あらすじ
カエサルが「賽は投げられた」と言ってルビコン川を渡ったというのは有名だが、出典をみると、カエサルは実はこう言ったのだという。「賽を投げろ」。なぜ後世にそう伝えられたのか-ギリシア・ローマの名句337に原綴・出典を添え、編者が自在に語る。通読しても、ある句を捜して拾い読みしても楽しめる1冊。
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Posted by ブクログ
すべての日がそれぞれの贈り物をもっている.
わしも人間ですからな。 人間にかかわることなら何でも、わしにとって無縁とは思えんのですよ。
「私は人間である。ゆえに、人間に関するところいかなることも、私にとって無縁とは思わない」
おしゃべりの 人は,たとえ本当のことを言っても 不審の目を向けられる .
新しい称賛が生まれなければ古い称賛も消えてしまう。
飲む理由はたくさんある。 ことわざ
賽は投げられた。
機会は容易には与えられないが、 容易に失われる。
怒りは一時の狂気である。
万物の尺度は人間である。 あるものについてはあるということのないものについてはないということの。
習慣も快いものである。なぜなら、習慣として身に ついているものは、事実上、持って生まれついたのと 同じようなものになっているから。
金の靴をはいても猿は猿。
すぐに古びてしまうものは何かと問われて、「感謝だ」と彼 (アリストテレス)は答えた。
ソクラテスは若者たちに、たえず鏡に自分の姿を映してみて、美しければそれにふさわしい者となるように、また醜ければ、 教養によってその醜い姿をかくす ようにせよと勧めた。
ブレケケケックス、コアックス、コアックス。
かえるの鳴き声
確かなことを打ち捨てて不確かなことを追い求める のは、愚か者のやることだ。
月はなぜ狂気の象徴なのか?
カルペ・ディエム 今この瞬間を楽しめ、今という時を大切に使え
「世界人」ソクラテス
Posted by ブクログ
ラテン語の綴りが載った名言集が欲しいと思って購入しました。
日本のことわざに似てる言葉や、変な言葉、
雄大な文明を感じさせる言葉等を味わえて大変満足いく一冊でした。
この本が他の名言集よりも面白い点は、
編者のちょっとしたつぶやきのような解説が付いている事。
砕けた感じでその言葉の背景や、関係する編者自身のエピソード、日本語との違いなどなど、名言と一緒に読み込んでしまいました。
そんな、編者の解説で印象に残ったエピソードが。
編者の知人の英国将校が、絶望の淵にある部隊にローマ人の名言を引用し励ますと、兵士達の顔に血の気が蘇ったと言う。
”世の中には確かに名言と言う物がある、つまり、いつでも、誰でも、それを言いさえすれば人を勇気付けずにはおかない、そういう言葉があるということを知った。”
Posted by ブクログ
久しぶりに岩波を読みました。岩波ってやっぱりいいよね。頭がきゅるきゅる回転する感覚。たまりません。
★アリストテレス
一羽の燕、ある一日が春をもたらすのではなく、同様に至福な人、幸福な人も、一日で作られるわけではない。
竪琴を弾くことを学ぶ者は、竪琴を弾くことによって、竪琴を弾くことを学ぶ。
哲学であれ、政治であれ、詩であれ、或いはまた技術であれ、とにかくこれらの領域において並外れたところを示した人間はすべて、明らかに憂鬱症であり、しかもそのうちの或る者に至っては、黒い胆汁が原因の病気(メランコリア)にとりつかれるほどの酷さであるが、これは何故であろうか。
★アンピス
飲め、遊べ。人は死ぬもの。地上で過ごす時の間はわずか。死んだが最後、死は不死ときている。
★アイソポス(イソップ)
羊飼いたちがテントで羊を食べているのを狼が見つけ、近寄って行くと、「俺がそれをしたら、お前たちはどんなに大騒ぎすることだろう」と言った。
