【感想・ネタバレ】「墓活」論のレビュー

あらすじ

著者赤瀬川原平さんは、『新解さんの謎』『老人力』などの著作で世の中を“脱力”させてきました。そんな原平さんが着目したのはお墓です。そのお墓を巡る墓地、墓石の選定といった墓作りからお彼岸や周忌の墓参りにいたるまでの諸活動を著者は「墓活」と呼びます。人間誰もが最期にお世話になる場所ですが、普段からあまり考えることのないものです。ところが「墓活適齢期」を迎えると急にあわただしく墓活にいそしむ人が少なくありません。実は原平さんもその一人です。親のお墓を「引越し」するときの墓活の逸話は聞けば聞くほどドラマチックで、墓活も人生の大事な一場面であることを痛感します。本書は原平さんの墓活体験を中心に本やカメラの墓活にまで話を広げつつ、お墓のことをゆるくまじめに考えてみた1冊です。

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Posted by ブクログ

実は出ていた新刊本。
数年に一度ふらつく民俗系の書棚にあった。
鎌倉の寺に墓地を得るまでの話は、
それまでに読んでいたものとかぶってるところが多いな。
でもこれから誰もが考えるであろう問題について、
ひと足先に実体験をまとめたエッセイは
必要な人にはちょうどいいかもしれない。
あとがきを読んだら、やっぱり癌を患って治療していたようです。
大事にならずにすんでいるようですが、
まだまだゲンペさんには元気で新しい本を書いていてほしいなー。

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2012年06月01日

Posted by ブクログ

雑誌連載をまとめたエッセイ集。筆者の見聞が多く盛り込んであり、文章も平易でいい。だが「論」というタイトルは、どう考えてもミスリードだろう。

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2012年05月15日

Posted by ブクログ

年寄りが集まるとどうしても話題は病気と墓に行きつくのは良く経験しているところである。あの赤瀬川サンにしてもいよいよそこへ行きついたということのようだ。(そう言えば後書きで胃がんの摘出手術をしたとある。どうりで最近はめっきりと年老いた感があるはずだ)

もともとは赤瀬川家も鹿児島の出身で父の世代に東京へ出てきて、父母が両方亡くなったのを機に東京郊外の霊園に墓を何となく決めて買ったらしいのだが、そこは電車を何度も乗り換え、おまけにバスで更に奥地へ行くような場所。先祖に申し訳ないと言いつつ、遠くて行く気がしないし近くに何も楽しみもないので、墓参りに行く気分になるような場所は無いかと探す活動、即ちそれが「墓活」というわけだ。

確かに御墓は悩ましい問題だ。自分の父も将来に備えて釧路に墓を買ったのだが、今は良いけど将来は両親がともに居なくなれば親類縁者の居ない釧路に置くこともないし墓参りも出来なくなるであろうことは容易に想像できる。そしたら墓を引っ越して、出来れば東京のどこか、歳を取ってもすぐに歩いて行けるくらいの距離の場所で、草むしりもしなくて済み、雨・風にも関係ない御墓マンションが良いな、などと考えたりもする。

一方で自分が入るのであれば、母方の秋田の外れの小さな村の海辺にある墓が眺めが良くて素敵だなと思う。まあ入ってからも景色を見れるのかは知らないが。

そんなこんなの墓活だが、その他にペットの死や趣味で収集されたモノ、特にカメラの扱いについても触れられている。

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2012年03月14日

Posted by ブクログ

赤瀬川原平さんによるご両親のお墓建立体験記、そして死生観を綴った本。
今までのエッセイとは違って面白おかしい本ではなかった。しかし静かで優しい雰囲気の漂う著作であった。お墓についてこれまで考えた事がない人がきっかけとして最初に読むには良い本ではないかと思う。
こういう主題の本は縁起が悪い等と言わず、是非あまり必要が無いと思われる時に読んでおいて欲しい。きっといざという時に役に立つ。

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2012年04月06日

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