あらすじ
私はハードボイルドの作家なのだ。できれば一日中1920年のロスのことでも考えていたいのだ。・・・・・・なのに、今日も忍び寄る影、聞こえてくるあの声・・・おとしゃん、うんち~~っ!!!私の心の中で叫ぶのだった、まるもよ、静かに眠れってば。さそうあきらによる、3歳児まるもと父の33のエピソード。
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Posted by ブクログ
おいおい、笑わせるなって、と思うことしきりだった。。。電車で笑いをかみ殺しきれず、明らかに変人に化していた。と思う。。。まるもちゃん、最強。。。(06/10/10)
Posted by ブクログ
3歳の娘に振り回されるハードボイルド作家の日常を描いた一篇。おれはさそうあきらの“愛をもって人間をえぐる”瞬間がたまらなく恐ろしくて、たまらなく好きだ。その観点で比較すると本作は緩やかな笑いが落としどころとなっており、“えぐる”カタルシスの代わりにじんわりとした“愛”が広がっている。もちろん、人間や集団に対する洞察力の鋭さは健在で、唸ることもしばしば。もしかすると、さそう氏の目はなんら変わっていなくて、“えぐる”対象が大人から子どもへとシフトしただけのことかもしれない。大人には愛おしくすら感じられる子どもの“えぐみ”。そう考えると、「愛に満ちているわぁ」などと能天気にニヤついている自分をいくつかの理由から残念に思う。そして蛇足を添えると、高橋源一郎の『「悪」と戦う』を早急に読まなければならぬと切に感じたのであった。