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外見の理想化ばかりしてモデルの内面を描くことができなかったことに対して、美術史でヴィンターハルターに厳しい評価が下るのは致し方ないのかもしれません。
「名画の言い分」の木村氏の最新刊。美術も歴史もどちらもお腹いっぱい堪能できる一冊だ。冒頭のヴィンターハルターは、あの有名なエリザベートの肖像画を描いた人。でも確かにこの絵は知っているけれど、ヴィンターハルターさんについてはあまり知られていない。肖像画を見る時、「眼光がすごい…」「怖そう!!」「わがままそうだもんね」など、つっこみを入れたくなるものだが、このエリザベートは、「すてき~」「きれい~」しか出てこない。一国の主たる者、そんなアイドルのプロマイドのようなものではないけないらしい。出てくる王妃や寵姫たちのエピソードもたくさんあって興味深く、今回もすぐに読んでしまった。
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一人一人の肖像画がドラマティックに見えてくる。
社会的身分に相応しく理想化し、そこに人間性も表していくという肖像画の役割は、当時はなくてはならないものだったんだな。
王の愛人を公式化していく流れや、それでのし上がっていく女性達のパワフルさに驚き。若くして亡くなる方も多く、その心労や、子供を沢山産んで体も酷使していたことを知った。
山あり谷ありの人生ばかりで、夢中になって読んだ。
Posted by ブクログ
序章に、【「赤の他人の肖像画なんかを観て、何が楽しいんだろう」と感じる方もいることでしょう】とあります。まったくそう思っていた私ですが、この本を読んで、描かれた人の物語を知った今、肖像画を見る目が変わりそうです。
ヨーロッパの宮廷で行われてきた政略結婚、権謀術数、その背後にある愛とロマンなど、今でもお偉方の世界では行われてる駆け引きにも似た物語の数々、面白く読めました。
15人の女性が取り上げられていますが、麗しいポーズの裏で、野心に燃えていたり、運命に翻弄されたり、ジェットコースターのような人生を送っていた彼女たち。人生いろいろですねぇ。
新書だけども、絵の写真は良かったです。簡単なものでいいので、年表や地図がついていれば、さらに分かりやすいかな。
Posted by ブクログ
アン・ブーリン、エリザベス1世、メアリー・スチュアートや
ポンパドゥール夫人、マリー・アントワネットなど
中世、近世の13人の有名な女性。
彼女たち自身の肖像画と、
彼女たちの人生に深くかかわった人たちの肖像画が
カラーで紹介されます。
さらに、写実性は写真に譲り、美しいだけの肖像画を描いた
ヴィンター・ハルターが描いた貴婦人を紹介し、
最後に、写真で現代の女性、
ジャクリーン・ケネディ・オナシスのポートレートを紹介。
やっぱり絵は面白い。
肖像画に残された女性たちの人生も、それぞれに波乱万丈で興味深い。
個人的に、一番面白かったのは、エリザベス1世。
13歳のときに質素なドレスを着た可憐な少女だった彼女が
年齢を重ねて、権力を掌握するとともに
服装や背景が華麗に、豪華に、変貌していく。
ちりばめられた宝飾品、だんだん大きくなるドレス
そして、地図を踏み、地球儀を背にして、威厳を示す。
強大な大英帝国を統治するカリスマ性を
絵によって示すメディア戦術だ、と筆者は見る。
なるほど~
絵がカラーできれいなのが、とても嬉しい。