あらすじ
彼女は私の親友で、私の男の母親……「私たちが轢かなかった鹿」
身ごもりたい女と、身ごもることを許されなかった女……「不幸の****」
不治の病を宣告された夫の心配と妻の気遣いの掛け違い……「犬の名前」
頭かペニスか――家出した娘と愛人との間で揺れる男の天秤……「つまらない掛け時計」
大雪の日、老作家と元担当兼愛人が住む古民家へ迷い人が……「小説みたいなことは起こらない」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
男性から見えない女性の感情が噴射する短編小説。不可解な行動も、見栄、マウント、焦り、欲から起こるとこに共感。
これはまさに精神グロだ。
特に「私たちが轢かなかった鹿」、「不幸の****」が面白い。
装丁が美グロなのも好き。
Posted by ブクログ
unextで無料で読めたラッキー✌️
視点変えて答え合わせしてくれるの助かる
私にはまだ早い世界の話だったり急にミステリっぽくなったり、とにかく面白かった
Posted by ブクログ
忌憚なく、人間の性をリアルに描く筆力は秀逸。頁を捲る手が止まらない。二人の視点で、同一場面を活写する試みも面白かった。滑稽で食えない人々の真実が暴かれる五話収録。
Posted by ブクログ
二つの視点からとらえた同じ日常が5話。同じ出来事なのに、他者目線になると、こうも話が変わるものかとハッとさせられる。相手との思い違いもさることながら、相手と同じ方向性と安堵していたことにも乖離があることに気づかされる。むしろ、自分以外の他者と共有した経験が、同じように理解されることなどあり得ない方が当たり前なのだろう。
大人の女性の恋愛観×二つの視点という新しい展開が面白かった。
Posted by ブクログ
10年前くらいのアメリカドラマ、「アフェア情事の行方」を思い出した。小説でも映画でもみたことがある構成なのかもしれないが、他人を覗き見るという行為を体験できる読書体験ができる小説は最近少ない気がするするので、とても面白かった。NHKあたりで逆に表現を若干柔らかくして、ドラマ化してくれないかな、と思ったりします。
Posted by ブクログ
表題作と、最後の「小説みたいなことは起こらない」が面白かった。
どの小説もこんな風に登場人物それぞれの視点で書かれていると分かりやすいのに。
男共が皆どうしようもない。
Posted by ブクログ
短編集ですが、前半と後半で登場人物の視点が変わります。後半パートが若干ネタバレみたいな構成として楽しめます。まったく同じセリフを別人の視点から読むとと意味が変わってきます。どの章も面白かったです。歳の差カップルの話が多いのはなぜだろう...
こういった「別視点系」の話を読むと、「主人公は自分だけじゃない」ことを改めて考えさせられます。
誰もがそれぞれのストーリーを生きていて、コミュニケーションにおいて相手の立場に立つというのは、そういうことなのだと感じました。
Posted by ブクログ
どの短編も読んだ後に残るゾワゾワした感じ。
5篇の短編どれもが同じ出来事を2人の当事者の視点から描いている。
同じ出来事の中なのにそれぞれ掛け違っている違和感に読んでいて惹き込まれる。
表題にもなっている短編『私たちが轢かなかった鹿』。
22年来の親友(52歳)が息子の恋人という立場になり家に遊びに来ることに。
そこで夕飯に出てきた薪ストーブで煮込まれたアイリッシュシチューが美味しそうでレシピ検索。
シグノというワインも気になるし茸のオムレツも食べたくなってきた。
この短編の最後、鹿肉の表現がそう来るのかとゾワゾワなりました。
Posted by ブクログ
ひとつの出来事を、異なる二人の視点から描く物語の短編集。
【私たちが轢かなかった鹿】
26歳の息子・晴(はる)が自分と同じ52歳の親友・井出真弓と付き合っている。親友も息子も失ったように思う、海堂杏子。
一方、晴と一緒に杏子の家に来た真弓は、子供のような男と引き換えに親友を失ったように感じ始める。
連作かと思ったら、一作ずつ別のお話でした。
この続きがあったら、親友が自分の大切なものを次々と奪っていく〜!となるのでしょうか?
