あらすじ
首なし死体、密室、蘇る、死者、見立て殺人……。京都近郊に経つヨーロッパ中世の古城を彷彿させるゴチック調の館・蒼鴉城を「私」が訪れたとき、惨劇の幕はすでに切って落とされていた。事件の最中、満を持して登場するメルカトル鮎。そして迎える壮絶な結末! ミステリー界を騒然とさせた衝撃のデビュー作を新装版にて。
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Posted by ブクログ
メルカトル鮎シリーズ
探偵・木更津とともに今鏡家にやってきた香月実朝。脅迫状を送られた伊都。依頼人である伊都の首無しの遺体。足を切り取られ甲冑の足をつけられた遺体。密室で見つかった有馬の遺体も首がなくオレンジの種がふりまかれていた。翌日殺害された畝傍の遺体も首を切られていたが発見された首は白粉で白く化粧されていた。目撃された多侍摩。木更津の推理で事件の発端となった多侍摩の遺体の調査。1月前に棺に納められたはずが切られた首。推理に失敗した木更津の山籠り。メルカトル鮎の登場。殺害された双子の加奈絵、万里絵。使用人ひさの遺体はレコードに首を載せられていた。メルカトルの首の発見。シルクハットをかぶった遺体。木更津の登場と推理。発見された首を切られ十字架にかけられた菅彦の死体。見立て殺人の謎。犯人に隠された秘密。『日本樫鳥の謎』に隠された秘密と事件の真相。ロシア革命で日本にやってきたメドヴェージェフという作曲家の唯一の作曲。
Posted by ブクログ
悪徳銘探偵(メルカトル)の伝説はここから始まる!!
ミステリー界に物議を醸した鮮烈のデビュー作!!!
京都近郊に建つヨーロッパの古城のような館・蒼鴉城を、
城の主からの依頼で、名探偵・木更津悠也ともに「私」(香月実朝)が訪れた時、既に惨劇は始まっていた。
第一部では冒頭からお約束の首なし死体の登場、しかも2対。首と身体が異なる組み合わせで。さらにそこには密室の謎が―
翌日、さらなる殺人事件が発生、ここでも首が切断されている―。
さらに次の日には、これまた同様に首なし死体が。背後には蘇る死者の存在が―。
4日目、ついに名探偵は答えを導く!
―が、失敗に終わりなんと彼は山籠りをするのだ!
第二部、今度は新たな“銘”探偵・メルカトル鮎が颯爽と登場!
彼がやってきても連続殺人は止まらない。双子がこれまでと同様に殺されていたのだ。
来た時にすでに死んでいたと嘯く銘探偵。
彼が出した答えは―のちのちになってその真価が問われなくなってしまったものであった。
そして復活した名探偵、死んでしまった銘探偵。
全てに解明がなされるとき、十億分の一の可能性が生じていた。
本書はその個所で「そんな馬鹿な!」と思いつつも語られなければならないのだ。
エラリィ・クイーンの〈国名〉シリーズを見たてていた連続殺人。
そして、城の一族は絶えてしまっていた。
最後はミステリのお約束をぶっ壊していく!
ちょ、お前、もっとはやく出てこいよ!
傑作です。
新装版になっても読みにくいのは相変わらず。
その理由は最後の「自作解説」を読んでみるとよくわかります。
麻耶さんは最近ここまではっちゃけた作品は書いていないので少し期待。
なんせ「メルカトル三兄弟合体」「宇宙人と素手で戦う」なんてのがあったそうですよ。
Posted by ブクログ
「メルカトル鮎」とかいう単語の響きで読んだところが7割くらいなんで、そこにたいした意味がなかったことが一番の衝撃。(笑)
ただね、読んでから10日くらいして、ある意味かつてないどんでん返しが仕掛けられてたことに気づいたときには笑いとともに感心したよ。
つまりね、(以下ネタバレ)
犯人が二転三転する話はよくあるけど、探偵が二転三転するってのは初かもしれん。
Posted by ブクログ
「7人の名探偵」で気になっていたメルカトル鮎シリーズ?が読みたくてこちらをチョイス。麻耶雄嵩氏のデビュー作らしい。
色々ぶっ飛んだ作品らしいけど……ああ(察し)
コレはすごいな。以下ネタバレ
二転三転どころかゴロゴロ転がってるやないかレベルで話が変わる後半(笑)
結局シリーズでのメルカトル鮎は一番最後に残った人、なんだよね?
大量殺人な割にはサクサク話が進むのは、出オチかと思ういきなり現れた二人の死体が原因?
というか、国内ミステリーで警察が名探偵と言われる人物の発言を重要視するのってなんか意外な気がする……気のせいかな。
探偵がゴロゴロいる世界観が読んでて不思議やった。
犯人は、なんちゅーかどいつもこいつも悪いからなぁ……というか、なかなかの「マジかーい」って言うトリックだよな。雰囲気で推してるけど種明かしされたら「まさか……」ってなったわ。
そして、「7人の名探偵収録作」での語り部と今回の語り部は別人なわけだ。違和感あるのはコレか。次の話も読みたいなぁ。(7人の名探偵の語り部くんが好きだったので」
Posted by ブクログ
よくわからなかった。
著者のデビュー作で
メルカトル鮎はシリーズ化されてるのに最後の事件?
名探偵がふたりも出てるのに
どんどん殺人は続き
登場人物はさほど多くないのに
なんも解決出来ず最後はあっけなく。
男性が90歳のおばあちゃんに簡単に殺されるの?
首切りって力いるやろ。
人が死ねばいいってもんじゃないやろ!
とぶつぶつ言いながら読み終えたのであった。
Posted by ブクログ
難しかった!
最初メルカトル鮎最後の事件というサブタイトルとあらすじから掛け離れたスタートに戸惑いつつ、なかなかこれといった推理が組み立てられないまますすみ何人もころされ、やっとメルカトル鮎登場!でまた何人もころされつつ、なるほどそういうことか!となったのにまた覆され、最後にまたどんでん返し。
どんでん返し好きには堪らない!とは思いますが
それ以前にしにすぎ!探偵止めろや!!!と思っちゃうこともあり……某じっちゃんの名にかけて的な古典的な探偵モノではあるのだけれど、私の好みではなかったかな?
最後は驚きました!
Posted by ブクログ
麻耶雄嵩の書籍ということで少し警戒して読み始めた。それにしても殺人が起こるまでが早すぎる、探偵が事件を止める気がない、など普通とはやはり違う。
メルカトル鮎の話は未読だったのだが、まさか殺されるとは。。。なるほど、最後の事件ってことね。
前半は読みづらいが、後半の怒涛の展開はお見事。どんでん返し続き、荒唐無稽なトリックなど凄味があった。