あらすじ
7人に1人の児童が困窮し、ひとり親家庭はOECDで最貧困。日本は米国と並び最低水準の福祉だ。日米での児童福祉の現場経験をふまえ、理論・統計も使い、多角的に実態に迫る。
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Posted by ブクログ
2008年に初版の本。この時点では、社会全体に子どもの貧困問題への認識が広がっていないという記述があります。子どもの貧困について、この数年間の変化は大きいと思いました。
一方で、日本で実際に子どもの貧困の解決への具体的な手立てがとられてはじめているかというと、はなはだ疑問。
著者は日米での自身のソーシャルワークの経験と、子どもの貧困にかかわる調査研究をしょうかいしながら、子どもの貧困の事例や、原因、貧困のもたらす害悪、対策などについて記述しています。わかりやすかったです。
Posted by ブクログ
本書での筆者の一番の主張は、日本という国は子供の貧困率が高いにも関わらず、政府はそれを取り上げず、社会的ネグレクトを行っている、ということである。
私も本書を読むまでは、子供の貧困に対する問題意識は希薄であった。むしろ、日本は豊かな国で他国の子供の同情すらしていた。
外国のかわいそうな子、というような映像はTV等でよく流されるが、自国の問題はどの程度の意識をもって見ているだろうか。
本書ではデータの多面的な分析から、貧困が子供に与える影響や、経済的支援の効果がどの程度あるかを示している。
恐らく、筆者はこの書籍を通じて一人でも多くの市民の意識を改善するために執筆したと思われる。
御一読ください。