あらすじ
「クリック一つで大損失」の時代――事務作業者にはこれまでになく高い信頼性が求められている。新しい視点から「事務ミス」を分析し直し、「ミスに強い組織」を作る具体策を提示する。
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Posted by ブクログ
この方の本を読むのは2冊目です。いずれも「ミス」というネガティブに捉えられがちな題材でありながら、まったく暗くも重くもありません。
むしろ、わかりやすく、おもしろいのです。
以前読んだ同じ著者の『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』と重複する部分もありましたが、全体の7〜8割くらいは本書独自の内容でした。
とにかく、著者の知識は幅広く、時に現代の「ミス」とは無関係そうな歴史や古典文学の話が、しっかりと問題点に噛み合っていて、目から鱗が落ちることは請け合いです。
特に注目したいのは、最終章の「「ミスに強い」組織に変える」で、マニュアルや通達のあり方について詳細に書かれています。
この章に書かれていた改善例は、即実践できることばかりです。
Posted by ブクログ
タイトルにある「事務ミス」はいわゆるヒューマンエラーということになろうかと思います。IT化が進行した現代社会のなかにあって、やはり”人”による行為がゼロにならない以上、ずっとついて回る問題ですね。
本作では「事務ミス」が起こるメカニズムや対策についてさまざまな事例を取り上げ紹介されています。なかには”どこかで見たことがある”ネタがないわけではありませんが、多くの人にとって参考になる内容であることは間違いないと思います。
ただ、ここから読者各人が応用して自分の仕事に生かそうとすると、そこはまたハードルが高いのではないかと思います。仕事の状況って個人々々でさまざまですし、一般論として語るなら本作の内容の通りなのですが、これを個別の事象に適用する=この本で書かれていて●●は自分の仕事の■■のことである、といういわば”見立て”から入る必要があって、そう簡単ではないな、と…。
さらに単発の事象を解決できたとしても、仕事を続ける以上、新たな問題が発生することが考えられるので、恒常的に「事務ミス」を撲滅できる組織をつくる必要がある、などなど色々考えさせられる一冊でした。
Posted by ブクログ
ヒューマンエラーの専門家による、ミス防止の重要性について述べた本。論理的で例も適切でわかりやすい。説得力がある。印象的な記述を記す。
「解決策は、しばしば隠れていた別の問題を引き起こす」p75
「大規模システムは改造が極めて困難です。改造費用もさることながら、改造に伴う不具合発生のリスクが大きすぎるためです」p81
Posted by ブクログ
表を見やすく単純にすること、計画、作業は一本道にすること、等言われてみれば当たり前と思うことを、具体的に示してあり、助かる。結構これのミスが痛い目に会う遠因になっていた。再読し、しっかり学習しときたい。
Posted by ブクログ
論理的な事務ミスへの取り組みを分かりやすく説明しております!
ミスの多い方、ミスの多い組織に所属してる方、色々な知見が得られると思うので、是非手に取ってみてください!
しなくて済む方法を考える。
手順を変える。
道具、装置を変える。
やり直しが効くようにする。
致命傷にならないための備えを講じる。
問題を逆手に取る。
どれを選択するかはリスクによって決める。リスクは頻度と被害規模の掛け算。
防ぐために必要な能力。
異常検知力、やり直しがきく範囲で、異常に気付くチャンスを与えることが、ミス対策の最大の要点。
異常源逆探知力、
作業確実実行力、
ミスに学ぶのでなく、人に教えている時に学ぶ
Posted by ブクログ
色々な改善や再発防止策を実施しても、事務ミスを起こしてしまう人たちの思考や行動パターンを理解するために購入。
かなり納得感のある分析が書かれており、事例でさらに分かりやすい。
再発防止策を立てる方法なんかが載っており、事務作業員を動かす自分の立場からすると、かなりためになった。
結局のところ、うまい人員配置と横断的なチェック機能を設けるしかないんじゃないかという気がした。
また、事務ミスを起こす人起こさない人の違いは、マインドの問題という気がしなくもない。
Posted by ブクログ
仕事でのミスをなくそうと思い手に取った。これ読んでミスの根本を突き詰めていっていたら、自分の仕事に取り組む姿勢を見つめ直すことになった。年末にいい本と出会えた。
Posted by ブクログ
