あらすじ
女はマスターベーションをしてはならない、という性教育の寓話「眠り姫」。死体愛好者の変態王子が服と食べ物にしか興味のない頭の軽い白雪姫を見初めた話「白雪姫」。初体験に憧れる乙女と欲求不満のおばあさんに中年オオカミが殺される恐怖のストーリー「赤ずきん」。階級闘争のマルクス主義者たちが女性差別には寛容だったために死んだ悲劇の女の子「マッチ売りの少女」。独自の視点とユニークな解釈で描く7編を収録。
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Posted by ブクログ
眠り姫が性に目覚めるとき/白雪姫の魔女裁判/
おませで可愛い赤ずきん/シンデレラと大足の姉たち/青ひげの失楽園/
男の国へいって死んだ人魚姫/マッチ売りの少女娼婦
ものすごく 人間的な物語と感じるのは、
わたしたちが小さい頃の記憶で知っている童話に
隠されていた、真実でありその社会背景。
単純な物語こそ、多角的な見方で解釈ができる面白さ。
Posted by ブクログ
まず、あとがきにあるようにグリム、アンデルセンの童話を批判しつつパロディ化した小説ということ。
これを頭に入れてから読まないと、とんだ男尊女卑の作品になってしまう。各物語最後にある教訓は笑い所満載。
「マッチ売りの少女娼婦」の教訓にある社会主義者たちはブルジョワジーとプロレタリアートという階級を開放し社会の平等をめざした。しかし、彼らは、男女とう階級の解放はかんがえなかった。という一文はなるほどと唸ってしまった。
グリム、アンデルセンの童話から当時の社会状況が良く見えてくる作品。