あらすじ
小説現代長編新人賞から鮮烈デビュー 注目の新鋭・待望の第二作!
損壊遺体を直す納棺師を描いた『アフターブルー』で読書界隈騒然
次なる舞台は「特殊遺品整理課」
看取られなかった人生に、最後に寄り添う人がいる――。
特殊清掃の最前線。
二人の遺品整理士は部屋を片づけ、「生きた証」を見届ける。
「部屋には、そこで生きた人の人生が詰まってる」
異臭を放つ孤独死の現場を清掃し、遺された物を処分する【特殊遺品整理課】。
床を覆う無数のゴミ、家族との写真、子どもの工作品、謝罪を綴ったノート、お揃いの食器――。
清掃が終われば、そこで生きた人の痕跡は一つ残らず消えてしまう。
現場を担う水生と鳴海は、遺された部屋を手掛かりに、誰にも看取られず逝った見知らぬ他人の人生を想像する。
なぜ孤独な最期を迎えたのか。
遺された品々は何を語るのか。
故人の生きた証と向き合う日々はやがて、傷を抱えた孤独な二人の「今」をも変えていく。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
遺品整理で過去(思い出)をいとも簡単に捨ててしまう遺族たちと、過去に囚われ続ける水生と鳴海。
そんな二人の物語だったと思う。
折り合いをつけるために、誰のものとも分からない遺品を保管し続ける鳴海も、母親の呪縛から逃れられず心に蓋をする水生も、生きることへの意味を見出したくて特殊清掃、遺品整理という仕事をしていたと思う。
特に水生が母親との一件で、何がゴミで何が思い出の品なのか分からなくなり、ゴミ袋に全て捨ててしまうシーンは、鳴海の過去に通ずるものがあり、読んでいて心が痛くなった。
二人とも救われた…とまでは言い切れないが、変えられない過去に囚われず、一歩ずつ前へ進んでいけるようになったのは良かった。
朝宮先生が描く、痛くて、それでも優しい生と死の物語。
読み終えたあと、心にあった重さが少しだけ軽くなり、ほんのりと温かいものが残るような読後感だった。
Posted by ブクログ
読んでいて、言葉の一つ一つが繊細に描かれていて、優しく内包してくれるものがありました。
つい物語に引き込まれて苦しくもなり、でも微かな光が見えていると言った面で希望を感じたりもしました。
今作も良かったと思います。
Posted by ブクログ
前作も良かったけれど、今作も一気読みするほど良かった。
『アフターブルー』のときもそうだったけれど、自分の知らない世界で、誰かのために動いている人たちがいることを改めて感じた。
知らない世界を少しだけ覗かせてもらったような読後感。 二課と特課のコラボも、いつか読んでみたい。
Posted by ブクログ
孤独死した現場の清掃を行う「特殊清掃員」。
「特殊遺品整理課」の2人はこころに傷……闇を抱えながら淡々と遺品整理を行う。
「部屋にはそこで生きた人の人生が詰まってる」
水生の送ってきた壮絶な人生。
2課から移ってきた鳴海の壮絶な人生。
どちらも想像を絶するものだけど、それ以上に2人が手がける特殊清掃が凄まじい。
チラッと出てきた東雲くんが癒し。
Posted by ブクログ
前作、アフターブルーの続きがまた読めるとは!とても嬉しい。
今回焦点が当てられるのは特殊清掃の仕事。亡くなった人の人生を、遺品から垣間見ることになる。
主人公の水生にも鳴海にも影がある。背負いきれないほどの重りを、仕事を通じて、二人が互いに託していく姿が切なく、あたたかい。
「おせっかい」をして相手の領域に踏み込むことで、孤独死は減るはずだ、というメッセージが印象的。辛いテーマだが、救いのある、あたたかいお話だった。個人的にはアフターブルーより好き。
Posted by ブクログ
ゴミか思い出かは、その人にしか分からない。
思い出は、お金がたくさんあっても買えない。
学生の時に、見て見ぬふりをすることはイジメと一緒と何回も聞いたのに、親とでも誰とでも自ら線引きすることが上手くなっていた。
気付いていても声を掛けて、お節介を焼くことはしない。
そういう世界が、孤独死を招くという言葉に、自分の薄情さに、傷付いた。
『ちょっと踏み込む』
気になったら、ん?と違和感を感じたら、ちょっと踏み込む。
大丈夫?と聞いても大丈夫としか答えないから、勘違いでも、言葉に出してみる。
今日から、一言でも言葉に出してみようと思った。
主人公の水生と先輩の鳴海、大家さん、話中に出てくるみんなが外見から見えないものを抱えている。
それは誰でもそう。
みんな自分じゃないのに、想像力が足りない最近に嫌気がしていたけれど、自分も無意識に、その世界に加担しているのかもしれないと感じた。
特別遺品整理という話で、全く明るい話じゃないし、どちらかといえば、気が滅入るような話の数々だけど読み終えたら、じんわりと温かくなる話で読めて良かった。
Posted by ブクログ
前作の『アフターブルー』がとても良かったので、2作目発表時から楽しみにしていた。タイトルも素敵!
