あらすじ
日本橋北内神田の照降町の髪結床猫字屋。そこには仕舞た屋の住人や裏店に住む町人たちが日々集う。江戸の長屋に息づく情を、事件やサスペンスも交え情感豊かにうたいあげる書き下ろし時代文庫新シリーズ!
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Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
おたみが切り盛りする髪結床の猫字屋は今日も大賑わい。近所の住人たちがそぞろ集まり、おしゃべりや噂話に花を咲かせる。そんな折、居職の箸師・得次郎が刺されたという。なぜか自身番には届け出ないでほしいと懇願する得次郎が今わの際につぶやいた「忘れ扇」とは一体何なのか?姿を消した女房のお阿木、遺された3人の子供…一筋縄ではいかない男女の情や、血は繋がらなくとも通いあう親子の情。涙をしぼる人情時代小説シリーズ、スタート!
平成27年8月14日~27日
Posted by ブクログ
Tさんのお勧め。
髪ゆい猫字屋繁盛記第一弾。
江戸時代の口語表現が使われていて良かった。
ついていけないほど盛りだくさんでもないし、
とってつけたような少なさでもなく、適度な感じ。
人々のそれぞれの思いや情けに対して、奉行所の裁きやおあしの心配といった浮世の厳しさのバランスも良い。
しかし、どうも人間関係の説明がはしょられているというか、
進みが速いなと思っていたら、
読んだ後になって、
「照降町自身番書役日誌」という話がこのシリーズの前にあったことが判明。
一旦、このシリーズを離れて、そちらを先に読むことにする。
Posted by ブクログ
シリーズ第一弾
照降町自身番書役日誌シリーズの姉妹篇?主人公であった元武士の喜三次とおゆきが夫婦であり、このシリーズの主人公おたみも登場済み、その他も同様?
多分読んでいくうちに関係も分かると思われる。短編四話だが、一話と残りは続き、佐吉の嫁選びは?
匿名
時代小説も猫も好きなので読んでみました。
他の時代小説では見ないような言い回しもたくさん出てきて、テンポもよく読み進めることができました。
登場人物が多くて、その割にそれぞれのキャラクターがそれほど際立っていないので、途中で誰が誰だかわからなくなりました。
と思って前の方のレビューを読んだら、「照降町自身番書役日誌」という前シリーズがあるんですね!
まだたくさん読む本があると思うと楽しみです。
Posted by ブクログ
導入部に、いささか困惑してしまったのは、
なぜか私だけが他人の様に、この小さな髪結床の部屋の中にはいなかったからだ。
解説を読んで納得。
これは、照降町自身番書役日誌シリーズの登場人物たちが、
メインの場所を髪結床の「猫字屋」に移し替えて繰り広げられるスピンオフシリーズだったからだ。
「照降町〜〜」をすでに読んだ方なら、そこは見知ったメンバーが続いて活躍するお話だったからだ。
そんなわけで、最初は馴染みのない私の様な読者には、
少しの疎外感を感じてしまうかもしれないが、読み進めていくうちに、愛情深いこの世界に没入することだろう。
Posted by ブクログ
髪結床には、近所の人たちがやってきて
本来の目的を果たしたり、喋り倒したり。
そうして上る噂や近所話。
4連続の短編で、非常に読みやすかったです。
2~4話が連続していて、1話目は人物紹介のような。
しっかり事件は起きてますが、ここだけで終了しています。
やはり繋がった話の方が、残った謎がどうなったのか等
非常に気になる事ばかり。
結局2話目の事件の犯人はそこか、と思ったのですが
その感情の貫きさがすごい。
会心するわけでもなく、性のすごさが。
しかし、それを言うならすべての人物の思考回路が
まったくずれてなかったです。
ここまで一直線になれるのもすごいです。
うっかり流されそうになったりする様もなく。
もちろん時代が時代、場所が場所なので
人情が熱すぎるほど熱い。
繋がりってすばらしい、と思えるものでした。
最初の話があったから、よけいに、でしょうか?