【感想・ネタバレ】もっと悪い妻のレビュー

あらすじ

夫の知らない妻の貌。桐野夏生の最新短篇集

家事を一切やらないバンドマンの夫に不満を募らせ、娘に当たってしまう千夏。かっとなった彼女が娘を預けて向かった先は……(「悪い妻」)。夫公認の不倫相手をもつ麻耶。仕事も私生活も順風満帆な彼女は常に満ち足りている (「もっと悪い妻」)。型に嵌まった“妻のあるべき姿”を鮮やかに打ち砕く、6つの傑作短篇! 解説・小池真理子

単行本 2023年6月 文藝春秋刊
文庫版 2026年7月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

桐野夏生『もっと悪い妻』文春文庫。

僅か140ページ程で6編収録の短編集。

現代日本の様々な市井の人びとの日常を切り取ったような短編ばかりが並ぶ。歪な関係の夫婦、独り身となった男性や女性。事情や状況は様々あれど、しっかり生きていることだけが人生の証なのかも知れない。


『悪い妻』。キラキラネームの娘と暮らす、脆くて危うい若い夫婦の日常を描いた短編。いつ破綻してもおかしくないようなイマドキの若い夫婦の生活。家事と育児に一切関わらないアマチュアロックバンドに熱中する牛丼屋のバイトの夫に不満を募らせる千夏はついつい娘のドレミに当たっていた。

『武蔵野線』。中年男の悲哀をこれでもかと描いたような短編。何時までも過去を引きずりながらも、若い女性とどうにかなることを夢見る男の哀しい性は端から見ると情けない。会社をつぶし、タクシー運転手となった53歳の原田は首都高を自転車で走る老人の姿を目にする。その老人は会社をつぶした時に別れた妻の義理の父親に似ていた。義理の父親は何かあると武蔵野線にでも飛び込むかと言うのが口癖だった。

『みなしご』。妻に先立たれ、独り暮らす老人の悲哀。掴みかけた微かな幸せも儚く消えていく。亡くなった妻が引き取って来たみなしごの老犬ハッチと暮らす老人男性。親が遺した8部屋ばかりのアパートを更地にして年金の足しにして、悠々自適に暮らそうとしていたが、1人だけ初老の女性が居残っていた。

『残念』。違う男と結婚することを夢想する愚かな女。結婚は人生の墓場と言うが、これは男性側のセリフというのが一般的だ。42歳になる佐和子は海外セレブたちのゴシップに興味津々で、夫の雅司と結婚したことを後悔している。細身で美形の佐和子に対して雅司はぱっとしないずんぐりむっくりで、何で彼と結婚してしまったのだろうか。

『オールドボーイズ』。僅かな繋がりだけで、その隙間に入り込もうとして来る自己中な人びと。12年前に赴任先のヨハネスブルクで夫の隆哉を亡くした歳49歳の広沢亜美は気ままな独り身の生活を楽しんでいたが、義理の母親や隆哉の元上司から連絡が入る。

『もっと悪い妻』。様々な家族の形があるだろうが、描かれるこの家庭は歪で異常だと思う。夫の新と娘の美織、犬のジンジャーと暮らす37歳の麻耶には夫公認の不倫相手で大学時代の元彼の翔太郎が居た。

本体価格640円
★★★★

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2026年07月14日

Posted by ブクログ

東京島以来かな〜?多分桐野さん2作品目。これだけ短い作品で、しっかり内容があるのは流石だと思います。暫くしたら長らく積読の“Out”を読んでみようと思います。星3つ

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2026年07月15日

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