【感想・ネタバレ】海辺のルーシーのレビュー

あらすじ

ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー! 元夫婦に訪れた予期せぬ二人暮らしを描く感動作

コロナ禍でNYを離れ、元夫とともにメイン州へ身を寄せたルーシー。思いがけず始まった共同生活は、これまで言葉にできなかった思いや、消えない痛みを浮かび上がらせ、二人の関係を変えていく──人が誰かと生きることの不確かさと切実さを描く新たなる傑作

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Posted by ブクログ

エリザベス・ストラウトの新刊。
この独特の文体は、訳者の腕が良いのか、そもそも、このようにしか訳せないのか。英語をもっと勉強しとけばよかったなーと海外文学の秀作を読むたびに思う。
どちらのおかげか、ともかくも、ストラウトの語り口調に魅せられてしまっているから、今回の「海辺のルーシー」も存分に楽しめた
あちらに行き、こちらに行き、ストラウトの小説の登場人物の脳内は、私たち同様、日常のこまごまとしたことでごちゃごちゃしてて、とてもリアル。忘れていたことを思い出しり、忘れたり、とりあえず頭の隅に置いておいたり、急に大きくクローズアップされたり。
そんなふうに、小説の最終地点(大団円、あるいは悲劇)に向かってひたすらまっしぐらでないところが、とてもとても好きな理由のひとつ。
のらりくらりぶりが、ルーシーが(おそらく作者自身も)歳をとってきたこともあり、「老人小説」の風合いとしてもとてもいい肌触り。最初はオリーヴ・キタレッジだけが「おばあさん」らしくない「おばあさん」だったんだけどね。あー、みんな年をとります。
出てくる人たちは、きっぱりしてないんだけど、ナイーブというほど繊細でビクビクしてはない。どこかとぼけてて、そのとぼけたもの同士で慰めあったり。
これが、生きてきた時間の長さというものかのかなと、思わせる。

ルーシーとオリーヴ・キタレッジという二つのシリーズの主役たちがとうとう一つの小説の中で交差し始めた。次の作品では2人が登場するという。今から楽しみだ。

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2026年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

“今はもう昔のことだが”、このフレーズだけで、あぁルーシー・バトンだなぁと、ストラウトの世界へと帰還する。
ロックダウン、BLM運動そして議事堂襲撃と分断と対立が増してゆくアメリカへ、離れて暮らす家族の問題へとルーシーの心は、あちらへ彷徨い、こちらへ想い悩みと、晴れることはない。

貧困、不確かな家庭環境など、子供時代のバックグラウンドなしに人を理解することはできないし、それでも人は皆それぞれ違った人生を辿るよなぁという、当たり前だろうと言われても割り切る気になれない感じが潮の満ち引きのように寄せては返す。
それでも人はわからないなりに、人生を切り抜けていくしかないという人生訓は、まぁそんなもんだよなぁと同意してみても、もやもやと心にくすぶる。
年を重ねていくと、ルーシーと似たような屈託がいつしか振り払えず身にこびりつくのは、仕方のないこと。雲間から光が刺すように、束の間の真理や天啓が閃めく、世界が変わる、なんて期待することはない。

読み終わって思うのは、ルーシーやウィリアムなどこれまで馴染んでキャラクターが、いかにも口にして、心に浮かべそうなストーリーに、そうだよねぇと相槌を打ちながら付き合っったって感じ。
「オリーブ・キタリッジの生活」のように、感情移入していなかった相手にふと心が揺さぶられる瞬間が訪れたり、「私の名前はルーシー・バトン」のように、パズルのピースが埋まって絵が浮かんでくるような、それでも明かしきれない隠された痛みが心を刺すような、そんな読後感はない。
それはそれでリアルな人間模様なのだろう。



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2026年09月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

離婚再婚、再再婚やステップファミリーについての許容やドライさは、アメリカと日本ではだいぶ距離があるんなあ、とまずは改めて。ルーシーの娘との関係や愛情と寂しさ、ロックダウンのニューヨークへの寂しさなどは、ちょっと私には過度にも思われる。いよいよ次の作品で、ルーシーとキタリッジとの2本のラインも総決算になりそうなので楽しみだ。

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2026年08月27日

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