あらすじ
発展の望みを絶たれ、憂鬱なムードの漂うニュータウンに暮らす一家がいる。1歳の息子を突然失い、空虚を抱える夫婦がいる。18歳で結婚したが、夫にも義母にもまともに扱ってもらえない若妻がいる……。3組の家族、ひとりひとりの理想が、現実に侵食される。だが、どんなにそれが重くとも、目をそらさずに生きる、僕たちの物語――。「カラス」「扉を開けて」「陽だまりの猫」。
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Posted by ブクログ
ずっしりと深重いお話でした。
リアリティーのある、身近な罪の重さというか…。
救われないようで、ある意味救われてる結末なのかな、とも思います。
客観的に見たら嫌な終わりかたでも、終止符を打つという点では前向きなのかもしれない。
Posted by ブクログ
【あらすじ】
発展の望みを絶たれ、憂鬱なムードの漂うニュータウンに暮らす一家がいる。1歳の息子を突然失い、空虚を抱える夫婦がいる。18歳で結婚したが、夫にも義母にもまともに扱ってもらえない若妻がいる…。3組の家族、ひとりひとりの理想が、現実に浸食される。だが、どんなにそれが重くとも、目をそらさずに生きる、僕たちの物語―。「カラス」「扉を開けて」「陽だまりの猫」。
【感想】
Posted by ブクログ
おもしろさ☆☆☆☆
読後感 ☆☆☆
ということで☆3つにしました。
3編とも、人物描写がリアリティにあふれていて
リアルなのに、意外性があって(つまり小説にはあまりない感じ)
それがとてもおもしろく読めました。
でも、作者のあとがきを読むと納得するけれど、
全部「結末を決めていない」のが好みではないです。
でも、重松さんの作品はまた読みたい!
Posted by ブクログ
【見張り塔からずっと】 重松清さん
発展の望みを絶たれ、憂鬱なムードの漂う
ニュータウンに暮らす一家がいる。
1歳の息子を突然に失い、空虚を抱えている
夫婦がいる。18歳で結婚したが、夫にも義母
にもまともに扱ってもらえない若妻がいる・・。
3組の家族、ひとりひとりの理想が、現実に
侵食される。だが、どんなにそれが重くとも、
目をそらさずに生きる、僕たちの物語-。
「カラス」「扉を開けて」「陽だまりの猫」。
(文庫本裏表紙より)
☆
「カラス」
値上がりを続ける地価に営業マンの自信満々なトーク。
今の内に買わないとこのままでは買えなくなる。
そして、手放す時は購入時以上の金額になっている
だろう。マイホームとはサラリーマンの「夢」なのだ。
バブル末期に買った、開発途上のニュータウンに建設
された不動産は数年後には不況のあおりを受け、開発
は中断され、地価は下落した。そんなニュータウンへ
榎田さんは引っ越してきた。僕たちが買った時よりも
1千万円も安い値段で・・・
ニュータウン住民全員による新たな入居者へのいじめ。。
それは住民の不満の発散先でもあった。
ローンを組んで買った家はたとえ売却してもローンが残る。
現実から逃避したくても逃避も出来ず、日々悶々と
不満を抱えてすごしていくしかない。
そういう住民の人身御供に榎田さんの奥さんはされて
しまったのだ。
他2作品。
どれも思い通りにはいかない現実と、それに向き合わざる
には得ない人たちの物語が書かれています。
少し長めの「あとがき」に、単行本刊行時には多くの人
から「わかりづらい」「タイトルが意味不明」と言われた
と書かれていますが、私も読んでいる時は同じことを
思っていました。
先の「舞姫通信」と合わせて、重松さんの本としては
「期待していたホドではなかった」というのが
正直な印象です。
重松さん、ごめんなさい。