あらすじ
トムは悪さと遊びの天才だ。言いつけの塀塗りをみんながうらやむ仕事に変えたり、退屈な教会の説教をクワガタ一匹で忍び笑いの場にしたり、家出して親友のハックたちと海賊になってみたり。だがある時、偶然に殺人現場を目撃してしまい……。わんぱく少年トムを通じて描かれる、自由を求める心と冒険への憧れ、そして世界を見る無垢な目。アメリカで最も愛される作家の半自伝的小説を、少年たちの声が聞こえてくる新訳で。
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Posted by ブクログ
アメリカ文学を代表する、マーク・トウェインの名作。
光文社古典新訳文庫による、最新の翻訳です。
ミシシッピ川に面した田舎町を舞台に、悪戯の天才トム・ソーヤーと、悪友のハックルベリー・フィン、ジョー・ハーパー、ガールフレンドのベッキー・サッチャーに、口うるさいポリーおばさんらが繰り広げる爆笑物語w
80年にTV放送されたアニメを視た人たちには意外でしょうが、ベン・ロジャースの役どころは実はほとんどがジョー・ハーパーでした!?
塀のペンキ塗りの最初のカモは、アニメと同じくベン・ロジャースでしたけどねw
ドビンズ先生のハゲをバラしたのは意外にも・・・
トムの家の黒人奴隷ジムのキャラクターも、アニメとは異なります。
アニメ版には、オリジナルのエピソードが多かったことが判ります。
というより、アニメ版のエピソードは続編の『ハックルベリー・フィンの冒険』からの借用が多かったのかも?
悪魔や幽霊がどうこうという子供の屁理屈は確かに馬鹿馬鹿しいですが、懐かしくもありますw
誰でも自分の幼少期を振り返れば、思い当たる節も多いのではないかと(^O^;
登場キャラは全員実在のモデルがいて、どのエピソードも実際にあった事だとか!?
・・・ということは、作者自身は作中のどのキャラだったんだろ?(*^m^)
巻末の解説では、悪人インジャン・ジョーについての見方で、思わぬ視点を発見することでしょう。
中高生の「夏休みの読書感想文」に読ませるのに最適な作品ですねwww
ニン、トン♪
Posted by ブクログ
一章ごとが短いのもあって読み進めやすい。ペンキ塗りの話はなんとなく知っていたが、ちゃんと読むのは大人になってからが初めて。
大人としてよんでしまったせいもあり、ポリーおばさんもベッキーのお母さんも振り回されて気の毒、トムはコロコロと気が変わりすぎ、少年たちが宝物にしているガラクタはちっとも魅力的じゃない、インディアンへのナチュラルな蔑視…といったところばかりが気になってしまった。
インディアン蔑視を含め当時のアメリカ白人の他人種に対する見方が伺える。解説を読むとトウェインは白人社会に向けた怒りを導入していることに意義があるのではとあり、作者の意図がどうなのかはともかくそれは本書の一つの価値かも。