あらすじ
扉を開いた瞬間、二人の生死が確定するーー
「究極の選択」の物語(ミステリ)
21世紀本格の絶望。
ーー島田荘司
この書を先んじて推薦できることを至福に思う。「いいから、読みなさい」
ーー竹本健治
SF設定でない、現実世界の事件だからこそ真価を発揮する ”この”トリック、”この”動機――そして、"この"ラスト。
ーー法月綸太郎
どんでん返しの果てに密室の扉が開く。そこに潜んでいた猫とは?
――麻耶雄嵩
災害映画(ディザスタームービー)のような危機と「密室」の混合。猛毒にご注意を。
ーー佐藤究
この密室を忘れられない。観測とは決断だと教えてくれたから。
ーー河村拓哉
ミステリとは――
生死を確定させる小説である。
腎臓移植用のドナーとして生育された少女、土砂崩れで孤立した研究所、硫化水素が充満する死の空間(デッドゾーン)、連続殺人。
突入か、静観か。密室の扉を開くと、二人の生死が決まる。
結末を、”観測”せよ。
【担当編集コメント】
読んだ後に世界の見え方が変わる。編集者として、そういう本をつくりたいと思ってきました。新鋭・麻根重次がやってくれました。読む前の自分には戻れないーー至高の読書体験。「生」も「死」もすべては「密室」のなかに。さあ、“観測”をはじめましょう。
――亥(「メフィスト」編集長)
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Posted by ブクログ
とてもよい
大門はもう自分の子供としか思えなかったんだろうな。推理通りだとして、なぜ津雲は命をかけてまで救おうとしたのだろう、肉体的な親なのかなと思っていたけど1番最後に出された予想がその通りすぎて驚きが少なかったのは残念だった。まあそれも確定してないけどね
賛否両論あるみたいだけどあとがきもよかった。一つの選択で運命は大きく変わる。それを示されたかのようなものだった。美羽が生きた、すぐにドアを開けた世界線と美羽が死んだドアを開けなかった世界線、どちらを真実と取るのかは読者次第であるし、そもそも小説である以上どちらも真実ではないと言えるのかもしれない。ただ、少なくともその世界線での美羽の生死は我々読者がページを捲ることによって確定していったのだ、という上手くシュレディンガーの猫感を出したなと思える作品だった。
この方の作品は読んだことがなかったけど読んでいきたいと思えた。
Posted by ブクログ
私には「安全策」以外選べない。
死ぬのが怖いというのが一番の理由だが、もう一人の死を確定させてしまうのも辛すぎる。
ミステリ部分やラストの二段階どんでん返しも素晴らしかったが、最も衝撃的だったのがシュレディンガーの密室の真実だ。
安全策を選択すると精神への死体蹴りが止むことはない。
まさに生き地獄だ。
この物語を外から観測する立場で心底良かった。
匿名
シュレディンガーの猫を題材にしたミステリとして、うまいことやってたと思う。
結末に向かうのに二転三転するのも良かったし、最後のifルートオチもやり過ぎ感ちょっとあったけど、題材には合ってたと思う。
Posted by ブクログ
いや、すごいものを読んだな。いろいろ予想したけど全然外れた笑。ドナーが逆だとは全然思わなかった。最初の数ページでもう展開に引き込まれてしまった。突入するか、様子見か、私も様子見ちゃうなぁ、、、ていうかガスマスクがメインの研究室に一つしかないってことがあるのかなぁ、そこは少し疑問。けど、本当に展開が面白かったし円香ちゃんがクローン?おいおいまじかよ、イカれた研究者だな。え?成功してるの?やばっ。倫理的にまずいから養子の娘と円香はこれを機に隠蔽のためにいなくなるようにしてるの怖いし、円香が腎不全でシャントを造設してるとかクローンとしての欠陥なのかと勘繰ってしまう(健康な夫婦でも障害を持って生まれる子供もいるのでそこを一緒にしないほうがいいのかなとは思うけどいわゆる近親相姦でできた子供とおんなじ感じなのかなと思った、理解力が乏しくて、、、)。
愛するもののために死ぬことを選択できた者とできなかった主人公、やっぱりその人と過ごした時間って大事だよね、死ぬのは怖いし主人公の選択は間違ってはいないけど後悔の念は残るよね。命握ってると思うと決断できなくなるよね。
その主人公が書いたって設定のストーリーであったのがすごい!!あとがきも、ifストーリーでしたみたいなラストも完全に騙されたやん、すごすぎ。これぞミステリですね、感服です。
Posted by ブクログ
山奥の研究施設、自然災害によって閉ざされた空間など、『百魔の檻』や『方舟』を彷彿とさせる雰囲気。
こういうの大好物なのでワクワク(不謹慎かな)。
展開にスピード感があり、羽々崎のキャラクターにも惹きつけられるものがあるしで面白かった。
密室で起きる事件そのものと、円香の出生に関わる秘密と二重の謎が絡み合っており、展開が気になってどんどん読めた。
タイトルの「シュレディンガーの密室」にこめられた意図も、ただの謎解きミステリではなく愛とは何かを考えさせてくるところまで含めて惹きつけられる一冊だった。
終盤、謎解きが終わった後ラストまででぞわっと鳥肌がたった。
もう終わりかと思わせておいてからのこの畳み掛けるようなラスト、大好き。
あとがきまでは良かったのだが、個人的には「実はifでした…」という最後の3ページは蛇足に思えた。
なんか全てが薄っぺらく思えてしまってかえって興醒めというか、その前の衝撃を返して!という感じ。
これがなければ絶対⭐︎5だった。
というわけで5寄りの⭐︎4
Posted by ブクログ
物理の思考実験そのままの設定は面白かった。
妹が現実では生きていたのを小説的に死なせたということなら、どこまで小説としてフィクションにしたのか気になった。結局妹の婚約者は妹を助けるために小説のような行動に出たのは現実なの?