より実践的な「失敗学」という感じです。ただ確実に作業をやっていればいい時代ではなくなったという指摘には「なるほど」と思いましたが…なかなか大変な世の中になったものです。
Posted by ブクログ
これは監査人も必読ですね。
特にオペミスの原因と防止策の観点で。まあ、製造業などの経験があれば、どれも当たり前のような気もしますが。。。
ミスは能力不足からではなく、能力の副作用。玄人のミスも警戒すべし。
そして、生産管理でいうERCSの法則のような、ミスの解決策を考える6つの視点も基本的な見方として頭に入れておく必要あり。
Posted by ブクログ
工業系の現場では一般的に行われている事故防止の手法。
一方で事務系の仕事ではそのような手法があまり行われていない。
本書は、その「事務ミス」を減らす手法について述べている。
事務ミスについて書かれている本が珍しくて、手に取ってみた。
人がミスをするメカニズムは千差万別。
一方で正しいやり方は1つ、あるいは少数であることが多い。
マニュアル化をする際は正解が1つの場合はそのための手順を。
正解に幅がある場合は何が間違いかを定義する方法で手順を書く必要がある。
ミスが起こりやすいのは作業が初めての初心者の時と、作業に習熟した熟練者の時。
初心者のミスは軽微なものが多いが、熟練者のミスは大きな損害を出すことが多い。
→自己の防止に役に立つのは実際に失敗して痛い目を見た経験。
しかし、職場で実際に損害を出すことはできないので事故事例を使った訓練をすることが有効。
また、人に仕事を教えることも役に立つ。
教える際は初心者が「どのように考え」「間違えたか」を客観的に見ることで仕事の要点が整理できる。
通達を無力化する4つのない(ARCS理論)
①つまらない
②関係ない
③自信がない(理解できない・実施難易度が高い)
④楽しくない(実施した際の達成感がない)
Posted by ブクログ
【星:3.5】
内容はタイトルの通り事務ミスをなくすにはどうしたらよいかというもの。
そして、中身もさほど目新しいことは書いてなく、いたって平凡な内容である。
ただ、「ヒューマンエラー」全般について書かれた本は多いと思うが、さらに「事務ミス」に限定した本というのは以外に少ない。
そういった意味ではそこそこな本だと感じた。
Posted by ブクログ
◯事務によるミス、というか業務におけるミスを体系的に分析したもの。
◯個人的な印象ではやはり情報の整理と単純化が重要であるという認識で間違いなが、体系的に知ることができる、いわばミスの現象に名前がつくことによって、そのミスを検知する能力がつくような印象。
◯仕事において必要な、「.整理すること」の重要性を改めて認識させてくれる。しかしよくある新書である。
Posted by ブクログ
事務ミスのメカニズム、解決方法が具体的にかかれています。
具体的な事例が多いのでわかりやすいです。
ミスを防ぐには、作業実行力より異常検知力のほうが、重要です。
解決の6つの面
1しなくて済む方法を考える
2作業手順を改良する
3道具や装置を改良する、または取り替える
4やり直しが効くようにする
5致命傷にならないための備えを講じておく
6問題を逆手にとる
Posted by ブクログ
新書だから仕方ないか。
いつも事務ミスが非常に多い自分にとって、タイトルをみて即買いしたのはひさしぶりであったが、やや不完全燃焼の感が否めない。
しかしこの2〜3年くらい自分と周りのミスに悩まされたので、書式などで気をつけてきたことがそのまま出てきたので、ある意味自信にはなったが。
Posted by ブクログ
ミスの原因や間違えの種類について、パズルのような問題や具体例などをたくさんあげられていて、とてもわかりやすかったです。
書き漏らしの多くなる書類の形式や、ファックスの誤送信の対策など、その形式、やり方に慣れてしまっている人は気付きにくい、根本的なミスの原因、というものがあるのだと気づいた。そういうのに気づけるようになれば、ほんの少しの改善で、大幅にミスを減らせるのかもしれない。
と言うのは簡単だけど、なかなか問題は個別の状況がありすぎて難しいよね…
ただ「ミスの原因は不注意です」「対策は、これからもっとよく気をつけます」というのがよくないことはわかった。
Posted by ブクログ
仕事から事務のミスを取り除くテクニックやその体制づくりの方法論をテーマに、実際の事務ミスの事例を引用し、事務ミスとは何なのか、どうすれば防げるか述べられた一冊。仕事上の事務ミスは作業者の能力の優劣に関わらず発生するものであり、仕事には不確かさはつきものである。その不確かさを問題の無い範囲内に収め、体制を改革することが重大な事務ミスを減らすためには重要なのだという。事務ミスを減らすために最重要な能力は「異常検知力」。周りの変化に目を配り、異変の兆候を目敏く検知出来るような力を養っていきたい。
