あらすじ
お嬢様学校育ちの優子は、高校生になって同級生の富田君と大好きなパン屋巡りを始める。継母と暮らす優子と両親が離婚した富田君。二人はお互いへの淡い思い、家族への気持ちを深めていく。そんなある日、優子の前に思いがけない女性が現れ……。書き下ろし短編「はちみつ」も加えた、ささやかだけれど眩い青春の日々の物語。
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Posted by ブクログ
お腹空いた!
うさぎパンもはちみつもどっちともあったかくなる話でやっぱりこういう話が一番だなと思った。パンがすごく食べたくなった。うさぎパンの優子と富田くんの付き合う前の関係がすごく可愛いと思った。パン好きの男子にあまり出会ったことがないから、富田くんという存在自体が珍しかったけど高校時代にこんな心優しい男子はいなかった。。。
Posted by ブクログ
女子高校生の日常を描いた物語。
いたって普通の高校生活で、友達、気になる男子との関係、受験など、小さな悩みはあるが日々こんなことがあったという話が淡々と続く。
そして亡くなった母親について、一度も登場しない父親について、淡々とすごい事実が語られる。
Posted by ブクログ
すっごく読みやすい作品でした。ほんわか青春小説かなと思ったら、まさかの聡子さんが美和ちゃんに降霊するという、、、。そこのシーンだけこの作品の雰囲気にミスマッチな気がして笑ってしまいましたが、素敵な小説だと思いました。
Posted by ブクログ
表題作で第二回ダ・ヴィンチ文学賞大賞の「うさぎパン」と、
書きおろしの「はちみつ」の2編を収録した文庫を読みました。
読み終わると、パンがいとおしく、食べたくなります。
パンは本作の重要なエッセンスで、本筋とはまたちょっと違うんですが、
裏にあるパン万歳!的な風の流れを、読み手の心はしっかりとらえる、
というか、書き手にしっかりとらえられてしまいます。
ちかぢか、パン屋さんでトレーとトングをかまえてみようと思います。
「うさぎパン」はやわらかで、やんわりした物語でした。
幸せを感じられるような作品ですね。
裕福でありながら、家族関係がちょっと複雑なのが
物語をぐにゃりとさせていないところかもしれない。
ヒロインの優子はふつうにちゃんとした子で、
まるいイメージなのがいいです。
つまり、とげとげしたところがないのが、ヒロインにもいえるし、
本作品全体にもいえることで、
そういうものがいいよね、っていう作者の価値観のあらわれでもあると
思うところでした。
つづく「はちみつ」では、序盤からちょっと苦しいヒロインの心理が
描写されますが、やっぱりクライマックスに持ってきたものはそこだね、
っていう、明るいものをみる作者の目だとか価値観が
あらわされているような気がしました。
明るさは作者の願いかもしれないですが、
文章のトーンからして、作者の生活から出てくるもののようにも
読めたのですが、どうなんでしょうね。
比喩はほとんどないけれど、描写に、生活を大事にしているひとの
豊かな感性を感じました。
鋭くがゆえに冷たい感性ってよくあると思いますが、
そうじゃない温かな感性がこの小説にはあります。
ほっとして読める面白さでした。
ああ、パンがたべたい。たべたくなった。