あらすじ
妻子あるグレッグの子を宿してしまったサラ。中絶の道を選んだふたりが病院に向かう途中のことだ。グレッグがサラの傍を離れたほんの数分の間に、彼女はさらわれてしまった! 気を失ったサラが意識を取り戻したのは、どこかの地下室。待ち受けていたのは、不条理で際限のない暴行だった!
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Posted by ブクログ
ジャック・ケッチャム著、金子浩訳、『地下室の箱』のレビューです。
むかし読んだ『隣の家の少女』よりもマイルドな(といっても普通にエグい)内容でした。
被害者は40代前半の美しい女性、サラ・フォスター。不倫相手との子供を堕ろそうと病院に向かっている途中に拉致されます。
モデルというか着想を得た事件があるようで、「箱」が特徴的に使われます。
しかし、原題はRight To Lifeみたいですが、邦訳タイトルは何とかならなかったのでしょうかね。
―サラが徐々に壊れていくさまを想像した。時間がかかるのはわかっていたが、だからこそやりがいがあるのだった。なぜなら、いちばんおもしろいのは壊れるまでの過程だからだ。抵抗の意思がなくなれば、家畜と―牛と同然になってしまう。
―そして赤ちゃんが蹴ったのを感じた。
Posted by ブクログ
忌まわしい「隣の家の少女」に続いて、著者が“監禁・虐待”テーマに挑戦した……ってことで、読む前からかなりブルーになっていた(ってこれは、この作者に関する限り「ガッカリ」とはやや意味が異なるんだが)。
愛人の子供を身ごもった主人公のサラ。中絶することを決めた日、産婦人科医院の目の前で男女二人組に拉致される。彼女は地下室に監禁され、箱のようなものを被される。待っていたのは暴行の嵐だった……。
訳者による後書きにもあるが、この作品、「隣の家の少女」「オフ・シーズン」と同様に実際にあった事件を材に取って書かれたらしい。とは言え、似ているのはその状況のみで、人物の性格や事件の経過等は異なっており、単なるドキュメント作品ではない。
但しラストはこの著者らしくないと一瞬思えるので、もしかしたらこちらの方が受け入れられ易いのかも。
……とにかく痛い(様々な意味で)作品。
「隣の家の少女」を読んだ読者は最後の最後に「え?」と思う……かも。