あらすじ
幕末動乱の時代、倒幕、維新を実現する長州藩の若者たちの多くが学んだ松下村塾。明治維新の精神的理論の支柱と称され、至誠と行動を貫徹した吉田松陰の思想とはなにか? 本書は、『幽囚録』『対策一道』『愚論』『回顧録』『急務四条』をはじめとする松陰の代表的な著作の原文に、平易な現代語訳を添えて丁寧な解説を施す。時代を変革する先駆者の思想の全貌を、本人の著述にもとづいて描き出した、必読の一冊。(講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
原文だけでなく、語釈、現代語訳もあるので読みやすいです。
目次
解説 松陰の人と思想
留魂録
要駕策主意
幽因録
対策一道・愚論・続愚論
回顧録
急務四条
書簡
留魂録の 「至誠にして動かざるものは未だこれ有らざるなり」を大切にしたいと思います。
しかし、「誠」の境地に至ることは決して容易ではありません。
森信三『修身教授録』によると、「お互い人間の真には、もうこれで良いということはないからです。すなわち、もうこれくらいなら良かろうと腰を下ろしたんでは、真の誠ではないからです。真の誠とは、その時その時の自己の精一杯を尽くしながら、しかも常にその足らざることを嘆くものでなくてはならぬからです」とあります。
また、『西郷南洲遺訓』の「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己を尽くして人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし」も同様に「誠」を説明しています。
私にとって「至誠」は、人生最大の目標です。