あらすじ
生まれつき無気力の人なんていない!
驚くべき無気力の科学
やる気が出ない、気力が湧かない、やってもやらなくても同じに思える……。
その無気力、“生まれつき”でも“なんとなく”でもありません。
あなたが、同僚が、家族が無気力なのには、必ずそれだけのワケがあるのです!
本書は、実験心理学を専門とする著者が、
無気力を生み出す心理メカニズムや環境要因を読み解く一冊。
無気力がもたらす驚くべき健康被害の可能性をも明らかにし、
「やる気の谷」に落ちこまないためのヒントを紹介します。
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Posted by ブクログ
無気力になるのはどういう時か。自分でコントロールできる場合とできない場合、どちらが無気力に陥りやすいのか。
その答えにも、性格や立場によって結果は違う。
動物実験で複数のパターンを実験し、無気力な状態はどうやって起こるのかを検証する。
また、鬱になりやすい人の考え方、鬱になりにくい人の考え方にも決定的な違いがあった。
失敗をしたときにはどういう考え方をすれば、その事に折り合いをつけて先に進めるかなど。
すぐに憂鬱になってしまったり、なんとなく最近無気力だな~と考えている人におすすめです。
Posted by ブクログ
タイトルだけ見ると、やる気を出すためのハウツー本に思えなくもないが、いざ読んでみるとサブタイトルどおりちゃんと心理学の本。しかも臨床の方ではなく、実験心理学の方。新書でコンパクトにまとまっているので、心理学を勉強している人には知識の確認にも役立つと思う。私もそうさせていただきました。
Posted by ブクログ
本の大部分が「心理学の実験の内容•結果•解釈の詳細な説明→そこから得られる教訓、示唆」で構成されています。
紹介される実験の数がかなり多いので、そこでついていけなくなる読者が結構いるのではないかと推測します(私もそうです)。
多くの読者は、実験の詳細な理解ではなく、そこから得られる示唆、教訓を得ることを読書の目的にしていると思うので、実験説明パートは読み流していいと思います。
個人的には最後の「第7章 無気力にならないために」だけでも読む価値があると思いました(だからこそ実験パートで離脱しないでほしい!)。
幼少期の経験が重要としつつも、大人になった読者に向けても無気力にならないための方法がいくつか提示されています。
主観でざっくりまとめると
①なるべく失敗しないよう、心がける、対策する(失敗経験が無気力に陥るきっかけ)
②失敗したときには、その原因を、一時的•可変的なものと捉える
③②のように捉えるためには、暗示が有効、オプティミズムも有効
紹介されていたセリグマンのポジティブ心理学にも興味が出てきました。
Posted by ブクログ
学習性無力感の研究成果を概観する本。
タイトルにはないが、現代のうつ病の増大についても言及。「自己評価の増大」「共通認識の衰退※1」 がその原因とする説を紹介している。
無気力者の脳に起きている生理的な現象を解説する章は、精神論になりがちなうつ病について、それが病気なのだということを思い出させる。
※1 信仰や共通の価値観・イデオロギーの没落ともいえる
Posted by ブクログ
自己の内発的動機づけが弱い場合に、ヘイトクライムや移民の排斥思考が、増幅していくのだろうな。
安穏と既存の自己の立場を不変と考え、予測不能の事態を許容する気概を持っていない生活者にとっては、脅威だろう。
愛が足りないってことかな。優しさ、強さ、そして配慮も。競争だけが、遂行目的だけが生き甲斐になってしまいそうだ。
カーストの維持にだけは、向かいうるのかな。そりゃ、無気力にもなるわさ。ああ、これも自己家畜化の一種か。自縄自爆、南無。
Posted by ブクログ
・人間というのは意外に暗示に弱い
・アメリカなどの先進国でうつ病が増加している理由は、「自己評価の増大」と「共通の認識の衰退」にある。
・かつては食べてゆければよいとされていた職業においても、やりがい、名声、退職後の保証までなければ満足できなくなっている
・服装の選び方ひとつでも自分の評価に繋がっている。
共通の認識とは、挫折したときに精神的な支えになるなにか例→家族、神、社会への信頼感
・ちょっとしたボランティア活動、慈善団体への寄付
・失敗したときにどうなるかを考えてみて、その被害が大したことなかったら楽観主義でいけばよい
Posted by ブクログ
[雑感]
■タイトルどおり無気力の原因について書かれており,
その対策(第7章 )についてはおざなり感を感じた。
■既知のことばかりではあったが,全体としては悪くない。
[備忘録]
■無気力にならないために重要なのは,状況を自分で
コントロールできていると思えていることだと言えよう。
(p58)
■予測不能であるということは,コントロール不可能である
ことと同様に学習性無力感を引き起こす主要因になり得る。
(p66)
■コントロール不可能な原因をどう考えるかには個人差があり,
それを一番深刻な方向(内的,持続的,全体的)に帰属
させやすい人が,学習性無力感になりやすいというわけだ。
(p141)