あらすじ
700万人に影響を及ぼした現代文カリスマ講師による
人生を変える「美しい日本語」の授業。
私たちはふだん日本語を意識することはありませんが、私たちが想像している以上に日本語は重要です。
とくに「美しい」か「美しくない」か、これが重要なのです。
なぜなら「美しい日本語」を身につけた人の言葉は、心の奥深くに響き、人を動かす力がありますが、「乱れた日本語」で話をする人の言葉は心に響かないからです。
私たちは、人とうまく話せない、プレゼンができない、仕事で成果が出ないなど、数々の悩みを抱いています。
そしてそれらを解消するとうたった本はたくさんありますが、本当に改善することはなかなかありません。
なぜなら、私たちが毎日使っている「日本語」の使い方を変えないと、そもそも伝えたいことすら伝わらず、
その結果、会話もプレゼンも人間関係も、すべてがうまくいかないからです。
日本語が乱れたままだと、どれだけ会話やプレゼンのスキルを身につけようと、いつまでも悩みは解消されません。
しかし残念ながら、近年乱れた日本語を使う人が急速に増えています。
そんな時代だからこそ、「美しい日本語」を身につけることで人生を変えてほしいと、
出口先生がはじめて「日本語」について熱く語り尽くしたのが本書です。
「美しい日本語」に必要なのは「正しい日本語」と「感性」の二つだけ。
これは決して難しいことではありません。
日本語の文脈を理解し、自分なりの言葉で伝えることを意識する。それだけで誰でも日本語は美しくなっていくのです。
さらに本書では、そのために必要な「日本語の練習問題」を61問厳選して掲載しました。
日常生活でついつい誤用してしまいがちな「敬語」の問題をはじめ、梶井基次郎ら近現代の小説や短歌、童話を引用した問題など、
日本が誇る名文に触れながら、同時に日本語が美しくなる一冊となっています。
日本語が変われば、その人の内面にも変化が訪れ、人生が大きく変わります。
これまで第一線で長く現代文を教えてきた出口先生だからこそ実現した、読むだけで楽しい日本語の練習問題。
ぜひご覧いただき、身も心も言葉も美しくなるのを体感してほしいと思います。
(本文より)
問題6 次の選択肢の中で、最も適切な敬語表現を選びなさい。
ア 先生がお話しになりました。
イ 先生が話をしてくださいました。
ウ 先生がお話ししてくださいました。
(答.イ)
*目次より
第1章 敬語で誰にでも好かれる人になる
第2章 主語と述語を「正しく」把握する
第3章 接続語で文脈力を鍛える
第4章 感情や意思を伝える表現を身につける
第5章 五感を言葉に取り入れて表現する
第6章 擬音語や比喩を使いこなす練習問題
第7章 総合問題
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
正しい日本語の上に、日本人としての正しい論理が成り立ち、それが日本人としての心につながる。
日本人として日本語にどう向き合うかを説きながら、日本語の愛し方を説くエッセイとして読める。
Posted by ブクログ
危機的な状況にあるという日本語の力をつけ、品格のある美しい日本語を取り戻したいという著者の想いが感じられる。
敬語、主語と述語、接続語、感性、五感、擬音語や比喩に関連した名文からの練習問題とその解説を読むことで、それなりには納得でき、力もついたかもしれない。
しかし、状況による敬語表現や感性の表現では解説なしには分からないものもいくつかあり、自分の日本語の品格不足を感じた。
14-85
Posted by ブクログ
実況中継の一般書版のよう。全61問。
正しい敬語や豊かな感性をみにつけるということ。感性を磨く章では、石川啄木、中原中也、梶井喜次郎をとりあげている。
意識しないとどんどん使っている日本語が崩れてきてしまう…
最後に、この本への想いを読んで胸が苦しくなった。わたしを含めどうかひとりでも多く日本語を豊かに使えますように…。
C0030
蔵書
Posted by ブクログ
大学受験の時は実況中継にお世話になりました。