★イソクラテス
人間に関することは何事も安定していると思うな。そうすれば、幸運に恵まれても喜びすぎることもなく、不運においても悲しみすぎることはない。
★ウェルギリウス
友よ、われわれはこれまでに不幸を知らずにきた者ではない。ああ、もっと辛いことにも耐えてきたのだ。これにも神は終わりを与えよう。辛抱せよ。幸せな日のために自重するのだ。
力があると思うゆえに力が出る。
★エウリピデス
長い話を切り詰めて、短い言葉で適切に語るのは賢人である。
沈黙が言葉にまさる場合もあるだろうし、言葉が沈黙にまさる場合もあるだろう。
★オウィディウス
運命の女神は…今喜んでやって来たかと思うと、今度は苦々しい顔つきをしている、気まぐれだけが変わらない。
泣くことがある種の喜びとなることもある。涙によって悲しみは鎮められ追い払われるから。
私がやろうとしているのは、難儀なことだ。だが、難儀がなければ男の道ではない。
★カエサル
よしたとい、勝利のためとはいえ、私はどうして部下を何人も失う必要があるのか…私はなぜ戦運を試そうとするのか。特に剣と同じく思慮でも相手に勝つことが、将たるものの義務であるというのに。
★キケロ
私たちは、子供が生まれたときは寄り集まって、なんという不幸の中へやって来たことかと嘆くべきでしたし、また誰かが死んだときは、これで苦労から解放されてよかったと、皆で喜んで差し上げ、万歳万歳と弔うべきだったのです。
喜んだ人は喜びの種を忘れるが、悲しんだ人は悲しみの種を忘れない。
知恵を伴わなくても正義は大いに強力なものだが、正義を欠いた知恵はまったく通用しないであろう。
★ギリシアのことわざ
魚は頭から臭いはじめる。
素面のときは胸の中にあるものが、酔うと舌の上にのぼってくる。
おまえは自分の頭上に月を引き下ろす。
始めは全体の半分。
★クレアンテス
運命は従う者を導き、従わぬ者を引きずって行く。
★サルスティウス
あらゆる戦争は、起こすのは簡単だが、やめるのは極めて難しい。戦争の始めと終わりは、同じ人間の手中にあるわけではない。始める方は、どんな臆病者にもできるが、やめる方は、勝利者がやめたいと思う時だけだ。
★セネカ
人間は教えている間に学ぶ。
恩恵をほどこした者は黙っているがよい。恩恵を受けた者は語るがよい。
★ディオゲネス・ラエルティオス
ソクラテスは若者たちに、絶えず鏡に自分の姿を映してみて、美しければそれにふさわしい者となるように、また醜ければ、教養によってその醜い姿を隠すようにせよと勧めた。
★トゥキディデス
人間は戦争に突入するとき、最後の手段とすべき戦闘行為を最初に始めてしまうものである。そして既に災害を受けてしまってから、言論を開始する。
★プブリリウス・シュルス
機会は容易には与えられないが、容易に失われる。
恋は涙のように、目から発して胸に落ちる。
貧しい者には多くのものがないが、貪欲な者にはすべてのものがない。
★プルタルコス
麦を甕に入れて保存しておくと、量は増えるが質が落ちるのと同じで、話もおしゃべりな人間の口にかかると、多量の嘘を取り込んで、信頼を失うことになるのだ。
駄目な人間は食わんがために生きているが、すぐれた人間は生きんがために食うのだと、ソクラテスが言った。
★ヘロドトス
人間の運命は車輪のようなもので、くるくると廻りつつ、同じ者がいつまでも幸運であることを許さぬものです。
★ホメロス
耐え忍べ、わが心よ。おまえは以前これに勝る無残な仕打ちにも辛抱したではないか。
★ホラティウス
分別の心に、わずかな愚かしさを交ぜよ。時を得て理性を失うのは、いいものだ。
およそ人の才能は、逆境がそれを明らかにし、順境はそれを隠すものだ。
