【感想・ネタバレ】ひとくちの甘能のレビュー

あらすじ

素朴な風味のくず餅に、女性の目から見ると地味なのになぜか密かに男にもてる女性の姿を見、熟した果肉のマンゴープリンに、崩れる寸前の熟女の魅力を見いだす。女の居酒屋・甘味どころで今日も繰り広げられる、クールでちょっとビターな人間観察に、こんな人いるいると共感してしまうこと必至。甘味で酩酊感が味わえるすべての甘党に捧げる傑作エッセイ! おいしいお店のデータつき。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

酒井さんがこよなく愛する甘味の甘能が書かれた本書。

ミルフィーユにデートを思い、生麩に粘膜同志の邂逅を感じ、
バンコクでの夢にマンゴー色の霧を見る。

酒井さんも甘味も大好きだけど、価値観、味覚はそれぞれに違うものだから
自分の意見と違ってもそれは別物として…と、楽しみに読み進めていったけれど
めて違和感を感じてしまった…。

血液型や星座、心理テスト、不確かな偏った情報で
人を分かったように判断してしまうのが苦手なので、
食べ物の好き嫌いでこういう人はこんな人と
断定的に書かれている部分があったりするので
全体的にはすごくおもしろいけど、少し違和感が[ '_` ]
どんな人であれ1度や2度は食べたことがあると書かれてある
不二家さんのケーキも私は食べたことがないのと、

「多くの男性にとって、ケーキが小洒落ていようがいまいが、どうでもいい」
と書かれてあったけれど、そうとは言い切れないとも思ったり…。
確かに細かいディティールに女の人ほど拘らないかもとれないけど
男の人も女の人が精一杯のキモチを込めて選んだケーキと
ただカタチとしてだけの体裁で適当に用意されたものの
違いに愛情や愛しさの差異を感じたりはあるかと思ったり。

そんな少し残念な想いもありつつだったけど
最後の「解説」部分の芝田山親方のお話がとっても素敵だった。
文章から溢れる甘い物への愛情と、そこから感じるお人柄が
とても穏やかで優しくて、ふぅっと頬が緩んだ。

"僕は「うまくない」とは言わない。作ってくれる人がいるのだし、
食べ物は良し悪しではなくて、好みだからだ。"

ほんとうにその通りだと思う。
すべてに対して、好きな人も嫌いな人もいて当然で、
でもどれも正解でも不正解でもない。

少しションボリしてしまったココロが
柔らかい柔らかい笑顔になった。
芝田山親方というスイートな人との出逢いに感謝したい♡

でも、酒井さんは大好きなので、大好きなシリーズを再読して
この生まれてしまった違和感を吹き飛ばそうっ!

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2013年07月23日

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