がもれなく全員魅力的だった。
湿っぽい雰囲気が良い〜。
清経と多猫が幸せなら( ᴖ ·̫ ᴖ )

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2025年02月12日

Posted by ブクログ

少将、小待従、大納言夫人そして知兼の王朝恋愛劇。はじめは少将、小待従の恋愛がゆるゆると描かれ、小待従の愛はおしみなく少将にそそがれる。手練手管を使って相手を惚れさせていようと試み揺るぎがないが、その奥にはいつか終わりがくることを予知しながらで、切ない。不安は現実のものとなって少将は大納言夫人に心惹かれてしまう。しかし大納言夫人にはもう心に決めた人がいて、いくら口説いてもなびかない。そこには少将の側近、知兼の存在があった。それぞれの恋はすれ違い、終わりの予感を感じながら、そこに向かってのベクトルなので、叶わぬ恋となって悲しい。

0
2010年10月18日

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