あらすじ
彼女は私の親友で、私の男の母親……「私たちが轢かなかった鹿」
身ごもりたい女と、身ごもることを許されなかった女……「不幸の****」
不治の病を宣告された夫の心配と妻の気遣いの掛け違い……「犬の名前」
頭かペニスか――家出した娘と愛人との間で揺れる男の天秤……「つまらない掛け時計」
大雪の日、老作家と元担当兼愛人が住む古民家へ迷い人が……「小説みたいなことは起こらない」
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Posted by ブクログ
私たちが轢かなかった鹿
なかなか忘れ難いタイトル
もっと続きが読みたかったけど短編だった
そして不幸の****は全然面白くなかったからさらにがっかりしてもう義務感で読み進めたけど、つまらない掛け時計の「一ノ瀬郁佳」が最高に荒野節が炸裂しててよかった
Posted by ブクログ
同じ出来事を、関わった二人の視点から描く」連作短編集。表題作の「私たちが轢かなかった鹿」を中心に、現代社会に生きる男女の「ズレ」や「エゴ」を鋭く描き出しています。
表題作「私たちが轢かなかった鹿」は、杏子はある日、長年の親友である真弓が、自分の息子である晴と付き合っていることを知る。母親としての嫌悪感、女としての嫉妬、そして「親友の息子」に手を出す側の心理。タイトルの「轢かなかった鹿」は、決定的な破局や惨劇を間一髪で避けているようでいて、実は内側から関係が腐敗していくような、静かな不穏さを象徴している。井上荒野作品らしい、「綺麗事では済まない人間の業」がこれでもかと詰め込まれた一冊です。
読み終えた後、自分の隣にいる人や親友の顔をまじまじと見て、その内面を想像して怖くなってしまうような、劇薬のような短編集。
個人的には、小説みたいなことは起こらないが面白かった。