あらすじ
珊瑚の女王を殺したのは、
誰なんだ?
9人全員何かを隠している
白珠湾の海を守るーー生まれ故郷の海を愛する母と、
国際協力事業団で海を守る仕事に就く父を見て育った
浜崎朔也は海洋学部で学び旅行代理店を経て、満を持して
ウェルネス・ツーリズムの会社「海の王国」を興した。
幼い頃からの夢がようやく形になりかけた矢先、悲劇が起きる。
第30作にして新たなる挑戦――究極のブロマンス・ミステリ
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Posted by ブクログ
海の王国 ロブスター編〉 たった一〇分のビデオ。
珊瑚の女王と騎士たち。
父の所属先は国際協力事業団で、海洋環境保全のための調査員をしていることを知るのだが、ぼくは学校などで父親の職業を訊かれると、父から教えられた通りに答えていた。
母が亡くなって一年後、父は再び日本を離れることになった。
ぼくは元樹を守るのだ。 父さんが帰ってくるまで、とは二年の予定のはずだったのに、永遠となってしまった。 父の死後、「海を守る仕事」は父の職業から、ぼくの将来の夢へと変わっていった。
「ここから、沖の小島、玉島まで、どっちが速く泳げるか競争しよう。勝った方は一つだけ、海に関係することで、好きな命令ができる」 ぼくがそれに勝てたことになったのは、南の島の海で、遠浅の海岸をあなどっていたら危険な目に遭うことを知っていたから。
ぼくが海の騎士なら、翔に沖までの遠泳が危ないことを伝え、勝負を受けないか、安全な形での別の提案をしなければならなかった。だから、勝負は引き分けだ。ぼくは翔に命令なんてしない。 その話をすると、翔はビデオを見たがった。
高校は、ぼくは普通科、翔は工業科と、別々の学校に進学した。部活は、杉浦先輩や凪先輩のいる剣道部に入った。元樹も汐音ちゃんも中学生になった。二人も、もちろん剣道部だ。
ぼくはS大学海洋学部海洋理工学科に進学した。 進路選択の際、改めて、自分の役割を考えた。海を、そして城を守るために。母の散骨の日のことを思い出した。父が叶えられなかったこと。ばあちゃんを海の城に案内すること。まず、必要なのは機材やタンクの軽量化だ。そのための素材の開発。金属アレルギーの元樹も扱えるものなら、なおさらいい。
九人の騎士は揃った。
死体。発見者は、漁師を営む潮見勝馬さん。漁に出るため港を訪れたところ、海面に人のようなものが浮いているのを発見し、松ヶ崎警察署に通報した。 遺体の身元は同市在住の、浜崎朔也さん(三一歳)であることが判明。
遺体発見同日の午前三時に、複数の知人宛てに同じメッセージを送信していることが確認された。 海の騎士たちよ、珊瑚の女王はなぜ死んだ?
太平洋沖で、海上保安庁の巡視船により、汐音の遺体が発見された。 死因は、溺死。
汐音は珊瑚の女王。
洲原壮一、罪を犯している。
海野健斗も罪がある。
船舶免許を取って朔也や翔の力になってほしい、と頼まれた。 言われるまま、ぼくは免許を取得し、ダイビングツアーで船の操縦を担当する機会も増えていった。翔さんや朔也さんのサポートで、けっこう、自信を持てるようにもなった。
水元亮司。
俺は〈希望号〉が燃えたときの祖父について知らなければならないと思った。想像だけで、かわいそうだと同情されることなど、天国の祖父だって望んでいないはずだ。そして、見つけ出した。 火事のあと、祖父が潮見勝馬宛てに書いた手紙を。
潮見翔。
少年院から戻ってきたおれに向けた親父の目からは失望しか感じ取ることができなかった。ガキの頃から勢い余って教室の窓ガラスを割ったり、体育館裏で勝手に野良犬に給食の残りを与えたりして、親父が学校に呼び出されることはしばしばあったが、その帰り道でも、一度も見たことのない目だった。
東京に戻って火事のときのことを調べてきた亮司から、親父は火事の翌月には、船を手放す手続きをして、前金として得た全額と謝罪の手紙を、加賀亮太郎宛てに送っていたことを聞かされた。
「このあいだ、ケン坊がタンクお披露目会の日のことを打ち明けてくれたとき、風が冷たくて、汐音ちゃんはベンチコートを着ていた、って言ってただろ。せめて、あのとき、このメッセージを思い出さなきゃならなかったんだ。それを、親父が立ち直って、ようやく自分の過ちに気づくなんて。おれがメッセージを伝えてりゃ、事故を防げたかもしれないのに」
あの日、ヨットハーバーに向かったのは、港から遠目に火が上がっているのが見えたから。
元樹の顔が浮かんでいた。こっそりタバコを吸いたいという元樹にヨットハーバーの鍵を渡したのは、本当の目的がタバコでないと顔に書いてあったからだ。
到着すると、そこにいたのは朔也だった。
元樹が鍵を持ってきてくれたから、本を読んでいたんだ、うちからキャンドルを持ってきて。
潮見翔「朔也は家に帰れ。俺がタバコを吸って、火の不始末を怠ったことにする」
海の王国のため。ここで朔也が躓くと全てがパーになる。俺は高校を退学になっても漁師になれる。
火がついた原因は朔也ではなかった。朔也も誰かを庇っていた。
杉浦航生。
