あらすじ
商店街の一角にぽつんとある、元・文学スナック、現・惣菜屋「真実一路」。
町内でいま話題をさらっているのは、その店のママ・愛里須とその夫で売れない小説家・治の行方。
ある人によれば、円満離婚したらしい。
別の人によれば、妻が甲斐性なしの夫に三行半をつきつけた、という。
また他の人いわく、夫が恐妻から逃げ出した、と。
邪気のない噂が邪気混じりの噂を巻き起こしていくーー急な閉店と夫婦の蒸発についての真相とは?
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Posted by ブクログ
主人公は売れっ子小説家の女性。同期の売れない男性小説家が行方不明になったと、共通の担当編集者から聞かされたあと、その男性作家から未発表の原稿の束が送られてきて…
男性が書いた作品と、それに感化されて女性が書いた作品、いくつも出てくる劇中作品が面白かった。特に男性の作品の登場人物は、彼の実際の家族やご近所さんがモデルになっていて、その人たちも(劇中作ではなく)本編に出てくるので、現実と虚構を行ったりきたりで、若干混乱しつつも楽しめた。
ただ、ラストが自分の想像とはまったく違っていて、中盤が面白かった分、物足りなく感じてしまった。
Posted by ブクログ
寺地作品全部読んでるわけじゃないけど、今回何か雰囲気違った。作中作の「令嬢ルミエラ」が好き。"美しくない人間はいない"と言い切る滝谷が良い。
Posted by ブクログ
本屋さんで平置きしてあった絵柄と
タイトルでなんとなく手に取ってみました。
以前「カレーの時間」を読んだことがある
作者だったので読みやすいかと思ったら・・・
あれっ?ちょっと読みにくい?本編と
本編内の小説があるからなのか理由はよく
わからないけどなんとなく読み辛さがあった。
そして気になったのは他人が言う
「そういえば最近」って何なんだろうな?
聞いてほしいのか伝えなければならない事
なのかただ雑談の中の話のきっかけの
冒頭なのかはわからないんですが、作中で
他人からあんな風に切り出されたら
わたしだったらすごく気になっちゃいます。
なのであとで言った人との温度差に
瑠依が拍子抜けする感じに共感しました。
ただただ踊らされていた感のある瑠依に
同情しつつも作家って色々と身を削っている
職業なんだなと改めて思いました。
そして・・・「モチラ」って何~って
思ってたら最後にちらっと出てきて
それをみたらなんかかわいかったので
まぁいっかぁ~となりました。
Posted by ブクログ
小説家が、消息を絶った同期の小説家・谷川の行方を辿っていくお話。
谷川の書いた私小説や、彼の妻が町内会の会報に書いた文章を読みながら、行方の手がかりを掴もうとする。
作中作が5作入っているので、短編集みたいな読み心地だった。
彼らの行方の結末は、拍子抜けするような形で解決するのだけれど、現実はそんなものだよね。と納得。
小説家が作品を書くことの責任や影響、それに対する評価とどう向き合うかが、リアルに描かれている。
これも「小説」という体をとっているので、全てが寺地さんの考えではないのかもしれないけれど、寺地さんが持っている、小説を書くことへの想いが滲み出ているように感じた。
Posted by ブクログ
そういえば最近彼・彼女はどうしているか?
そう考えること誰にだってあると思うんです。
そんな時聞いた噂話を信じるか、信じないか。
瑠依はその真相を突き止めようとする。
連絡がつかないなら縁の切れめではないんだな…としみじみ考えしまいました。
そしてものすごく仲良し!ではないけれど、独特な距離感をもつ関係性に興味が湧きました。
また作中瑠依と谷川の作品が交互にでてきますが、個人的に好きだったのは「令嬢ルミエラ」です。瑠依と谷川の話からは少しだけ外れているかもしれませんが、女性の服が好きな滝谷が
ぼろぼろの状態でやってきたマネキンを綺麗にする。きっとルミエラは最後の力で滝谷にお礼を言って踊りに誘ったのかな…と。
美しい尾ひれと呼ばれたこの谷川の原稿が作中でとても好きでした。