カルペ・ディエム(今日という日を摘み取れ)
生まれながらに欠点のない人間などいない。最上なのは、欠点が少ない人間だ。
山々が陣痛を起こして、あほな鼠が生まれるんだろう。
多くを求める者には多くのものが足りませぬ。神が控えめな手をもって授けたもうたものにて足れりとする者こそ豊かなのでございます。
思慮を欠いた力は、おのれの重みによって崩れる。制御された力は、神々もこれをますます進めたまう。
★ユウェナリス
清廉潔白は称賛され、そして寒さに凍える。
どうか私に健全な身体をお与えください。そしてその身体に健全な精神を宿らせてください。
Posted by ブクログ
ギリシア・ローマの名言を項目別に原文・出典・解説を付けているのでとても読みやすく分かり易いです。名言の言われた時代背景や状況を説明してくれるので歴史をよく知らなくても理解でき大変有り難いです。
Posted by ブクログ
ギリシア126、ローマ211、計337の名言について、訳文・原文・簡素な解説を併記した200ページ未満の本です。
文法解説はないので、原文の意味をとるためには、辞書を引く必要があります。
こういう本は勉強に使うのではなく、暇なときに訳を流し読みするくらいでいいと思っているのですが、時々目に留まるものがありました。
例えば「時は真実をさらけ出しつつよぎるものだ」(エウリピデス)p.53
昔『銀河英雄伝説』というアニメを観たのですが、その各話タイトルの1つに「真実は時の娘」という印象深いものがありました。
(真実は時間が経つと表れるの意)
インターネット検索で、おそらくジョセフィン・テイ『時の娘』(英、1951年)からの引用と分かったものの、真実が女性名詞であるという概念が英語にはないので、もっと古い由来があるのではないか引っかかっていました。
(真実を意味する希ἀλήθειαも羅veritasも女性名詞)
本書には、ジョセフィン・テイ『時の娘』が、A.E.ハウスマンの詩を引用していて、そのハウスマンはアウルス・ゲリウス『アッティカの夜』(羅、2世紀頃)を引用しているという解説があります。
そして、類例としては、エウリピデスの上記引用句がさらに古く、ギリシアでは同様の意味の句がいくつもみられるということです。
ちなみに娘(真実)の親(時)が父親か母親かについても引っかかっていたのですが、羅temporis>tempusは中性名詞なので、答えはないということになりそうです。
ギリシア語に目を向けて、エウリピデスの引用句からすると主語はχρόνος(男性名詞)なので父親のイメージか。
あるいはὥρα(女性名詞)という線もあるかもしれません。
現在のWikipediaにはアウルス・ゲリウス『アッティカの夜』の解説まではありますが、本書のようにギリシア語まで遡ってくれると、調べ切った感が出てスッキリしますね。
ちなみに、どの名言も解説が簡素なので、語学読み物を求めるのであれば、同じ著者の『語学者の散歩道』の方が読み応えがあると思います。
Posted by ブクログ
名言、金言と呼ばれるものには、時間や空間を超えて、人間の心理や社会の真実を言い当てていることがあります。ヨーロッパ社会の起源であるギリシア、ローマの時代の名句を読んでみたい、という思いから本書を手に取りました。
ローマ時代の名句より、いくつか心に残ったものを記します。(カッコ内はラテン語)
- 生きている限りわたしは希望を抱く (dum spiro spero)
- (今日という)日を摘みとれ (carpe diem)
- 私は生きおえた。運が私に与えてくれた筋道を、私は歩き通したのだ (vixi e quem dederat cursum fortuna peregi)