Posted by ブクログ
レビューが高かったから読む。読み物としては読みやすい。ただ使おうとすると、何をどうするかがあちこちに散らばってて、使いづらい。業務改善とかやヒューリスティックなどの分野の前知識がない人にはお勧め。
Posted by ブクログ
どうすればミスが防げるかを専門家の視点で事例とともに述べた本。
ミスが起こりやすい事象とその対応方法が説明されている。
How to が多かった部分もあり、参考とするために利用するためにはいいかも。
Posted by ブクログ
事務ミスの原因や対策を具体的な事例の紹介なども交えながら説明する本。体系的にまとまっているだけでなく、業務設計や業務改善の実務にすぐ役立つ内容。
Posted by ブクログ
ちょっとした工夫(フォームの配置など)でミスは対策しうる。そのヒントを与えてくれる一冊。詰めが甘くなる場合の対策として、達成感を保留するために実践されている事例が紹介されていたが、これが個人的には参考になった。
Posted by ブクログ
事務ミスについて定義するとともに、防ぐ方法にも踏み込み、体系的書かれている。ミスを防ぐ方法は、実務の場でも参考になりそうだ。
…ただ、残念なのが、本の中で「氾濫するダメ書式レイアウト」ー書式を改良して事務ミスを防ぐ、と説明していながら、本著のレイアウトが分かりづらく、美しくないこと。内容が良い分、本の中でも実践して欲しかった。
Posted by ブクログ
群馬県の県庁所在地は、「タカサキ」でしょうか「タカザキ」でしょうか?
正解はどちらでもない。答えは前橋市。
このように人は先入観で容易に間違える。
なぜ間違えるかというとこの例にわかるようにバカだからではなく実際には、それとは逆で、「人間の知恵が働きすぎたため、その副作用で間違える。
幸せな家庭はどれも似ているが、不幸な家庭はそれぞれの形で不幸である。(トルストイ)。
失敗への道は様々ありえるが、成功への道は一つしかない。(アリストテレス)
一般的に、ものごとの正しいやり方は一つ、あるいはごく少数しかありませんが、間違いの種類は様々ありえる。
これがミスを減らすのが難しい原因。
また、ある種の解決策は、しばしば隠れていた別の問題を引き起こす。「ライトついてますか」という本があったが。
だから一番いいのは「しなくて済む方法を考える」ことだ。
これならば事務ミスがおきない。
廃止案は問題解決の基本です。作業そのものを廃止すれば、そこにおけるミスの可能性もゼロになる。
そしてリスクが高い問題に対しては、たとえコストがかかっても抜本的対策を選ぶべき、
異常検知のために最も理想的な名前の付け方は、名が体を表すこと、すなわち〝名詮自性〟であることです。 「天ぷらうどん」は、実際に天ぷらが載っているので名詮自性ですが、「きつねうどん」はそうではありません。
だからネーミングがきわめて重要。
作業確実実行力は低くとも、異常検知力さえ整っていれば、事件は防げます。それゆえ、達人に見習うなら、その作業確実実行力だけに注目するのではなく、異常検知の技も観察するべきです。
やり忘れの元凶である「揃い待ち合流」を避ける
弓道や茶道といった作法では、手順が一本道に固定
料理の「さしすせそ」も因果律――手順の前後の相性を見る
そして会社には膨大な書式レイアウトがある。これがが事務の能率を支配する。
揃い待ち合流にならないようにする。
Posted by ブクログ
ミスだらけの私といたしましては、・・・。
ホッとしたあとは注意力がなくなる。仕事の終わりまで達成感を保留する仕掛けづくりの必要性155p
能力の副作用としてのミスp27
慎重を要する作業では沈黙を守り気を散らさないp44
仕事の構造を絵解きにするp170
まとめるのは表がいい
個別の物体や場所 対象物に直接書き込むか貼る
個別の仕事(todo)タイムアラーム月の個人用メモ帳
特定の仕事だけに限らない共通情報共通規則 職業用手帳や必携ハンドブックに記入
Posted by ブクログ
事務ミスをなめてるわけじゃないけど、うっかりミスてついやらかしてしまうんですよね。完全には無理だけど、原因と予防策をきちんと説明してくれることで、気付けることはたくさんあったと思います。「気づけたから大丈夫。直すぞ」で終わらせるのではなく、「どうしたらもっと簡単に、ミスなく効率的にできるか」を常に頭においておきたいと思います。