あらすじ
共和政=善、君主政=悪ではない?
君主について考えることは、統治制度について考えるということ――。
君主政=古い、悪/民主政=新しい、善といった単純な図式ではなく、君主とは何なのか、なぜ現代の世界は君主を残した国となくした国とに分かれているのか、歴史をたどりながら、多角的に、本質的に君主という存在を考えていく。米中露はもちろん、人間社会の統治やリーダーが何かを知ることのできる一冊。
好評を博した『帝国で読み解く近現代史』に引き続き、再び東西の歴史に通じる二人の歴史家が縦横無尽に語る。
【目次】
序章 なぜ今、君主なのか
第1章 王とは何か、皇帝とは何か
第2章 君主政の展開
第3章 君主政の多様化
第4章 二つの発明――立憲君主政と共和政
終 章 君主政の現在
あとがきがわりの対談
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Posted by ブクログ
東洋史の岡本先生と西洋史の君塚先生との対談の第二弾。君主をテーマに、古代から現代までの歴史を語る。
東洋と西洋での、共通点(最初期の君主は自然や宗教などの超自然的な裏付けが必要である点など)や相違点(覆いかぶさる存在として、西洋はキリスト教で中国は儒教・漢文である点など)を、大局的な視点から話し合われていた。こういう語り合いができる事こそが、歴史の楽しみの1番の醍醐味なんだと思った。(自分もそういう極地に達したいし、そういう歴史仲間が欲しいが、おそらく無理か。)
漢字が表意文字で非常に優れており、中国の官僚制度も優れていたが故に、統一が保たれて19世紀まで世界のトップに君臨できていたが、逆にキリスト教が完璧ではなく、十字軍の失敗・ペストの流行などからキリスト教の権威が失墜したことで、ヨーロッパの分立・競走の促進が生じ、19世紀にヨーロッパが逆転した、という事か?(これは本文を参考に個人的に至った考えだが)。宗教改革時のラテン語から各国語への翻訳が固有のアイデンティティを生んだ、という点は、その後の国民国家誕生にとって重要なんだと思った。
対話形式の読みやすさがあり、東洋・西洋を比べながら進行する事で理解しやすくなっていると思う。岡本先生と君塚先生の両先生だからこその、良い対談本だった。第三弾も希望。