- 人間は自分が信じたいことを喜んで信じるものだ。(libenter homines id quod volunt credunt)
三番目は、自害するカルタゴ女王ディドの、最後の言葉の一節ですが、誇り高い女王の謦咳に接するような気がしました。
最後のは、現代でも良く耳にします。カエサルはガリア人を攻める際にガリア人のスパイを使って翻弄した逸話が紹介されていました。
こうした名句に現代にも通ずる力が宿っているということは、人間社会の普遍的な価値観がそう大きくは変わっていないから、ということでしょうか。
Posted by ブクログ
所や文化は違えど人間の根本はそう変わらないことを伝える格言の数々です。
それを2000年以上前に見抜いて言葉に残す先人の知恵にも驚かされます。
Posted by ブクログ
ソポクレスから人を喰った墓碑銘まで、エピグラム数々。ギリシアの部126編、ローマの部211編。訳と原文と出典、そして簡単な解説。真面目に通読する本ではないかもしれませんが、「大山鳴動」の元はローマの格言で、いつのころか漢詩に訳された、とか、所かわれば言いかたも変わるんだなあ、とか、どこでも変わらないものはあるんだなあ、とか、あれこれ愉しめます。ギリシア・ラテン語が読めなくても、訳と解説だけでじゅうぶんたのしめます。
Posted by ブクログ
この手のものはたまに読みたくなるのですが、ギリシアであれローマであれユダヤであれ中国であれ日本であれ、まぁ書いてあることは大体似通ったものなんです。当たり前ですけど。
ただ私のような真性パッパラパーは大事な事ほどすぐ忘れるので、こうして定期的に各時代各地域の名言に触れて軌道修正を試みるというわけですね。
さて。
どれもまぁかっこいいんですがキリがないので2025年1月現在の私にとってのベスト5をここに。
1
「すべての死者に王となって君臨するよりは、地上にあってどこかの土地の割り当ても受けぬ貧しい者に日雇いとして使われたい」
(ホメロス、オデュッセイア、アキレウスの亡霊)
生前は名誉のためなら命を惜しまぬ勇者アキレウスのセリフってのがまたいいですね。
日本語だと「死んで花見が咲くものか」とかでしようか。全ては生きていてこそ。この世は生と死があるのではなく、生しかない。あとはただの無。
2
「どれほど奢った野辺の送りをしたとて、死んだものにはさほど役に立つものでもあるまい、所詮は生き残った者の空しい見栄にすぎぬのであるから」
(エウリピデス、トロイアの女)
私はバカの上に幼稚なので、人の死に対して「金儲け」や「評判儲け」をしようとする人達があまり好きではありません。豪華な葬式は親族の悲しみよりも葬儀会社によるプロの、手慣れた装飾が気になってしまいますし、また、葬儀場を埋め尽くす花々と送り主の看板もパチンコ屋の開店祝いを脱色したような感覚になり興醒めです。(私が幼稚なだけで葬儀会社や死を悼み大きな大きな花を送る心優しい方々は悪くありません。それで家族の気が紛れることもあるかもですしね。)
ただ。本人が好きだった◯◯をとか、感動的な(まるで芝居のような)弔辞とか、センス溢れる祭壇にめちゃくちゃ写りのいい遺影とか。なんかね。
やはりどれもこれもちょっとアレかな。
そのエナジーを生きてる時に注いでましたかね?
他の誰も見ないとしても同じことしますかね?
と。
究極はまさにこの名言で、いくら頑張っても相手死んでるから。みたいな。
全ては生きていてこそ。「絶対」といえることなんてそうそうない世の中で、自分も相手も誰も彼も死ぬべき生き物(しかも数十年)であることは絶対であるのだから、大事と思うならば死を意識して大事に扱いたいものですね。
3
「一文無しの旅人は道中で追い剥ぎを相手に歌のひとつも歌えよう」
(ユウェナリス、風刺詩)
