あらすじ
両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年一度、集う夏休み。中学生の練は妹・千華子、母とともに、考古学者の父がいる中米のG国までやってきた。密林と遺跡と軍事政権の国。すぐさま四人はクーデターに巻き込まれ、避難中のヘリから兄妹が落下、親子は離ればなれに!? 疲労困憊でさまよう二人の身に、異変が……。息もつかせぬ面白さの新装版上巻。
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Posted by ブクログ
上巻読んでみた感想。
真っ先に上橋菜穂子を思い起こさせた。
彼女の著書も、不条理というか、理不尽なまでの試練に主人公が見舞われる。
本書でも多少年齢は上かもしれないが、少年少女が軍事クーデターに巻き込まれて、
熱帯雨林のジャングルに放り込まれるという、とてつもない理不尽。
密林ゆえに薄暗い地上を進むと、巨大な?遺跡群が…
本書終盤は村上春樹?SFだよな。
どうも主人公二人は、ある民族の通過儀礼に参加する羽目に?
どうなる下巻?
題名忘れたけど、中島らもさんの小説も思い出した。
※追記 ガダラの豚でした。
Posted by ブクログ
両親が離婚し、普段は離れて住んでいる練と妹の千華子は、年に1度の家族旅行でマヤの遺跡を見に行く途中、クーデターに遭遇し、ヘリコプターから放り出される。
幸い怪我もなく、ジャングルのなかで力を合わせて生き延びようとしていたが、謎の地下の王国に引き込まれてしまう。
一方、両親と父の同僚のミゲルは、子どもたちを助けに行くため、軟禁場所から抜け出す。
両親とも離れ、中学生と小学生の兄妹が、ジャングルの中で限られた持ち物を使って生き延びること自体がすごいが、話の展開も早くて息つく暇がない。
早く下巻を読みたい。
Posted by ブクログ
おもしろかった〜。
まだ途中だけど。
久しぶりに、「途中で読むのを止められなくて、寝る時間を大幅に削って、本を読む」ということをした。
最初(1章目くらい)は、しょうがないことではあるんだけど、状況説明というか、この人がどんな人で、誰と暮らしていて、この人との関係はこうである…ということが多くて、「な〜んか、退屈だなあ」と思っていた。
だけど、1章の終わりからは、「げげ〜っ、どうなっちゃうの!?」とワクワク(?ドキドキか)して、先が気になって仕方なかった。
上巻最後の方は、私が想像していた展開と大きく変わって来ちゃったけど、それはそれですごくおもしろいし、続きが楽しみ。
恩田陸さん、以前「Q&A」を読んで、終わり方に納得がいかなくて「う〜む」と思っていたので、最近敬遠してました。
でもこれはおもしろい!!
「恩田」という名前を、私が大好きな「やっぱり猫が好き」の恩田三姉妹から取った、というだけで、勝手に親近感をわかせている(?)作家さんなのでした。
Posted by ブクログ
離婚の末にバラバラになって暮らす家族の年に一回の行事である再会旅行。父親の勤務先であるG国で過ごす休暇中に家族でクーデターに巻き込まれる。クーデター発生時彼らはヘリで遺跡に向かう途中であったが、クーデター側と思しきパイロットに子供たちはヘリから密林へと落とされてしまう。
上巻ではローティーンの兄妹たちが知恵を絞ってジャングルを生き抜く描写が中心。
但しそこは恩田氏。生死がかかっているとはいえ、青春テイストがかおるのは「夜のピクニック」の作者ゆえか。訳あって異母兄妹である二人は、頼りがいがある爽やかなアウトドア系の兄と、新体操に打ち込む美しい妹として、わずかにお互いを異性として見ている雰囲気があります。仄かな恋の雰囲気を匂わすもキレイなままで終わるのがいかにも恩田流といってもよいのかもしれません。
そのほか、上巻では残された大人たちがクーデターによる軟禁下から脱出し子供たちを創作に行くのがもう一つのシーンとして描かれます。
ただ、より印象的でキャラ立ちしているのは日本の家族であり、主人公である錬の従兄、また彼らの祖父などが色々な伝手を使ってこの四人の安否を確認しようとする様は非常にエキサイティングでした。
下巻ではまた流れが変わりますが、両編通じてまずまずの面白さだと思います。