あらすじ
ホームレスが急増し、年越しのテント村が作られた2008年12月。朝日新聞の歌壇欄に彗星のごとく現れ、注目を集めながら約9カ月で消息を絶った「ホームレス歌人」がいた。歌壇欄や投書欄には共感や応援の投稿が相次ぎ、新聞記事やテレビでも報じられたことから広く知られた「ホームレス歌人・公田耕一」とは、いったいどんな人物だったのか。そして突然に消息を絶った後、どうなったのか……。 「あの冬」の、象徴的な存在だった「ホームレス歌人」をめぐる感動の探索物語。
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Posted by ブクログ
謎のホームレス歌人、公田耕一氏の正体を突き止めるべく、ドヤ街で取材をしたドキュメンタリー。
取材の最中で出会った人たちや出来事の話が、心を打ちました。
アメリカで殺人を犯し終身刑で牢屋に入っている歌人、郷隼人さんや、その郷隼人氏の短歌を教材につかって、ドヤ街で識字教育をした大沢敏郎先生、そして、政治家を目指していたがうまく行かず、ホームレス生活をしている田上等さん。
人生波乱万丈なんてもんじゃない。
Posted by ブクログ
私は常々、言葉で表現することで絡まった自分の想いを整理し、そのことが自分にとっていかに重要かと実感していますが、著者はもう少し先に行って、どんな苛酷な環境にいても、言葉で表現することができれば、人は自分自身のまま生きていけるのではないかと述べています。
他人に話すことに長けている人、絵で自分を表現できる人など人それぞれ得意な表現手段があるかと思いますが、私にとっては、それが言葉なのではないかと思います。
言葉で表現できるうちは、自分が保てるのではないかと感じました。
Posted by ブクログ
ホームレス歌人、公田耕一(投稿用のペンネーム)、36首を。三山喬「ホームレス歌人のいた冬」、2011.3発行。①鍵持たぬ生活に慣れ年を越す今さら何を脱ぎ棄てたのか ②パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる ③百均の「赤いきつね」と迷ひつつ月曜だけ買ふ朝日新聞 ④温かき缶コーヒーを抱きて寝て覚めれば冷えしコーヒー啜る ⑤一日を歩きて暮らすわが身には雨はしたたか無援にも降る