あらすじ
女子大生のミナミがフリマアプリで見つけたのは、自室から盗まれた自分の口紅だった。 『嘘をつく日に塗っていたので、少し穢れています』意味深な説明文とともに、謎のアカウント「M氏」によって次々と出品される私物たち。エスカレートする出品と、暴かれていく秘密。見えない悪意に追い詰められ辿り着く、予測不能な真実とは――?
【梨氏コメント】
スターツ出版らしさとホラーらしさが縫い合わされた、この賞ならではの受賞作だと感じました。
作中作と一人称を縦横無尽に往来するこの作品が「モキュメンタリーホラー小説コンテスト」の受賞作に選ばれたことも含めて、著者と出版社の意思を感じます。
今後、この作品を経た作者からどんな怪異譚が生み落とされてしまうのか、楽しみで仕方ありません。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
ふぅーって一息付かせてくれる時間なんて与えてくれない。
最初から最後まで恐怖を与え続けてくるノンストップホラー。
フリマアプリをしたことのある人
1人暮らしをしたことのある人
友達のいる人
誰かと付き合ったことのある人
ゴミ出ししたことのある人
あなたを恐怖に導くものはどこをきっかけに現れるか分からない。
自分にも当てはまる部分が少しでも感じられる設定が本当に怖すぎる⋯。
私1人暮らしだよ。
今日からどうするよ⋯⋯。
Posted by ブクログ
なんだなんだなんだ! この世界には狂人しかいないのか?!
まともな人間ってどういう人のことを言うのかわからなくなってしまうような狂気の世界。いや、今わたしたちが生きているこの世界がそうなりかけているからこそ、正常な状態がわからなくなってしまっているのかもしれない。そんな気づきたくない事実に気づかせてくれる恐ろしい作品です。
私はメルカリ的なフリマサイトを使ったことがない古い人間なのでわかっていない部分もあるんだけど、実際にどんな使われ方したのかわからないような中古?品、なかには使いかけの化粧品とかも本当に出品されているようだ。私だったら絶対に買わないけど、それこそどんな用途を目的としているのかわからないが、買う人が一定数いるから出品されているわけでございますでしょ? それがもう怖い。こんな私の感覚って昭和の頑固オヤジ並に古臭いカビの生えたものなんだろうか。出品者、購入者それぞれが異常者だと言いたいんじゃなくて、なんの疑問も抱かずに物品のやりとりができるのが逆にすごいと思ってる。……もちろん褒めているわけではないです。
それにメルカリユーザーの全員をそのように思っているわけではないですよ。転売ヤーが横行しているのもあってあまりいいイメージを持っていないのは事実ですが……。
まぁこの物語で起こっているような深刻な事態になると思ってはいないけど、自分と近しい関係の人がもしかしたら自室から持ち去ったものを人知れず売買しているっていうのはまったくあり得ない話とも言えないし、そういう可能性を示唆したという点で著者の恐ろしい着眼点が垣間見える。いやマジで実際に行われてるんじゃないの? そういうリアルさがありますよ……。
そんな薄ら寒いストーリーのなかで劇中に出てくる配信者「奇撮隊(きさつたい)」は我々に清涼感ある爽やかな風を送ってくれた。あんな空気のなかでもこのネーミングには笑ってしまった。やるじゃん。
しかし残念ながらその結末にはまったく笑えなかったけど……。
この本を読んだ後にフリマサイトをご利用する際は十分にご注意くださいね。