夕食の料理がすごくおいしそうでした。
【不幸の****】
セレブ奥様、ヤケクソの「****!」
【犬の名前】
痔だと思ったら、まさかのがん疑惑。世界が自分を捨てようとしていると感じる圭介と、夫に捨てられたように感じる妻の萌子と。
人間の感情って・・・走り出したら止まらないのかも。何か食べたいものがあって、食べられそうな時「すっかり○○の口になってる」と言うが、そういう感じかもしれない。
【つまらない掛け時計】
自分がイケオジだと自負している大学教授。著書が話題になり、ワイドショーのコメンテーターも務めている。
妻を「凡庸」だと蔑んでいる。
この大学教授のキャラクターが、におい(加齢臭!)まで感じられるほどリアルに想像できる。
【小説みたいなことは起こらない】
別荘地に住む、退屈しきった47歳ちがいの女と男。
大雪で停電になった。そこへひとりの男が助けを求めて飛び込んでくる。
佐々木の章があったら、どんな感じだろう。『注文の多い料理店』みたいな?
佐々木さん、逃げて!逃げて!
Posted by ブクログ
一つの出来事を別々の人物の視点から描いた短編集
同じ出来事なのに当事者が変われば見方も変わる
最後のお話『小説みたいなことは起こらない』は、雪で閉ざされた別荘が舞台
静かな語り口で綴られる物語は、美しくも不気味だ
井上荒野の世界観は癖になる
Posted by ブクログ
短編集。容赦なく心をザワつかせてくる、荒野さんらしい短編だと私は思っている。
『私たちが轢かなかった鹿』
友達が息子の彼女ってどういう気持ちなんだろう。想像もつかない。でも決して良い気持ちではないと思う。友達の方だって、堂々と自分が彼女だと振る舞いながらもどこか後ろめたいのか、ずっと杏子の機嫌を伺っている感がある。この叫び出したくなりそうな関係性、私だったら逃げ出すだろうな。
そして、息子の存在も気詰まりだった。まるで杏子も真弓も、息子がこの場にいなければいいのにと心の底では思っているかのようだった。うん、やっぱり私だったら誰の立場だったとしても、この場居たくない。
『犬の名前』
もういっそのこと圭介、病気だった方が良かったんじゃないかと思うほどの後味の悪さ。
本当に人間って汚い部分を持っていると思う。パートナーが死ぬかもしれないのに、自分が寂しくなることの方が心配だったり、死ぬのは嫌だけど一人取り残されるはマシだと思ってみたり、なんか…結婚しても最後はこうなるのかな。実際、私の夫も「絶対先に死ぬ」と公言して酒も煙草もガンガンやっているし…。こういうところ、モヤッとする。来月から煙草はやめさせよう(笑)
この夫婦、モヤモヤ感を抱えたままこの先生きていくんだろうな。キツそうだな。
『小説みたいなことは起こらない』
読んでいる間中、ずっとタイトルが頭を過ぎる。今はもう書いていない、老婆と言える年齢の小説家と若い男性のカップルという組み合わせだけでも、小説みたいな話だとは思うが…。とにかく、彼らが想像しているようなことは起こらないんだろうと思ってこちらは読んでいるので、話の落とし所が全く掴めない。
小説のようなことが起こらなかったことが理由となり、劇的な事件が起きようとしているラストには結構驚かされた。
Posted by ブクログ
すぐさま突飛な何かが起こるという訳ではない。
けれど文字を追うことを止められない。
荒野さんの文章にはそういうところがある。
上っ面ではない言葉たち。目が離せない強かさ。
出来事を、違った人物の視点から捉える。
最後の章は少し怖かったかも。
Posted by ブクログ
親友の息子と付き合っている女や、不倫らしき現場に居合わせてしまったハウスキーパーの女など、ドロドロな男女歓迎を視点の違う2者からそれぞれ描いた短編集。後半が解答編のようになっている構成が面白くイッキ読み。
Posted by ブクログ
5つの短編集で、それぞれ同じストーリーを二人の違う視点から描いているのが面白かった。
小説家とか、不倫とか、歳の離れたカップルとか、一部筆者の周りで起こったノンフィクションだったりして、、と勝手に想像しながら読んだ。
Posted by ブクログ
私たちが轢かなかった鹿
なかなか忘れ難いタイトル
もっと続きが読みたかったけど短編だった
そして不幸の****は全然面白くなかったからさらにがっかりしてもう義務感で読み進めたけど、つまらない掛け時計の「一ノ瀬郁佳」が最高に荒野節が炸裂しててよかった
Posted by ブクログ