あと最近読んだ他のミステリー小説でも、クローン人間が普通に出てきたけど、登場人物たちがそれを当たり前のように受け入れているのがどうしても気になった。
Posted by ブクログ
設定に惹かれて買ったけど、
設定は良かった。
けど、終わり方は好みではなかった。
途中まで、妹が犯人なのかなーって思いながら読み
違うんかいってなって、
結末もなんだかんだで違うし、そこまでやる?
って感じもしたので。
好みの問題かな。
Posted by ブクログ
謎解きしながら読んだが、ずっと妹が犯人だと思っていたので、真相はそうなるかとかなり意外だった。
シュレディンガーの仕組みは非常に面白く、クローズドサークルになり方も綺麗。
Posted by ブクログ
読みやすくて内容が入ってきやすかった
最後のあとがきはなしでもいいかなと思った
設定は面白かったがオチや弱い印象
ドナーのすり替わり、感動シーン、題名の伏線回収もあったがあまり印象には残らず
Posted by ブクログ
硫化水素が充満する密室で、二人の安否がわからない状況のうえ、中盤には殺人事件も発生し、終始緊張感がある。最後まで飽きずに読めた。
終盤、自分の犯人予想が主人公の推理と一致して喜んだのも束の間、そこから見事にひっくり返された。そういう多重解決のおもしろさもある。
ただ、最後のオチにはがっかり。それまでの緊迫感や選択の重みが薄れ、苦しみながらも受け止めようとしていたところを置いてけぼりにされた気分だった。個人的には、救いのない結末でも現実として描き切ってほしかった。
とはいえ、私が本を開いたことで、この結末が確定したのだ。つまり読者自身も「シュレディンガーの密室」を体験していたということ。
結末は賛否両論だと思うが、テーマ、展開、仕掛けのどれもが魅力的な一冊だった。
Posted by ブクログ
おそらく『方舟』リスペクトで書かれた作品で、それとシュレディンガーの猫をからめた発想は素敵だが、難点がいろいろ、、、
・体感、文章の8割が人物・建物・状況の「説明」で、読んでいて小説として全然面白くない。東に行った西に行った、鍵が開いてる開いてない、の繰り返し。
・人物間の呼び方も微妙におかしかったり地の文の描写も曖昧で、誰が誰だか覚えづらい。14歳の少女を苗字やフルネームで呼ぶ人が多すぎたり、たまにそこだけマドカとカタカナで呼ぶ人が混じるのはなぜ?
・性格面も、登場人物全体的に呑気すぎるというか、序盤で明らかになる非倫理的な研究に対してもメインの事故・事件に対しても、え、なんでそんなのんびり?と思うことが多かった。キャラと読者の感情の時間軸やアップダウンが連動してない感じ。
・最後のどんでん返しの連続がちょっとしつこい。結末が結局収束どころか発散してる気が。。
ラストはひっくり返してほっこり系の真相になりそうという予感は当たったので、それを匂わせる筆力はすごいかも。
Posted by ブクログ
どうしても構造上、文中で「ここまで書いたことは〈本作品内の作品〉の記載ですよ」というメタ構造を出されると、必然的にそれより"後"の事実(今回だったら生きているver)が正史として扱われがちだけど、それより前の記載(死んでるver)の方が分量込めて書いてるので、そこだけ最後に異なる未来(生きてるver)を数ページで足して2つの事象を並列なシュレディンガーの未来として描写されても「いや実感としてはどう見ても死んでるverが正史にしか見えんな」とは思う
(それぞれの未来を描写するボリュームが違い過ぎて)
例えば、『I』(道尾秀介)みたいな仕組みを使ってないと、2つの未来をそれぞれ同じぐらいあり得たと思えるボリュームがない、片方はもう片方の最後にちょっと加筆しただけになってしまうというか
あと、「硫化水素の測定計がしばらく使われてないものだったから濃度の計測が狂っていました」は、あまりにも後から感がある