あらすじ
相田愛奈は、正しいことがなにより強いと信じている。無職の彼女の銀行口座には、幸運に得た約2億円があるにもかかわらず、節制した生活を続けている。その一方で、福祉団体等には多額の寄付をしていた。
そんな愛奈のもとに、無職かつ浪費家の従姉妹・忍が転がり込んできた。さらに、Amazonの<ほしい物リスト>で約3万円分の品を贈った相手から、お礼らしいお礼がないことに愛奈は気づく。
なぜ? どうして? 数々の出来事が正しさセンサーに引っ掛かり、悶々とする愛奈の日々が始まった。
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Posted by ブクログ
人に施しを与えること、それに対して見返りを求めること。
正しさとは何か、正しいことが正義なのか。
このあたりのテーマについて描かれていて、めちゃめちゃ面白かった!!
SNSの普及によって正しくない人が詳らかにされ、糾弾されるような世の中になった。みんなが相互に正しくない人がいないか目を光らせているようで、非常に窮屈さを感じる今日この頃。
私もかつては愛奈のような真面目ちゃんタイプの人間だったのだが、社会人になってかなり変わった。
どこまでだったらリスクを許容できるのか考えながら、一定のリスクを飲んでグレーを許容すること。
正しさだけを拠り所にして正しいもの以外は即拒絶するような姿勢は、人としてあまり評価されなさそうだし、とても生きにくいんじゃないかなぁと思う。
また、施しと見返りの話について。
施しをしてくれた人が見返りを期待することは正しいのか。
個人的にはお礼をするのは当たり前だと思いつつ、人によって温度感は違うし、それが生活に必要なものか、嗜好品なのかによっても判断が変わりそうだなぁと思う。
最終的に愛奈はかなりいろいろな人に物を与えまくっていた。
もちろんお金は有限なので、かなり危うい行動のように見える。
彼女なりの正しさを追究する過程なのかもしれないが、人に与え続ける日々の中で、彼女は何かに気づくことができるのだろうか。
Posted by ブクログ
コンセプトのとおり、読みやすくて楽しめた。
お金の使い方について描かれていて、以下のような点が面白いと思った。
・あげたい人ともらいたい人
・あげる(あげっぱなし)/もらう(もらいっぱなし)のバランスと居心地の悪さ
・推しを(お金を使うことによって)推すこと
・お金を持つことで得られる強さ(いくつかの選択肢の中から決断できる。他人の行動に口出しできる)
・コロナ禍で発生した経済的不公平、不均衡
また、主人公が大事にしている「正しさ」がコロナ禍でなお発揮されているところで、当時の息苦しさをありありと思い出した。
主人公の最後の爆発するような浪費には、ぞっとしてしまった。
「まだ1億5000万ある」という最後の一文はどういうことだろう。