前作と同じ会社の、別の部署の話なので、前作の登場人物との絡みはほとんどなく、ここから読んでも問題なし。
今作は遺品整理の仕事を軸にしている。
故人の家や部屋を片付けると、その人が生前何を考え、どう生きていたのかがありありと浮かび上がってくる。生きた証がそこにあるのに、遺族からは「ゴミなので処分してほしい」と依頼され、すべてを廃棄していく。
思い出とゴミの違いって、一体なんなのだろう、、、。
主人公の水生や同僚の鳴海は、過酷な家庭環境で育っているせいで、故人と遺族の両方の視点から物事を見てしまう。
自分自身にも重ねてしまい、葛藤しながら仕事を通して自分を見つめ直していく。
思い出は過去になって、もう要らないものなのか。そう簡単に捨ててしまっていいのか。今やこれからだけが大事なのか。その人の生きた証は、本当にゴミなのか?
特殊で馴染みのない仕事の話なのに、いまを生きるすべての人に関わってくる生と死や、それぞれの思い出となった遺品。
答えのない問いが、主人公を通して私自身にも静かに問いかけてくるため、他人事ではない。
分かりやすい答えがあるわけではなく、考えさせられた上で、でもどこか暖かい希望の光も見せてくれる、尊い作品だった。
Posted by ブクログ
今回は遺品整理の話。前作ほど死体が絡まないと思っていたけど、そうでもない。残された部屋の状態が生々しい。
孤独死。
将来の自分にも重ねられるんだけど、まだ実感のないところへ一撃を喰らった感じだ。
残されたものはゴミ?本人にとっては大事な思い出か。遺族にとってはやはり意味のないゴミに見られる。
ゴミ屋敷になる人を同じく想像してみる。本文には満たされたい思いがあるのかも、っていうのもあったがやはりまだ分からない。その気持ちが分かる時がいずれくるのか。
それでももう無駄に物を買ったり溜め込んだりする気にはなれてない。
中々に重たいんだけど、辛くなく読めた。
Posted by ブクログ
デビュー作が素晴らしく、これからもずっと読み続けたいと思っていたので、二作目の出版がとても嬉しい。
前回とは違う仕事だが、死そのものと向き合う物語。人間の最期がリアルに描かれており、また、人間の心の奥底に触れることができる。
決して綺麗事で終わることはない。それでも、ほんの少しの希望が確かにある。
心が重くなる話なのに、一気に読んでしまった。
まだまだこの方が描く物語を読みたい。
Posted by ブクログ
誰にも看取られず逝った、その人の「生きた証」に触れる物語
圧倒的なリアリティで描かれる特殊清掃と遺品整理の現場。決して綺麗事ばかりではなく、思わず目を背けたくなるほど生々しい描写に胸が締め付けられます。
今作で扱われるのは、「ゴミ屋敷」「シングルマザー」「親ガチャ」「孤独死」といった、現代社会の重いテーマ。決して他人事ではないリアルな苦悩が突き刺さります。
前作『アフターブルー』(朝宮先生の衝撃的デビュー作!)未読でも十分に楽しめますが、既読者ならニヤリとできる繋がりや別部署の視点が描かれており、ファン必読の一冊!
「遺品整理は、人生に触れられる仕事」——その重みと温かさに、ページをめくる手が止まらず今回も一気読みでした
Posted by ブクログ
孤独死と向き合う特殊清掃員。
なにが思い出?
なにが貴重品?
その差は?
モノだけで測れないもの。
わからない。
“その人の人生に触れられる“
そんな2人の背景も重く。
ヤングケアラー、認知症、ゴミ屋敷。
現代の闇が重なってくる。
重いよ。
読んでいて、ココロ沈むよ。落ちる。
救われるものがあるとしたら、
それは“人“なんじゃないのかな。
「アフターブルー」の東雲くんがでてきてニヤつく。
頑張ってるんだね。
みんな、頑張れ。頑張れ。
沈んだココロが上を向く。また一歩踏み出せる…
Posted by ブクログ
アフターブルーの続編。
今回は孤独死の現場を清掃し遺された物を処分する特殊遺品整理課の話。
孤独死の現場はかなり凄惨で初っ端から蛆や蛹や黒い液体のシーンで読むのが少々萎えたけどこれが現実なんだろう。
遺品整理や清掃を通してかつてそこの主だった人たちの人生の片鱗に触れながら色んなことに向き合う姿には尊敬の念を抱く。
水生と鳴海の親や過去が酷くしんどい上に、水生が生きるために頼りにしていたおばあちゃんと離れることが切ない。
家族が同じ家にいるのに孤独に亡くなる人がいることが衝撃で、遺品が全てゴミになることがやるせない。
Posted by ブクログ
アフターブルーの続編。
とはいえ前作とは別の課が舞台なので、前作登場人物の出番はほとんどないです。
特殊遺品整理課が舞台。要は孤独死した人のお部屋の整理。前作ほどのえげつない描写はないが、遺された状況から、その人の人生を色々想像させる。
整理される遺品ふほとんどゴミとなる。遺品の意味、という論点は結構深くて、自分は物語の趣旨を読み取りきれていないと思う。
海月のように消えて無くなるモノなのか、それとも見えない「骨」をそこから掬い取るのか。おそらくは遺された側にとって、それまで見えていなかった故人の人生や感情を垣間見て、感情の落とし所を決着させる機会なんだろうな、と思いましたが。うーん、難しいテーマです。