あらすじ
モデルのサフィーは、偶然立ち寄ったマラバーン王国で、誘拐も同然に豪奢な砂漠のテントへと連れていかれた。一歩足を踏み入れたとたん、サフィーは衝撃で凍りついた。ザヒール! 5年前、妻である彼女に一方的に離婚を言い渡すと、理由も告げぬまま去っていった憎い夫。今や彼も国王となり、すでにあらたな妃を娶って──想像しただけで、サフィーの胸に思いがけない痛みが走った。だがザヒールは彼女の動揺などよそに、いきなりこう切りだした。「無理強いはしないが、君がほしい。その権利はあるはずだ」彼はまだ求めているの? ヴァージンのまま放りだした元妻を。
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Posted by ブクログ
話形としては、ハーレクインの砂漠を舞台にしたシークものの王道。
人気モデルのサフィーには、哀しい過去があった。
18歳の時、とある砂漠の王国の王子と恋愛結婚で結ばれたものの、彼の国で暮らす間、新婚の夫に一方的に離縁を言い渡されたのだった。
物語りは5年後、23歳になったサフィーがモデルとの仕事で、かつて夫と共に暮らした王国を訪れたところから始まります。
ところがサフィーはその最中、誘拐も同然に連れ去られ-。
連れて行かれた先には、今は国王となっている元夫がいました。
結局、サフィーは連れ去られたその夜、本当の意味で夫と結ばれ、二人の情熱の証として妊娠するという筋立てです。
サフィーが最初の結婚で夫に激しい拒絶反応を示したのは、子供の頃の虐待が原因であると、夫であるザフィールは知りませんでした。
また、サフィーも夫が五年前に離婚を告げたのは、彼女を専制君主だった前王から守るためだと始めて知ります。
定番の話の流れながら、何故か強く惹きつけられて最後まで読み切りました。
このリン・グレアムさんの作品は割とよく読むので、著者の経歴も頭に残っていたんですが、、、
若くして結婚して離婚、また後に同じ男性と恋に落ちて再婚、、、という著者略歴が本の冒頭にあります。
これはあくまでも私の勝手な感想ですが、もしかして、この物語りのヒーロー&ヒロインは著者の人生が少し投影されているのかなと感じました。
実体験に被っているからでしょうか、とても素敵でした。
もう新しい本はなくて、古書でやっと手に入れた次第です。