【感想・ネタバレ】眠る兎のレビュー

あらすじ

冗談のつもりで書いた一通の手紙。その手紙に返事がきた事をきっかけに、高校生の里見浩一は年上の男と付き合うことになってしまった。本当の年齢も職業も隠し、そして相手の嘘にも気づかない振りで――。嘘で固めた付き合いを続けるふたりは、それでも不思議と惹かれあっていく。しかし、たくさんの「嘘」がお互いにばれてしまい……!? 書き下ろし短編も収録!!

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柿本について

あとがきに、柿本はこっちの方だ(バイで受)とあったのが、私の印象と違うけれど、柿本から見た親友カップルは興味深かったです。そっかー不満だったのかと。一見心配で色々指摘して見守ってくれる親友だけど、本音を知ると、柿本像がより深みをましました。人はいろいろだなぁと思いました。メインのカップルは、安定の仕上がりだったので、ハッピーエンド大好きな私には、読後感は最高!

0
2020年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不器用で卑屈で人間の負の部分を全面に押し出した受が登場。
嘘で塗り固められた恋の始まり…好きになる程に嘘が苦しくなり、
5歳年下の攻に年齢差で不安を感じてた所に、じつは5歳じゃなくて
10歳も年下でした。しかもアンタが勤めてる高校の生徒でした。
という、体裁を気にしすぎる真面目な受にはもう衝撃の事実
はじめは面白半分だった攻も、あまりにも純粋で真面目な受に
ほだされ、ノンケだったのに惚れていく様が、本当に自然に書かれてます。
気がつけば、心ごと持っていかれる恋になってます。

最大の萌え台詞は
良識的で体裁を気にして、大人な自分を理性的に捉えようとする受が、
攻を前に完全にそういった壁を崩して、

『あんな子供に、君を渡したくない』

萌えすぎて死ぬかと思った!!

1
2012年05月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 里見浩一は、友人が持ってきたゲイ向けの雑誌を、他の友人と共にふざけて眺めていた。
 そのうちに誰かが文通コーナーに書いてある相手に「手紙を出そう」と言いだし、相手が好みそうな内容をみんなで並べ立てる。
 その手紙を「里見の名前で出していいか?」と聞かれ、「いいよ」と答えてしまう。

 数日後、里見の下に届いたのは、「一度会いたい」と書いた手紙の返事であった。

「人の真剣な気持ちを笑うような真似をするな」と友人に言われたものの、里見の想いを寄せる相手が「見に行きたい」と言い出したことから、里見は断りきれずついつい「いいよ」と言ってしまう。

 待ち合わせ場所に指定された喫茶店で、指定された席にいたのは、ホストのような見た目をした派手な男で、しばらくすると席を立っていってしまう。
 それでほっとしたのだが、店を出て行く寸前、実は里見に返事を送ってきた男が店を出て行った男とは違う男であることに気がつく。その男は、里見の通う高校の教師・高橋だった。
 一度はその店を後にしたものの、その高橋が、まだ待っているような気がして、里見は電車に乗って帰る前に再度店に戻ると、やはり高橋はいた。
「自分はゲイではないから、付き合うつもりはない」
 そう告げようと思ったのだけれど、高橋の怯えるようなすがるような顔を見ると、ついつい言いそびれてしまう。
 それどころか、帰り際に相手の連絡先を受け取ってしまい、途方に暮れてしまう。
 その後、直接言うよりはいいだろうと思い、「付き合えない」という言葉を告げるために何度か電話をかけるけれど、そのたびに話が弾み、言い出せないままに終わってしまう。
 そのままずるずると週に一度、会って話す関係が続き――

 という話でした。
 まさにミイラ取りがミイラになってしまったお話。
 最初はそんなつもりのなかった里見が、高橋と逢瀬を繰り返しているうちに、次第に彼に惹かれていって、片時も離れられなくなって、最後には養子縁組までしてしまう。
 なんか、若さって怖いって思うけど、そこまでいったらもう若さじゃないですよね。

 優柔不断だった始まりがいつしか本当になってしまったお話でした。
 ちょっとしっとり落ち着いた話なので、そういう話がお好きな方にはオススメします。

0
2012年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あとがきに「デビュー作」と書かれていました~。
優柔不断な里見が高橋と出会って変わっていく様子がリアルでした。
軽率で我が儘な女の子だと感じた遠藤さんも最後には男前なところを見せてくれましたね。
里見の親友の柿本、「冬日」に出てくる高橋の初恋の人、一ノ瀬、それぞれがしっかり里見と高橋に絡んでいて良かったと思います。そして、8年経った里見は、すごくいい男になっていてびっくり。高橋との出会いが里見を成長させたんだなと思います。
そして「春の嵐」あらら・・・柿本どうなっちゃうのかな?ちょっと意外な展開でした。

0
2012年07月15日

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