同じ出来事を、関わった二人の視点から描く」連作短編集。表題作の「私たちが轢かなかった鹿」を中心に、現代社会に生きる男女の「ズレ」や「エゴ」を鋭く描き出しています。
表題作「私たちが轢かなかった鹿」は、杏子はある日、長年の親友である真弓が、自分の息子である晴と付き合っていることを知る。母親としての嫌悪感、女としての嫉妬、そして「親友の息子」に手を出す側の心理。タイトルの「轢かなかった鹿」は、決定的な破局や惨劇を間一髪で避けているようでいて、実は内側から関係が腐敗していくような、静かな不穏さを象徴している。井上荒野作品らしい、「綺麗事では済まない人間の業」がこれでもかと詰め込まれた一冊です。
読み終えた後、自分の隣にいる人や親友の顔をまじまじと見て、その内面を想像して怖くなってしまうような、劇薬のような短編集。
個人的には、小説みたいなことは起こらないが面白かった。
Posted by ブクログ
同じ出来事を二人の当事者の目線から描く5つの短編集。
どれも登場人物は少なく、視点の二人の他にキーマンとなるもう一人の存在が。その人物が絶妙な役割を果たす。
親友だったり、夫婦だったり、愛人だったり、互いのことをわかったつもりでいてもその胸の内はわからない。
その隠された本心を覗き込んだ結果の気持ち悪さが満載の短編集。これぞ井上荒野作品って感じ。
特に好きなのは表題作「私たちが轢かなかった鹿」と最後の「小説みたいなことは起こらない」。怖い。
Posted by ブクログ
同じ出来事も視点が変わると見え方が変わってくる。
それらの視点の差が、
性別、年齢、
というわかりやすい構図で描かれているので理解はしやすいが、
性別や年齢に対するステレオタイプに感じなくもない。
表題の「私たちが轢かなかった鹿」についての文章が、
取り返しのつかない選択について、what if..を考えることで、より絶望的に感じられて、好きな文だった。
Posted by ブクログ
最初は『ん、だから?』という感想でしたが、
ラストの話が最後の最後で『えー!』となりました。
同じストーリーを三者それぞれの視点で描かれているのは面白いですが、同じストーリーを3回繰り返えして読むのは飽きっぽい私にとってはちょっと苦痛でした。
Posted by ブクログ
一つの事象を2人の目線で語られていく短編集。
人間はお互い何を考えているのかわからないし、友達であろうが親友と呼び合える仲であろうが家族であろうが、結局のところ完全に分かり合えるわけがない。
ちょっとした認識のズレが、日常を破滅に向かわせてしまうほど脆弱性は様々なところに潜んでいて、何気ない一言や仕草や態度や行動が、修復不可能な致命傷を作ってしまう。
咄嗟に取り繕った建前と本心との乖離に自分で自分を見失うかもしれない。
死期を悟って何かが変わったり、その人を見て価値観が変わったり、今までの自分の考えや生き方に疑問を抱いたり、考えることをやめてしまったり、生きることをやめたくなってしまったり。
様々な感情をかき混ぜられました。
Posted by ブクログ
「私たちが轢かなかった鹿」は、好きなストーリーだった。親友同士のそれぞれの立場から見ている状況だってだけど、息子さんの立場からどう見ていたのか?が一番気になるところ。母親と恋人よりも生きづらさを一番抱えていそうな人物だったから。
Posted by ブクログ
キてるね。井上荒野作品には「日常のなかの不穏」のイメージを持っていたのだが、もうこれは日常を逸脱しているだろう。同じストーリーを違う二者からの視点で追う構成で、これはこれで面白かった。相手が何を考えているかなんて相手にしかわからんっちゅうこっちゃ。お気に入りは『私たちが轢かなかった鹿』→私の息子が私の親友と恋仲に!ペタジーニか。『犬の名前』→これが一番日常感があり、なおかつオチもしっかり落ちて面白い。
Posted by ブクログ
2人のそれぞれの視点から対比させるような形で構成されていて、
どの話も纏わりつくような粘つくような読後感
その先を考えるのもよし、深堀りするのもよし
なかなかに後味残る作品
Posted by ブクログ
すいすい読み進められた。ひとつの事柄をふたりの目線からそれぞれ語る感じで、こういうの好き〜と思いながら読んだ。表題にもなっている最初の話がいちばん好きだった。
Posted by ブクログ
「私たちが轢かなかった鹿」「不幸の****」「犬の名前」「つまらない掛け時計」「小説みたいなことは起こらない」
一つの出来事を当事者2人の視点から描いた短編集。
どれも禍々しいというか当事者2人の毒気に当てられました。
表題作が良かったかな。