神様どうか金持ちにしてくださいとか言うな、お前は貧乏ならばこその気楽さを忘れたのか
という意味らしい。
まぁ生活を変える必要はないですが、財産にしろ進学にしろ出世にしろ美貌にしろ何にしろ、何かを欲したり何かを失うことを恐れたりする場合は「まぁそうは言ってもイーロンマスクから見たらゴミにもならない金額だしな」とか「ハーバード医学部からすれば生きてるのが不思議なほどの低学歴だしな」とか「ブラッドピットからすればちんちくりんの黄色人種っていう時点でよく自殺しないなって感心されてるだろうしな」と視点をずらして気を楽にすることは出来ますよね。その上で神様にお願いするっていうか。いないけど。どこにも。神様なんて。(但し鬼と悪魔と地獄はある)
4
「幸運の女神は強者を助ける」
(テレンティウス、ポルミオ)
類似例に「祈ってるだけで何にもしない奴を幸運の女神は助けない」ってのがあるらしいですが、こっちの方が簡潔で救いがなくていいですね。
5
「多読より精読すべきだと言われている」
(小プリニウス、書簡集)
うっ、ぬぐぐぐぐ。
多読をする集中力も継続力もなれけば精読をする脳みそもセンスもないワタシ。読んでる側から内容を忘れる。どんな名言も身に付かず読書はただの暇つぶし、人生の浪費にしかなってない。
とほほ。
でも人生のすべてのイベントは単に「自らがいつか必ず死ぬということを一瞬でも忘れるためのから騒ぎ」だし、世の中のすべては「幻想」だし、子供だ孫だと言ったところで自分が他人の思い出に参加できるのはたかだか1-2世代、誰かが死んだ、あんな若くして死ぬなんて、自分より先だなんてと嘆いても、まるで1日で死んでしまうウスバカゲロウが数時間先に死んだ仲間を嘆き悲しむかのような。
人生とは虚しさなのだ。
どうせ何をしたところでマックス数十年で終わる命。しかも目に見えるものは全て幻。
私が精読しようがしまいが、大して違いはないのだから気にしないでおこう。
(パーにはパーの生き方がある)
Posted by ブクログ
気に入った名句。
賽を投げろ.
大胆な指揮官より用心深い指揮官.
人間には舌は一枚しかないが,耳は二つある.
何が難しいか」と問われて(タレスが)言うことに「自己を知ること」. , , . 「何がやさしいか」と問われると,「他人に忠告すること」. ,
始めは全体の半分.
早口でしゃべらないこと.気が狂っていると思われるから.
〖いかり〗 7 怒りは一時の狂気である.
恩恵をほどこした者は黙っているがよい.恩恵を受けた者は語るがよい.
人生は人間に,大いなる苦労なしには,何も与えぬ.
56 後の日は前の日の弟子である.
ひとたび発せられた言葉は,取り返しがたく飛ぶ.
額,目,顔つきなどもよく偽るが,何と言ってもいちばんよく偽るのは言葉だ.
あらゆる戦争は,起こすのは簡単だが,やめるのは極めてむずかしい.戦争の始めと終わりは,同じ人間の手中にあるわけではない.始める方は,どんな臆病者にもできるが,やめる方は,勝利者がやめたいと思う時だけだ.
中間を行くのが,もっとも安全だ.
喉が渇いてからやっと,井戸を掘ることになった.
貪欲な人間には,いつも何かが足りない.
習慣によって,言わば第二の天性が作られる.
何事にも驚かないということが,人を幸福にし,幸福に保つことができるただ一つの道だ.
その昔,プロメテウスは人間を造ると,二つの袋を首に掛けさせた.ひとつは他人の欠点,もう一つは自分の悪い所を入れた袋で,他人用の袋は体の前に据え,今ひとつは背後にぶら下げた.それ以来人間は,他人の欠点はたちどころに目につくのに,自分の悪い所は予見できない,ということになった.自分の問題では何も見えないくせに,関係のない人のことで心を労するおせっかいに,この話は適用できる.
すべての日がそれぞれの贈り物をもっている.