本書は名文を読ませることがメインでサラッと読めます。もう少しテクニカルに文章を読みたい場合は実況中継がいいですね。
両書は受験生だけでなく社会人にもオススメできます。
Posted by ブクログ
「おわりに」で赤裸々に自分の子供のことについて話されています。そこで言語力を徹底的に鍛えてやらなかったことを後悔されています。このこと自体に間違いはないと思いますが、子供と対峙するためには、技術以前に大切なことがあります。それがないと、結局はうまくいかないような気がします。技術的なことの前に「伸びない子には訳がある~ベテラン家庭教師の家庭の処方箋~」に書かれているようなことが重要だと思います。
本書の内容とは関係ないことでしたね。
本は素晴らしいと思います。良書ですね。
Posted by ブクログ
ガガガッと刺激が身体に入ってきた。
刺激的な本だと思った。
過去の名文を沢山掲載し、解説されているという点が特に良かった。
普段普通に生きていたら、絶対に触れない表現だらけ。
ただし、敬語に対するスタンスは私の考え方と少しズレが有った。
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敬語や接続語や目的語の正しい使い方だけでなく、過去の名文を解かせ、解説するスタンスで、日本語の奥深さを教えてくれる。
日本語のポテンシャル、つまり伝えることのできる情報量の多さや、具体度や曖昧さが無限大であることを教えてくれる。
日本語の乱れは国力の低下を招く
と筆者は言う。
決して言い過ぎではないと思う。
私がそう思ったのは、乱れている人は考えてない人だと思うから。この部分で筆者とは考え方が少し違う。
(伝達手段としての日本語の使い方が下手だと、ミスリードが起こり、問題多発→やばいでしょ!の流れは完全に同意。)
本書では、のっけから敬語の使い方のレクチャーが始まる。しかし重要とは思う一方で、初っ端のスタンスは違うのでは?と感じた。
正しい言葉遣いよりも、まずは硬くならず、その場の雰囲気を感じること、そして考えて話すこそ大事だと思うから。
尊敬、丁寧、謙譲という種類が有ることを認識し、その場面ではどの種類を使うべきか、それを考えることこそ重要だと思う。
雰囲気を読み間違えないことと、(敬語をというより、)言葉のニュアンスを間違えないことの方が大事だと思っている。
ニュアンスが大事なら敬語は大事だろ!となると思いきや、少し違う。
必ずしも相手か正しい敬語(教科書に載っているような)を身につけている(読み取る能力が有る)訳ではないし、言葉は徐々に移り変わっていくもの。
コミュニケーションをとる人同士が気持ちよければ良いではないか。
そこに教科書に載っている正しい敬語が必要かというと、必ずしも必要ではない。
とはいえ、尊敬、丁寧、謙譲の言葉遣いをすぐに取り出せる道具になるまで使いこなせた方が良いのは間違えない。勉強しよう。
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と、つらつら書いたものの、筆者の言いたいこと、伝えたいことは素晴らしい。
また、敬語だけの本ではない。
もっと奥深い。
引用されている文章表現や、引用文献の筆者の時代背景をからめた解説など、とても刺激的で勉強になりました。
あとがきも。
熱がこもったいい本だと思います。
ありがとうございました。
Posted by ブクログ
「美しい日本語」について書かれた本。
センター試験の問題のような形式で実践的に日本語を学ぶことの出来る本。敬語や主語と述語のような文法的なことはそこそこ出来たけど、詩の解釈などは普段気にかけない部分なので難しく感じた。
中原中也の詩を中学か高校の国語の授業ぶりに読んだけれど、記憶にあるよりも美しかった。
夏目漱石の夢十夜も鳥肌が立つ程綺麗な文章だった。
名著に気軽に触れることが出来るのも良いと思う。
美しい日本語を使うのは、乱れた日本語がまかり通る中では気恥ずかしくもあるが、意識して身につけたいと思う。