元樹、ロウソクは汐音ちゃんの誕生日を祝うため。ヨットハーバーに汐音を呼び出した。告白したが、ふられる。汐音が誰を好きかは分かっていたから、キューピッドになることにした。ロウソクを消し、兄、朔也を呼びに行った。ライターはロウソクの横においたまま。
朔也は元々、ロウソクで読書をしたいとラマンチックなことを言っていたので、ロウソクは用意したからと言った。
朔也は元樹がロウソクに火をつけたまま来たと勘違い。かけつけたとき、ヨットハーバーは無人だったから。
火事のあとから、汐音の様子がおかしくなる。
元樹がヨットハーバーから帰ったあと、朔也を待っていた汐音はつけていたイヤリングがないのに気づいた。それでロウソクに火をつけて探した。そして、火がついた。
携帯電話を持っていないから、公衆電話を探したが見つからなかった。あとから朔也と潮見翔が来たが、怖くて自分がやったと汐音は言えなかった。中学生の汐音には。
潮見翔がその真相を聞いたのは汐音が大学4年。
朔也、病気で長くは生きられない。それを汐音にも打ち明けていた。
浜崎元樹。
ヨットハーバーでの出来事。告白したとき、いい雰囲気だから、汐音にキスしようときた。しかし、ビンタで反撃され、我に返った。そのとき、汐音のイヤリングが片方ないことに気づいたが、言わなかった。あのとき、一緒に探さていれば。
昔見せてもらった海の国のビデオ。その白珠湾バージョンを作らないか。珊瑚の女王は汐音ちゃん。その横に白い騎士の兄、朔也。
散骨の前に、朔也がみんなに残した手紙があるのをみつけた。
過ちを犯すのは仕方ない。その後、どうやって生きていくかだ。
罪を告白できなければ、悔い改めることもできない。
朔也はみんなの重しを外して、前に進んでほしいと思った。
〈海の騎士たちよ、珊瑚の女王はなぜ死んだ〉
そのメッセージは全てを見越してのことだった。
→うーん。ミステリ的に、序盤で掴むために意味深なことを言ってるだけでしょ。ミステリでよく感じる、ミステリ的にしなきゃならないから話が不自然になる的な。。
朔也はみんなに海の王国の欠片を託した。
朔也と汐音の遺骨の入った箱。
これは結婚式だな。
二つの箱がゆっくりと海に向かっていく。
あとがき、もしくは序章。
海の王国のビデオ。
青の騎士が元樹。白の騎士が朔也。
→全体的にミステリ色は少ないかな。
帯にブロマンスミステリと書いてあったが、ブロマンスみはあまり感じなかった。汐音がいるし、それを巡った話もあるし。
朔也と汐音が亡くなった原因が、いまいちはっきりわからなかったが。。朔也は病死??汐音は精神安定剤とか飲んでたから、事故死?? 再読するか。でも、湊かなえのことだから、いずれドラマ化や映画化されるでしょう。その時に理解でもいいかな。
似たようなタイプとしては、貫井徳郎の不等変三角形かな。それぞれの視点で語られて、みんなそれぞれ嘘とか隠していることあって、最後に真相が語られる。個人的には貫井徳郎のほうがよかったが。。湊かなえの王国は、登場人物が多いのが欠点かな。把握がわからなくなってくる。。
Posted by ブクログ
朔也の父と母はダイビングで出会いS県松ヶ崎市の白珠湾の海底に「海の王国」があり、そこに母は散骨された。父はダイビングを医療やカウンセリングに利用する機材を開発しようとしていたが、海洋調査中に行方不明になり、3歳年下の小1の元樹とばあちゃんの三人で暮らす。元樹は小麦アレルギーと金属アレルギー。
父親は海を守る仕事をする傍ら、劇も演じていた。海の底の王国を守る九人の騎士と珊瑚の女王。騎士は父親が演じて女王は母親が演じる。
ばあちゃんの孫の翔がレッドで弟の元樹がブルー。
水元は翔のバイト先の有名俳優の孫で映像撮影が趣味。各色のミサンガを作るオレンジの騎士でアメリカで映像を学ぶために松ヶ崎市を去る。
壮一の父親にダイビングライセンスを取得させてもらい、白珠湾の清掃ダイビングに参加する。大学に進学しダイビング機材の素材(長時間海水に付けると個体が粒子状になる)を淳と開発する。
そしてダイビングの会社海の王国を作った。
で、朔夜の溺死体が発見される。珊瑚の姫を殺したのは誰だ?と騎士たちに送信されていた。
汐音は新型軽量タンクお披露目会の中で海中で行方不明になり三日後に機材をつけていない状態で溺死体として発見された。
Posted by ブクログ
ブロマンス×ミステリー
恥ずかしながら「ブロマンス」の意味を知らなかったので、読み終わってから確認。
「brother(兄弟・男友達)」と「romance(ロマンス)」を合わせた造語で、男性同士のごく親密だが性的ではない関係や、そのような友情を描く作品ジャンルを指す言葉。とのこと。確かにこの9人の騎士たちはブロマンスにピッタリ。
湊かなえさんのイヤミスが大好きな自分としては、ミステリーってことで、色々な展開を楽しみにしすぎていたから少し最後は物足りない感もあったのが正直なところ。
だけどやっぱりこれだけ登場人物が居てもそれぞれにちゃんと個性があって、それぞれに感情移入できるし、描写が頭の中で鮮明に想像できるのは、湊かなえさんだからだなって思う。湊かなえさんの描く文章が好きだなーって改めて感じた一冊だった。
海とは縁がない地で生まれ育ったので、ここまで全力で海を愛せる男たちに憧れるな。