ローマの初代皇帝アウグストゥスが座右の銘にしていた言葉を三つあげている.「ゆっくり急げ」,「大胆な指揮官より用心深い指揮官」,「完璧にやってこそ速くやったことになる」
Posted by ブクログ
古代ギリシア・ローマの書物やことわざからとられた言葉の数々。ギリシア語やラテン語が併記してあるところも良い。
ほほぉーと納得させられるものから、今も昔も変わらないんだなぁと思えるものまで様々。日本のことわざにも似ているものも多く、興味深い。
たとえば…
・一度発せられた言葉は取り返しがたい
・知っての通り、治療によって一層ひどくなる傷もあり、そういう傷は触れない方がよかったのです。
・生きているかぎり私は希望をいだく
…などなど。
そして、
「平穏にして温和な老年は、静かに、清く、優雅に送られた生涯の賜物である。」
そうなれるように日々を過ごしていきたいと思う。
引用の数がはんぱなく多くなってしまった笑。
Posted by ブクログ
○幸運
・人間の運命は車輪のようなもので、くるくると廻りつつ、同じものがいつまでも幸運であることを許さないのです
(ヘロドトス「歴史」)
○聴く
・言葉に打たれぬ者は、杖で打っても効き目が無い。
(ことわざ)
・人間には下は一枚しかないが、耳は二つある。
(プルタルコス「講義の聴き方」)
○習慣
・習慣も快いのである。なぜなら、習慣として身についているものは、事実上、もって生まれついたのと同じようなものになっているから。
(アリストテレス「弁論術」)
・習慣によって、言わば第二の天性が作られる。
(キケロ「善と悪の究極について」)
○強き者
・鷲は蝿を捕まえない
(ことわざ)
○学ぶ
・我々は教えることによって学ぶ
(ことわざ)
・旦那、おいらだって一遍見たことがありますぜ、役者がちょうど旦那と同じように/立派にせりふをおっしゃって、そして大喝采を浴びているのを。/例の、知恵あるものの取るべき態度ってやつを民衆に説いてたんです。/でもさ、お客が劇場から出てばらばらに家路についたら、/役者が説教したとおりにする奴なんて、一人もいませんでしたぜ。
(プラウトゥス「綱引き」)
○完成
・今や、私の作品は完成した。ユピテルの怒りも、炎も、剣も、全てを蝕む時の流れもこれを消滅させることは出来ないであろう。あの最後(いやはて)の日が-といっても、それは、私のこの肉体だけをしか滅ぼしえないのだ-いつなりと、望みの時に、はかない私の寿命を終らせるがよい!けれども、私の中のいっそう優れた部分は、不死であり、空の星よりも高く飛翔するだろう。私の名前も、不滅となる。
(オウディウス「変身物語」)
○中庸
・黄金の中庸
(ホラティウス「詩集」)
○短所
・その昔、プロメテウスは人間を造ると、二つの袋を首に掛けさせた。ひとつは他人の欠点、もうひとつは自分の悪いところを入れた袋で、他人用の袋は体の前に据え、今ひとつは背後にぶら下げた。それ以来人間は、他人の欠点はたちどころに目に付くのに、自分の悪いところは予見できない、ということになった。自分の問題では何もみえないくせに、関係ない人のことで心を労するおせっかいに、この話は適用できる。
(パイドルス「寓話集」)
○容認
・(ホメロスほどの偉大な詩人について判断を述べる場合には)控えめ、かつ用意周到でなければならない。というのは、よくあることだが、自分に理解できないと、その点を非難するなどということになってはいけないからである。どっちみち誤りを犯すのが避けられないとするならば、多くのことを否認するよりは、いっそのこと、全てを容認するほうがいい。
(クィンティリアヌス「弁論術教程」)
Posted by ブクログ
つねに多くのことを学びつつ、私は年をとる。
人間の運命は車輪のようなもので、くるくると回りつつ同じものがいつまでも幸運であることを赦さぬ。
生きている限り、私は希望を抱く。
多読よりも精読すべきだといわれている。
不要なものは一文でも高い。
どんな本でも、読むときは必ず抜き書きした、どこも役立たないほどダメな本などないから。
Posted by ブクログ
■本の内容・特徴
時代・情勢など、その言葉(思想)にある背景も合わせて解説されている。
なので文脈の理解がしやすい。
■目的
先人の言葉から、現代にも通用する知恵を学ぶ。
■感想
特別に目を引く教えというものはありませんでした。既に現代の思想や教えに受け継がれているからなのかもしれませんね。
それぞれの言葉から、神話や当時の時代背景も解説されています。だから、格言集というよりかは格言から知るギリシア・ローマ史という感じが強いです。当時の歴史に興味のある人は面白いと思います。