あらすじ
こんな心理学があったのか! 「人は、なぜ○○するのだろう?」――描いて・視て・考える『視考術』という手法により、行動分析学から人間行動の本質に迫る。
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Posted by ブクログ
行動分析学の本で最初に読んだ本。面白かった。
この本を待ち合わせの時に読んでいたら、感じが悪いと言われたww
以下、抜粋
約束の時間に遅れるのは、「だらしない」でもなく「県民性」でもなく、約束の時間を守るために必要な行動を引き起こすの先行事象や強化する環境要因が欠如しているからかもしれない
場の雰囲気に関わらず自己主張してしまうのは、「B型」「積極性」のせいでなく、自己主張が希望が叶うことで強化され、友達の表情の微妙な変化が自己主張を抑制する先行事象にならなかった学習履歴が原因かもしれな
傘を忘れてしまうのは「うっかり」「加齢」のせいでなく、雨が上がって濡れる心配がないときに、傘の存在を示す先行事象が傘をてに取るという行動を引き起こしにくいからかもしれない。
携帯マナーが悪いのは「モラルの低下」「道徳心の破綻」のせいでなく、車内での携帯の正しい使い方について見本を示されて練習する機会がなく、適切な振る舞いを強化する社会的随伴性が弱くなっているからかもしれない
Posted by ブクログ
考え方はおもしろかったし行動分析学を知るという点では意義深かった。しかし、この本を読んだだけで様々な他の案件に応用するのは難しい。
それと2010年出版なので災害等の実例が古くなってしまっている。また、トンデモなことが明らかになっている「江戸しぐさ」が取り上げられていることも今となっては好ましくない。
人は、なぜ約束の時間に遅れるのか?
「だらしない」でもなく「県民性」でもなく、時間を守って良かったという成功体験の欠如だけである。著者はこれを随伴性と呼んでいる。
人は、なぜ血液型で性格を判断しようとするのか?
誤りなのに血液型と性格との間に関係があると信じている日本人が多い。
人は、なぜ傘を置き忘れるのか?
「うっかり」「加齢」のせいでなく、雨が上がって濡れる心配がないときに、傘の存在を示す先行事象が傘を手に取るという行動を引き起こしにくいからかもしれない。
人は、なぜ同じ過ちを繰り返すのか?
《反省》すれば繰り返さないはず、ではなく、喉元過ぎれば熱さを忘れる。
人は、なぜ公衆マナーを守れなくなったのか?
例えば携帯マナーが悪いのは「モラルの低下」「道徳心の破綻」のせいでなく、車内での携帯の正しい使い方について見本を示されて練習する機会がなく、適切な振る舞いを強化する社会的随伴性が弱くなっているからかもしれない。
人は、 なぜ災害から逃げ遅れるのか?
訓練に違いない、誤報に違いない、他の人が逃げない。
実現性は別として提案。訓練と区別化する、誤報をなくす、逃げる人を用意する。
人は、なぜ騙されるのか?
『行動の慣性』高反応率で維持されている行動には《慣性》がつき多少の抵抗があっても維持されるように作用する。
不安を煽る情動操作と真偽を曖昧にする先行事象の操作
行動を引き起こさせるには、随伴性を強化すべき。人の意思の強さを強化するのではない。
例えばトイレ。ポスターによるキレイに使おうというお願いと、小便器にハエの絵が描かれている場合とが比較されている。両者共に後続事象はトイレが汚れないこと。
ところが、後者の方が自分の「意志」に沿って行動していると感じるのだ。
意欲的に取り組ませるには、「自分の意志で動いている」と思わせることが大切。
Posted by ブクログ
・行動分析学の創始者:B・F・スキナー(1904~1990)
・人の「心」の問題を理解したり、解決策を考えたりするためには、
-実は「心」以外の事柄に注目して分析すべきこと
-そのためには視考術という方法で、さまざまな要因を広く、深く考えること
・言い換えれば、「心」の概念(属性、性格)の概念を使わずに人の「行動のなぜ」を読み解く方法を学ぶこと
・人は映画を観て「勇気」や「友情」に感動する。しかし、「勇気」や「友情」はあくまで解釈であり、実際には観客がそのような解釈や感情をもつように、ひとつひとつのシーンやストーリー展開、演技や大道具・小道具を組み立てなくてはならない。プロの仕事は、感動や解釈を生み出す、事実や具体物の仕込みにある。