あらすじ
「俺らマブになろうぜ」
40歳の波那の目の前に現れたのは、上下金色でかためたアッパーな53歳の義母・張子だった。
出会ったその足で飲みからカラオケにはしご、昼休憩に美容整形、勢いで韓国へ弾丸旅行、とエネルギッシュな張子に付き合っていく。
そのうち、嫁姑を超え、同じ女性として、人間として、改名、結婚式の有無、子供を持つことから始まり、お互い夫にも息子にも話したことのない過去や心に残るわだかまりと後悔、人生の選択について語り合うようになる。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
訳ありの義母と会うことになった波那。結婚相手の蹴人(しゅうと)は義母のことを「害悪じゃないけど合わない人」と言い、波那が無理って思ったらいつでも縁を切ると言う。一体どんな義母がそこに現れるのか……。
こんなに声を出して笑った小説は久しぶりでした。
義母、張子(ちょうこ)のキャラクターがぶっ飛んでいてすごすぎて、波那の前に現れた瞬間から掴みはOK、笑いのオンパレードでした。
面白すぎて、笑いながら怒涛の勢いで読み続けましたが、途中で、こんなに初っ端から笑わされるということは、ラストはどっと泣かされるんだろうなと思いながら読みました。
結果、号泣というほどではなかったですが、やはり泣かされました。ぶっ飛んでる張子はぶっ飛んでるけれど意志がはっきりしていて考え方に一本筋が通っていました。
波那の考え方には共感できる部分も多かったです。
張子のキャラクターは、話し口調から野沢雅子やドラマ「ひとりでしにたい」の主人公の母(松坂慶子)が頭の中で行ったり来たりしていました。
スピード感があって、あまり深刻にならずに読み切ることができる、とにかく張子のキャラが濃すぎて読んでる途中から元気になる、そんなお話でした。
今まで読んだ金原ひとみさんのお話の中ではダントツで好きです。
地味な子と蹴人は一貫して言われているけれど、全然そんなことないなって思いました。張子のアクの強すぎる個性で薄められているけれど、蹴人も充分変わった人だと思い、やはり張子の子だと思いました。波那が、張子と蹴人は同じようなことを別の形で実行してる人と言っていましたが、まさにそれ!私もそう思う!と共感の嵐でした。
自分は決して張子のような陽キャの権化みたいな人間ではないし、なりたいって気持ちもないけれど、根っこの部分が陽気なのか、陰気だからこそ輝かしいものへの憧れがあるのか、こういう人は大好きです。
Posted by ブクログ
マザーアウトロウよすぎた、今年ナンバーワン読書so far.
なにがよかったか言葉では全てを網羅できなさそうで早くも悔しい。
まず、張子のパワフルさ。嘘みたいだけど本当にパワフルでそのパワーで周りを振り回しながらも周りを楽しませている張子。楽しい楽しいだけではなくて夫の不倫とか出産によるキャリアの中断とか、苦しい経験もしてきた強いひと。この人のこと、読んでいてずっと楽しかった。"女性らしい"言葉遣いを徹底してる理由まではわかりきれなかった。なんなんだろう。
はじめは張子に圧倒されてたのしいたのしい読んでたけど、最後の50ページ?30ページ?いや、離婚した過去があったと話し始めた時くらいから波那のこともすごくすごく気になったし夢中になった。つらさも見た上で読むラストシーンがよすぎた。おいしいコースを食べながら、パートナーの蹴人と「できるだけ一緒に死ぬ」ために時間を重ねていこう、卵子凍結延長をしないことを流れに身を任せようとする彼女、よすぎた。良いという言葉以外の語彙が出てこなくて悔しい。あと、1人じゃないけど1人で、幸せだ、みたいなところもすごく好きだった。
◎好きだったことば
・「やっぱりいいわね波那ちゃんは敬語じゃなくてタメ語の方が全然映えるわ」
・こんな住宅地に二人、この人だと思い合って結びつき、生活を共にすると決めた人間同士が手を繋いで歩いているという事実は、必然なんじゃないかと思いたい自分がいて、でもそんな風に言葉で考えてしまう自分は何も分かっていないような気もする。(p148)
・だから蹴人も、誰かに何かをしたいと思った時に何かをすればいいと思うよ。ただ純粋にしたいと思ったことだけを。
意味を感じたら続ければいいし、意味がないと感じたらやめればいいし、何か別のことをするのでも、何もしないでも構わない。これは義務だからやらなきゃとか、そういう責任とか義務は無しでいいと思う。(150)
・元配偶者の人と離れて暮らすようになってから、ずっと一人で生きてきたと思っていた。でも今、私は人生の中で最も一人を感じているような気もした。親を諦め元配偶者を諦め、仕事に精を出し、再び結婚をして、配者の帰国を心待ちにしご飯を作って、やっぱり好きだなと思う配者と一緒にご飯を食べながら、私は人生の中でようやく、一人として立ち上がったのかもしれなかった。かつてなく満たされていて、かつてなく幸せで、かつてなく一人だった。一人だから、幸せなのかもしれなかった。
・私たちはメインを食べ終えたらデザートを食べコーヒーを飲む。二人で家に帰って、私は仕事の続きをする。今作っているムックの装丁のラフを完成させたら、それを会社に送り、由美季にチェックを依頼したところで今日の仕事を終了。その頃には多分六時を回っていて、私は卵子凍結延長の期限が切れたことを知る。そして私は職人と生きていく。蹴人のおかずに少しだけ塩分を足し続けて、六年分の寿命を縮める。そして私と蹴人はできるだけ一緒に死ぬ。理想は二人で選択的自死。できるだけ一緒に死ぬことを目的に、自分たちのことだけを考えて、毎食毎食いただきますと手を合わせながら、私たちは生きていく。
あ、なんかほろほろすぎて、全然フォークで刺せないな。ポワレをうまくフォークに突き刺せない職人に微笑む。こういう時間を積み重ねて、死にたい。私の望みはささやかで、慎ましくて、スズメが水浴びをしたいと願うような欲望とも言えない欲望で、こんなささやかなものは、きっと死ぬまで誰にも邪魔されないだろう、きっと叶えられるだろうと、勝手に一人でホッとした。こんなに完成された日が、もう二度と訪れないような予感に痛みを感じるほど、深く満たされていた。
→波那が深く満たされた感覚になれてうれしい泣。こんなふうに安堵できる関係性に身を置きたい。恋愛恋愛ではなくて、好きな相手といて安心して、満たされるような関係に。
Posted by ブクログ
なんて、面白いんだろう。
まさに自由を体現している。
そんな超陽キャな性格の張子に惹きつけられる!
張子、最高すぎる!
こんな姑がいたら、人生楽しいだろうなぁ〜
嫁姑を超えた、新たなマブダチという関係性になるのがいい。
こんな人と仲良くなりたいな◎
会話のテンポも良く、一気読みしました。
結婚や子どものこと。そして、生き方についても考えさせられる1冊。
Posted by ブクログ
Audibleにて。この小冊子のシリーズはさらっと楽しめる本が多くて好きだけど、この本も短いながら面白かった。ぶっとんだかーちゃんの描写や発言が耳に心地よく気持ちよくWalkingできた。かーちゃんの息子の嫁が語り手となるが、その嫁の元旦那とのDVとか壮絶な過去からの立ち直りという思いテーマも吹き飛ばせるような痛快な作品に仕上がっていて気に入った。